【鍛えの夏SP 06】音色のシンプルトレーニング「動きの方向」で音を作ろう♪

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バイオリン応援団☆いちろーたです。

【鍛えの夏SP】第6回となる今回は
音色のシンプルトレーニング
「動きの方向」で音を作ろう!です

「動きの方向」という言葉だけでピンときたなら
すでに、音作りの基本をバッチリつかんでいることになります。

その基本をどんな場面でも迷わず応用できるように
さらに鍛え上げていきましょう!

前回の宿題は「StickからSlipへ」がテーマでした。
弓毛と弦の動きの方向が一致している状態から
それぞれバラバラの方向へと変わる瞬間について調べるのでしたね。

どんな事に気づきましたか?

さて、今回の本題に入っていきましょう。

よりよいサウンディングポイントを作るには「動き」と「方向」をはっきりさせよう

「動き」と「方向」をはっきりさせることで
よりよいサウンディングポイントを作れるようになります

※サウンディングポイントとは《音が生まれる点》です

ここで言葉の意味を確認しておきましょう。

「動き」とは
今ある位置から、次の瞬間には別の場所へ位置を変えることです。

「方向」とは
今いる位置から、別の位置がどこに見えるかです。

これらの意味から言えるのは
あまりにもアタリマエのことですが

「《動き》とは《時間と位置》のなかで起こる出来事だ」

ということです。

動きを作るには
時間と位置のことを考えれば良いということになります。

では、どう考えればいいのか。

どれくらいの時間をつかうか
どれくらい位置をかえるか

これが動きを作るときに必要なことです。

実際の演奏の場面を思い出してください。

サウンディングポイントに関連する「動き」と「方向」というと
何が思い浮かびますか?

バイオリンの音が聞こえてくる時
思い浮かぶのは

バイオリンに張られた弦をこするために
毛を張った弓が
奏者の手とともに動きまわる様子

……ではないでしょうか。

頭の体操「仲の悪い弓毛と弦」

では、ここで1つ頭の体操です

奏者が手に弓を持ち
弓に張られた毛が弦に乗って動きまわっています
しかし、弦は振動していません

弦が振動していないせいで
その弦が張ってあるバイオリンからは音が聞こえてきません

こんなコトってありうるでしょうか?
もしも、ありうるならどんなことが起きているのでしょうか?

頭で考えてもわからなかったら
実際に、楽器を取り出して、あれこれ試してみましょう

弓の毛と弦が触れ合っていて
しかも、それぞれ止まっているのではなく動いている
なのに、弦には振動が起こらない

一体、どういう動きの組み合わせだとこんな事になるのでしょうか
それとも、そんなことはありえないでしょうか?

ヒントがほしいですか?

……いいでしょう。

「StickとSlipの繰り返しが弦の振動を作る」

これがヒントです。

このヒントで今回の答えを見つけられたなら
ボウイングについての基礎知識だけではなく
応用していくための原理がバッチリ身についているといえます。

動きは方向とともにある

本題に戻って大事なことを言います……
《動きは方向とともにある》
……わかりにくかったでしょうか。

次のように言い換えれば、わかりやすいかもしれません……
《方向がなければ、動けない》
……少しは、実感しやすい言葉になったでしょうか。

《時間と位置》が音色コントロールの鍵だ

ここまで書いたように、音色のコントロールをマスターしたいなら
サウンディングポイントの《時間と位置》について学べば良いということになります

この《時間と位置》を理解できると
弓の1ストロークごとに上達できるようになります。

この世に出回っているボウイング教材というのは
サウンディングポイントについての
《時間と位置》を学ぶために作られています。

サウンディングポイントに取り組むときには

どれくらいの時間を使うのが望ましいか
位置はどこからどこへ変えるのが望ましいか

このように考えて向き合っていってください。

時間がかかってもいいので
じっくりと取り組んでみることをおすすめします。

楽器を手にして遊んでいるうちに
「あっ!動きってこれのことか!」
「方向って、これのことだったんだ!」
と気づけるはずです。

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この『鍛えの夏SP』は、2017年7月16日から8月6日にかけて、いちろーたのメールサービス読者向けに配信したメールを一部ブログ向けに編集し掲載しているものです。

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