バイオリン応援団☆いちろーたです。
長くなりますが書きます。
昨日は、かつてアレクサンダーテクニクを共に学んだ仲間の開催するワークショップ「自由自在な身体の使いかた超入門講座」に、いち参加者として参加してきました。
そこで、ボクはバイオリンの演奏を始めるまでの動きを見てもらいました。
そのときに頂いた助言が
「やりたいことの《ひとつ前》に戻る」
です。
普段、演奏する動きや演奏のための準備動作に着目して指導することが多いいちろーたにとって、いつの間にかはまり込んでいた盲点に気づかせてもらった瞬間でした。
盲点に隠れてしまっていたのは
《動きは、動く前から始まる》
ということです。
もう一つ深く突っ込んだ言い方をするなら
《動きの質を高めたいなら「どんな状態から動き始めようとしているか」を知り、「動き始めるのは、どんな状態を作ってからか」を決めることが貢献する》
ということを知っていたのに、見えなくなっていました。
自分がしているレッスンでは、来てくださった人にお伝えしていたはずなのに、自分が行動する時には抜けていました。
いま振り返ると
「楽器から出る音を、いま回りにいる人に聞かせたい」
という思いに目がくらんでしまい、そのために必要な自分の準備の手順を、いくつか飛ばしてしまったのだなと思い出せます。
☆
演奏を上達したいと願うときに、演奏する動きそのものを磨こうという人は多いとおもいます。
《音を出すための動作》って、熱心に練習しますよね。
演奏の元になる、音楽的な素養を磨くという人も多いです。
《ソルフェージュ》とか《一流の演奏に触れる》とかにも熱心ですよね。
演奏を準備する動きに着目する人も多いです。
《構えかた》を磨こうと熱心な人もいます
いちろーたは、この《構え方》のことを他の人に比べてうるさく言っているかと思います。
では、演奏の準備を始める前の自分の状態を磨こうとする人はどれだけ居るでしょうか。
楽器を演奏する前の
楽器を手に持つ前の
楽器ケースを開ける前の
楽器ケースに近づく前の
楽器ケースに目を向ける前の
楽器を演奏しようと思う前の
ただ、そこに立っている
という自分の状態を磨こうとしているかどうか、です。
いちろーたは《構えのセルフケア》ということをうるさく言っていますので
構える動きそのものばかり磨けばいい、と思わせてしまっているかもしれません。
本来、構えとは、やりたいことをやりとげるためのすべてのことです。
その意味でいうと《構え》というのは、動いていても、動いていなくても、その場に自分を居させるためによりよい選択をしつづけるということ。
その構えスキルを自ら磨き上げられるようになるのが 《構えのセルフケア》が目指すところです。
一般的には、その場に居て、何かをする前の状態のことは
「何もしないで、ただ居るだけ」
と呼ぶ人が多いように見受けられます。
実際には、その場に居るためにしている何かがあります。
床に立っているのなら、床に足を置いています
その足の上に脚や身体の全部がのっています
その一番上に頭が来るようにバランスをとります
……これが《立つ》です。
もしもあなたが立って演奏するのなら、演奏そのものを磨くことも大切なことですが、立つことそのものを磨く価値があります。
想像してください。
同じ演奏の技量がある人が
慣れた床のうえで立奏するのと
その場に立つこともできないようなグラグラ揺れる船の中で立奏するのと
どちらのほうが、演奏の技量を発揮しやすいでしょうか。
極論すると、グラグラ揺れていても演奏できるような立ち方ができるのが最強ですね。
では、立ち方を学べばいいかというと、そうではないのです。
立ち方にも座り方にも、楽器の持ちかた、演奏の磨き方にも通じる
自分の使いかたの根本となるバランスの取り方をマスターしちゃいましょうということです。
☆動きを止めて「ひとつ戻る」理由は何ですか?☆
ソロでも合奏でも、リハーサルを止めて、元の場所に戻ることありますよね。
でも、それってどんな理由なのでしょうか。
音楽は、止まったら音楽ではなくなります。
「音楽をしたいのに、それでも音楽のための動きを止める」
そこには、どんな意図があるのでしょうか。
もしも、いまから演奏をするのなら……
いつも気をつけていることの、もう一つ手前に戻ってみましょう。
楽器の発音に気をつけているのなら、発音する直前のこと。
持ちかたに気をつけているのなら、持つ直前のこと。
そういう時間をあなた自身に与えておいて演奏を始めてゆくと
どんな演奏になるでしょうか
●今回の課題
やりたいことの《ひとつ前のこと》を調べる