カテゴリー: 今日、気になったもの

  • 湿気でベタベタな指板を拭いていて思い出したメニューインの言葉「バイオリンは触覚の楽器」

    どーも、いちろーたです!

     

    最近1週間って、雨凄かったじゃないですか。

    楽器ケースを開けたら、バイオリンを手に取るでしょ。ネックとか指板ってニスが塗ってないんですよね。いわゆる白木っていうんですかね。色は白じゃないんですけども。

    何も塗っていない、さらっとしたネックや指板を触るのが大好きなんですけど、今日は違ったんです。

     

    (べたぁぁぁ・・・)

    (なんじゃこりゃー!)

     

    って、酷い顔をして叫び声を上げてしまいそうになりました。

    だって、木ではないものが肌にまとわりついてきたんです。

     

    放って置いたら、絶対キノコ生えてくる!

     

    と思って、さらっさらの布で拭き拭きしちゃいました。

     

    メニューインの言葉を思い出します。

    「バイオリンは触覚の楽器です」

    ってね。

     

    このメニューインの言葉って、普段はなんでもないんですよ。

    「はいはい、触覚ですよね。知ってますよ。大事ですよね」

    って通り過ぎてしまいます。

     

    でも、今日は久々に思いました。

    「触覚って、本当に大事なんだなぁ」

    「楽器の触り心地って、練習をするときの大事な動機づけになっているんだな」

    って。

     

    練習を始める前に

    「うぎゃー、ベタベタの指板気持ち悪い!」

    って思うのは誰でもできるんですよね。

     

    楽器に触ることが嬉しいのはどうしてなのか

    楽器に触ることから遠ざけようとするものは、どんなものなのか

     

    そんな自分の心の動きに驚きを感じつつ、大好きなバイオリンを隅から隅まで見つめては拭いて、見つめては拭いて、と繰り返してしまいました。

     

    普段は自分自身のケアが大事だとお伝えしていますけど、もちろん楽器のケアもお忘れなく。

     

    見た目ではホコリが付いていないようだったら、拭かない方がいいのか、それでも拭いた方がいいのか
    ……とか、お手入れも意識的に、です。

    教わった通りにやることも大事ですけど、「なぜそのような教えかたをしたのだろうか」と考えることも楽しいんですよね。僕はその探究に喜びを感じてしまいます。

    大阪での心技体セミナーでは、3日間かけて演奏に関わる基本動作の一つ一つを「何のために」という本質に遡って探求していきます。

    大阪でのリアル参加が困難なかたには、ZOOM参加・録画視聴もお申し込みいただけます。

    ただいま、参加お申し込み受付中です。

    →7/23 大阪府 【大阪】弦楽器奏者のための《感動が伝わる・楽しみが蘇る》心技体3Daysセミナー

    ではでは!

  • レッスンに臨む態度

    レッスンネタ帳を整理していたら、こんなものが出てきました。

    ——-

    1. 「わかりたい!」を大事に。
    2. 「わかった!」を心ゆくまで味わう。
    3. わかったらすぐ使う。
    4. 引き受けたらすぐ始める。
    5. 「やりたくない」も受け止める。
    6. 「わからない」はチャンス!
    7. 何でもいっしょにやっちゃおう。
    8. 出し惜しみしな〜〜〜〜い!
    9. 誰もやってないことを選んでゆこう!
    10. 何だって楽しむ。

    2015.2.25
    ——-

    この10箇条は、ノートに挟んだまましまってあって、書いたことすら忘れていました。けれど、目にするまでもなくレッスンやワークショップなどで私のなかで変わらずに育っているものだなと思いました。

    人生100年時代と言われるようになって、資産形成をどうするかなんて話もあります。お金はもちろん大事。かりにお金の不安がなかったとしても、人生にどんな価値を見いだせるか、そもそも何を価値として見出すのか……生き甲斐というか、生きる歓びというか、そうした生きる力を湧き出させてくれるものを忘れてしまったときには、それはお金がない欠乏感と同じくらいに、みじめな、そして空虚な気持ちになってしまいます。そんな思いはもう味わいたくないし、味あわせたくないと思います。

    ”生きる歓びを蘇らせるお手伝いをしてゆくのだ”

    あらためてそんなことを思った今朝でした。

  • 発表会にクライスラーの無伴奏モノ(レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース)を選んだ理由も大きな声では言えないんだわ。

    発表会にクライスラーの無伴奏モノ(レチタティーヴォとスケルツォ・カプリース)を選んだ理由も大きな声では言えないんだわ。

    どうも!
    いちろーたです。

    前回書いたように、先生の門下生発表会に出ることにした理由は大きな声では言えないのです。

    今回は、発表会で何を演奏するかという選曲のお話をちょっとだけ書きます。

    はじめての発表会にエントリーするにあたって、悩んだのは選曲です。何を基準に選曲したら良いのやら……そんなときに発表会のエントリーシートが門下生グループ内でシェアされました。エントリーシートによると、持ち時間の長さと、伴奏の有無によって参加費(エントリー・フィー)が変動するのですね。そういうことさえも知らなかったのだな、私は。

    検討の結果、いちろーたは5分以内の無伴奏モノでエントリーする方向で選曲を開始しました。いちろーたは一番安く参加できるように選曲したんだなと思っていただければ結構です。じっさい、そうなので。

    5分以内で無伴奏、せっかくやるのだから「この曲をやりたい」とおもえる曲がいい……ということで選んだのはクライスラー作曲のレチタティーヴォとスケルツォ・カプリース(YouTube検索結果はこちら

    選んだものの、はたして発表会までに仕上がるのかしら。そんな不安はあるものの「だって、これを弾けるようになりたいんだもん」というワクワクな気持ちのほうが遥かに強いんですよね。

    発表会は6月の下旬。あと2ヶ月弱となりました。いまは楽譜を読んだり、音を作ってみたり、指づかいや弓運びの実験をしています。ああ、楽しい!

    まず自分が楽しめるようになることって、ホント大事ですよね。

  • 発表会に出ることにした理由はそんなに大きな声ではいえない

    発表会に出ることにした理由はそんなに大きな声ではいえない


    どうも!いちろーたです。ひさびさのブログになってしまいました。

    先生の「門下生発表会」に出ることにしました。じつは先生のところの発表会に出るのは初めてです。

    初めて手ほどきを受けてからもう30年になるのに。

    今回が最後になるかもしれないと人づてに聞かされ、発表会に出ることにしました。

    写真は発表会でやることにした曲の楽譜。
    この曲を選んだ理由は、またの機会に。

  • 清宮幸太郎さんのスイング、股関節にホレボレ

    バイオリン応援団☆いちろーたです。

    昨晩(2017.9.22)のこと。
    夕食を終えた後につけたテレビに目を奪われました。

    なにかと思ったら、清宮幸太郎さんが打席に立ってホームランを打った時のバットスイングでした。

    僕の目が最初に止まったのは、股関節でした。
    バットでもなく、腕でもなく、目線でもなく、頭と首でもなく。

    股関節が球状であることを思い出させてくれる、なめらかな動きだったのです。
    3年前との比較も放映されました。
    まったく違う動きをしていました。

    こうなってくると、清宮幸太郎さんがバットを振るときに、どんな意図・思考によってその動きを作っているのかが気になるところです。

    「世界一のホームランバッターになる」という彼の今後に注目していこうと思います。

  • 雨の日は楽器がならない?!〜晴れの日と同じ弾き方をして同じようにきこえる道理があるでしょうか、という話

    バイオリン応援団☆いちろーたです。

    台風が来ています。
    体調の優れない人も多いようです。
    わたしもそのひとり。

    と言っても、わたしの場合は気圧とかのせいでなくて、母方のおじが送って来た南蛮(辛いシシトウ)にガブリとかぶりついたせいだと思うんですね。食べて飲み込んだとたんにシャックリが出て、そのままグッタリと寝込んでしまいました。

    さて。
    雨の日はバイオリンが鳴らないという言い方をする人がいます。実際にはどうなのでしょうか。

    ひとつ言えることは、環境条件が違うのだから同じ弾き方をしても、同じように響くわけがない、ということです。

    楽器の状態も、弓の毛の状態も、奏者も聴衆も、空気も、まるで別ものなのですから。

    雨なら雨の弾き方をすればいい、ということになるわけです。

    でも、実際に何をすればいいのでしょうか。

    《今、この状況で、どんな音が聞こえるだろうか》

    こう問いかけを持って、音楽を始めるのです。

    雨が降っていても、晴れていてもこの問いかけは変わりません。

    「いまの私が、この状況のなかで楽器にきっかけを与えたら、この楽器はどう応えるだろうか」

    という観察をすることだとも言えます。

    これは天気に合わせた弾き方をマスターしたり、演奏会場の広さに合わせて弾き方変えたり、という「状況に合わせた弾き方を選ぶ」とは似ているようで異なるアプローチです。

    音楽には約束された結末がありません。
    次の瞬間を迎えるためにどう音を紡ぎ出すか。

    こうして一瞬一瞬に挑戦をして行こう!

    そんなことを思いながら、雨の音を聞いています。

    (2017.9.17記す)

  • 「どうして教えているの?」〜楽しくて気持ちいい、その他に理由などあるでしょうか

    いちろーたが、教える仕事をするのは、学ぶことが何よりも楽しくて気持ちいいからです。

    超自己チューな理由ですよね。
    自分が本気で愛せるからこそ続くのでしょうね。

    学ぶことって何をするよりも楽しいし気持ちいい。
    そして、学ぶなかでも、最も魅力的なのは、他の人が学びを得た瞬間に立ち会うこと。

    そんなふうに思ってます。

    学びのきっかけをどう作ったらいいのか、そんなことを考えるのが苦になりません。ついごはんを食べるのも忘れるほど熱中してしまうこともあります。

    あなたが熱中してしまうのは、どんなことでしょうか?
    それのどんなところに魅力を感じているのでしょうか?

    楽器演奏が好きすぎてうまくいかない人のためのセミナー、やります。

    好きなだけうまくなって、気持ちよく音楽を分かちあいたいなら
    時間を作ってみてくださいね。

  • ★松崎しげると黒胡椒ポテチに学ぶバイオリン演奏の真実★

    バイオリン応援団☆いちろーたです。

    ★松崎しげると黒胡椒ポテチ★

    演奏って、あなたと楽器のコラボです。

    コラボとは、コラボレーションの略。
    合作という言い方もあります。

    コラボっていう言葉から何を連想しますか?

    松崎しげるとカルビーの黒胡椒ポテチとか。

    お互いの良さを引き立たせあって、なおかつ、楽しんでもらえる形で世に出てくるのがコラボです。

    なんでこんな話かというと、楽器を演奏するのに楽器を力ずくで動かしても鳴り響いてくれないよってことなんです。

    ひとつの作品を異なる立場にあるものたちがそれぞれに力を発揮して作り上げることです。

    奏者から見た楽器は、演奏にかかわってくれる協力者なのですよ。逆もしかり。

    楽器が楽器としての価値を見出してもらえるのは、奏者あってこそであり、楽器と奏者のコラボから生まれた「演奏」というパフォーマンスの場があってこそなんですね。

    もちろん、奏者が楽器を動かすから演奏が成り立つのですよ。でも、楽器が奏者を動かしていると捉えることもできます。

    だって、音を出すのは楽器ですから。
    楽器が音を出してくれるように、奏者は楽器に奉仕するのですよ。
    楽譜を読んだり、楽器を聴衆の前に連れ出したりもするでしょう?

    この「とらえ方の転換」が腑に落ちた時に、脱力というのはあっけなく達成されます。飛躍して聞こえるかもしれないですが、アレクサンダーテクニークでいう「協調作用」とか「抑制」という誰でももともと持っている《生きることを楽しむ本能》が自分自身の中に立ち上がってくるのがわかるようになります。

    そうなると、何をしていてもたのしいですよー!

  • あなたは何を引き出したいですか?

    いちろーたです。

    *何を引き出すか*

    ボクの練習における関心……というか楽器を「ひく」ときの関心事というと、こんなことだった。

    【楽器の性能をフルに引き出す】
    【コミュニケーションを活性化させる】=【本音を引き出す】

    これらによって

    【自身の世界観に変容をもたらす】

    ということだった。

    《いい楽器》が欲しいと思うこともあったけど、「《いい楽器》ってなんだよ!楽器はオンリーワンだろうが、このやろう!ていうか作ってるほうは、この材料で自分の技量ならこれがベストだと(思ってても思ってなくても)信じてやった結果だっての!」と思うようになった。

    そう思うようになったひとつのきっかけは、学生時代に出会った先生の影響が大きい。

    《その楽器なりの音を出せばいいんだよ》

    という一言。

    歳月を経て、何人かの楽器製作家と話をしてみて改めて「《いい楽器》は幻想に過ぎない」とおもったわけです。というのも、世の中にあるのは「個性の異なる楽器」でしょ?さまざまに分析をすれば性能を数値化もできるだろうけど、それを選ぶかどうかは好きか嫌いかでイイじゃないの、と思うようになった。

    じゃあ、《その楽器なりの音を出す》ってどういうことか。手にした楽器を存分に愛でるということ。具体的には次のような自分への働きかけをして楽器に触れるようにしている……《この子からは、どんな音が聞こえるだろうか?》……一言で言えば《好奇心》を持って接することに徹する。これがボクにとっての練習であり、演奏でも一貫した姿勢です。

    そうやって取り組むようになってから、演奏が変わっていきました。

    というわけで、お手元の楽器の魅力を引き出せていないなぁというかたには、
    楽器の魅力の引き出し方をお伝えしています。

    それができるようになると、
    あなた自身の奏者・指導者としての魅力も当然のように溢れてくるようになりますよ〜(^^)

    「あなたの楽器、素敵だね」と言われるよりも
    「あなた、楽器をよく鳴らしているわね」と言われるよりも
    「あなたの演奏、上手だね」と言われるよりも

    「あなたの演奏は忘れられない」

    そう言われる方が嬉しい。

    ボクはそういう変化を遂げてきています。

    あなたは、自分にどんな変化を引き起こしたいですか?

  • 【今日見た動画】パガニーニの協奏曲(Eugene Fodor – Paganini Violin Concerto No.1)

    パガニーニの協奏曲。

    奏者の動きを見るときに、何に注意を向けるかで見えかたも変わります。

    Eugene Fedor | Paganini | Violin Concerto No. 1

    American violin virtuoso Eugene Fodor died on this day in 2011 | A student of Ivan Galamian, Josef Gingold and Jascha Heifetz, he was a former top prize winner at the Paganini and Tchaikovsky International Violin Competitions | He passed away from liver cirrhosis – aged just 60Eugene Fedor | Paganini | Violin Concerto No. 1 in D Major (Source: http://bit.ly/21llrxA)

    Posted by The Violin Channel on 2016年2月26日

    指板と指がどう触れ合うかを見ることもできるし、奏者の目がどこを向いているかを見ることもできます。
    指先が動いたとき、指先につながっているものが、どこまで一緒に動いているか……と見ることもできます。

    ”何が見えているか”

    それだけで受け取った情報の活かしかたも変わってくるんですよね。

  • 三浦文彰さんの第1回ヴァイオリンセミナーに行ってきた!

    三浦文彰さんのヴァイオリンセミナーを聴講

    Ichiro Ishikawaさん(@ichiro_)が投稿した写真 –


    いってきましたよ!

    いちろーたです。

    三浦文彰さんのはじめての公開レッスンを聴講してきました。

    右腕の動きこそが大事

    最初の受講生の演奏を聞いたあと、三浦文彰さんは「基本的なことをききますが」と前置きしてこう言いました。

    「バイオリン演奏で大事なことは何だと思いますか?」

    (もしかしたら、必要なことはなにか?と言っていたかもしれません)

    その受講生さんは、少し考えて「姿勢」と答えました。

    三浦さんはその答えを否定はしませんでした。

    彼の答えは「右腕」

    なぜ右腕か。彼はこう続けました。
    弓を使って音を出すためには、右腕を動かす必要があるからです。
    バイオリン演奏において左腕が20パーセントだとしたら、右腕は80パーセントを占める。
    そのようにも言っていました。

    姿勢はもちろん大事です。
    でも、右腕を動かすことで音が生まれる。
    だから右腕の動かしかたについて徹底的に取り組もう。

    ……ということを、この日のセミナーの冒頭ではっきりと宣言していました。

    サウンディング・ポイントをつかまえろ!

    このセミナーを通じて三浦さんがずっと言い続けたことがあります。

    それが「サウンディング・ポイント」です。

    サウンディング・ポイントとは、音の生まれるポイント。
    バイオリンのサウンディング・ポイントは、弓毛と弦の接点。

    そのサウンディング・ポイントをどう作るのか。そのためにどう考えて、具体的に何をするか。
    このすべてのプロセスが大事だと、三浦さんは力説しています。

    このほかに、楽曲ごとにどんなことを気をつけたら良いのかを、こまかにアドバイスしていました。
    ただし、あくまでも受講生がやりたいことを尊重しながら。

    講師である三浦さんがバイオリンを手にとったときの受講生の目の輝きが忘れられません。

    ボウイングの時の肘や指の動き。
    ビブラートのときの指から腕までの動き。
    楽器をカラダの上にのせておくためのバランスの取りかた。

    なんでも吸収しようとしている姿がありました。

    いちろーたはこう思った

    三浦さんの着眼点、音楽的発想は素晴らしいものです。これからのご活躍も楽しみです。

    ボク自身も大いに刺激を受けました。そして、ボクのような《動きの専門家》の存在価値もあらためて感じました。指導の現場では、動きをどんな言葉で表すか、動きのためのアイデアをどんな言葉にするかということが重要だからです。

    バイオリン演奏において、音を出す前、音を出す間、音を出し終えるとき……絶えず音を作り出すための弓毛と弦の接点づくりのために、何をすればいいかを考えることは本当に大切なことです。だからこそ、その思考の道具としての言葉づかい、教育現場でのコミュニケーションのツールとしての言葉づかいもまた重要です。そして、考えたものが動きとして現れるようにガイドする際の、教師自身の手の使いかたもまた重要です。

    楽器に接するのと同じように、いいえ、それと同等以上に、生徒さんに触れようとする時に
    何を伝えるために触れるのか、なにが起こってほしくて言葉を掛けるのか。
    どんな願いを持って、その場を共有しているのか。

    ひとつひとつの行動に意図が込められていくとき、
    教師は、生徒にとって、最高の教育環境となることができます。

    演奏を愛する皆さんのために、そして、情熱を持って指導にあたっている皆さんのお力になれるように、これからも情報発信を続けてゆこうと思いました!

  • 「姿勢が変わるとあなたの演奏はもっとステキになるよ」《ジェラール・プーレ夏季マスタークラス2015》聴講してきました

    今年もジェラール・プーレさんの夏季マスタークラスを聴講してきました。
    ジェラール・プーレ マスタークラス ~夏季特別クラス~ | コンサートオフィスアルテ イベント情報

    姿勢を変えると演奏はもっとステキになる

    受講生のみなさんの演奏に対して、特に、姿勢について言及されていたことが印象に残りました。

    ある生徒さんに対しては、

    「あなたの演奏については、何もいうところがない。実に素晴らしい。言うべきところがあるなら、それは姿勢だ」

    とジェラール・プーレさんは、何度もおっしゃっていました。

    そして、姿勢のことを指摘された直後には音が変わりました。

    「姿勢を変えたら、こんなにも変わる。これはあなたがよく考えて自分のモノにしなければならない」

    ともおっしゃっていました。

    姿勢だけでどれくらい音が変わるか?

    どれくらい変わったかというと、ある生徒さんのばあいは……さっきまでの演奏が《隣の部屋から聞こえてくる演奏》に思えてしまう……それくらいの変容でした。

    特に、倍音の豊かさや、音量・音圧の変化の度合いが、はっきりと変わったのが印象に残りました。そして、元々の音楽の組み立て方の素晴らしさがより一層クッキリとしてきました。

    聞いていて興奮してしまいました。

    ジェラール・プーレさんは、演奏の要所要所でご自身の姿勢を示したり、声をかけたり、カラダに触れることで《姿勢にどう気をつければよいか》を伝えておられました。

    何がちがう?……姿勢で音が変わる

    では、姿勢の何が変わったら音が変わったのか。
    そのタイミングと姿勢の傾向について、メモを残しておきます。

    ・フレーズの始まり……「胴体の中折れ・ねじり」「うつむき」「沈み込み」をやめる
    ・弓のアップダウンを切り返す際……「手首」ではなく、「肘」の曲げ伸ばしを使えるように腕の向きを調整し続ける
    ・ダウンボウで先半分を使って行く時……腕を「横に引く」をやめる

    ポイントは「無用な動きをやめる」です。

    いったい、どうやって要らない動きをやめればいいのか。
    その動きを見つけて、やめてゆくために、代わりにどうすればいいのでしょうか。

    動きの習慣を変えるには、根本的には、みな同じ原理があります。

    けれど、ひとそれぞれに、いつどんなことを《ついつい、無意識にやってしまうか》は違います。

    だから、おひとりずつの状況に合わせた指導が必要となります。

    体験レッスンやセミナーでは、おひとりおひとりの奏法に合わせて、カラダの仕組みを解説したうえで、演奏の動きにどう反映させてゆけばいいかを体感していただいています。

    ご興味のある方はお問い合せください。

  • バイオリン演奏と「ブレス」または呼吸

    おはようございます。今朝は少しだけど涼しく感じます。

    でも、額の汗が玉になる。ジトジトしますね。

    呼吸とバイオリン演奏の関係について考えている、この数日です。

    ブレスをしなさいと呼びかけることが、ほとんどの場合、演奏の邪魔になることを引き起こしているように見受けられます。

    間違った息の吸いかたが体を硬直させたり、バイオリン演奏には本来不要な発声動作を引き起こさせたりしています。

    バイオリン演奏に必要なのはバイオリンを使って音を作ることであって、それ以外の動作は、すべてバイオリンて音を作ることをサポートするために行うべきものです。

    だから、バイオリン奏者は「ブレスしなさい」と言われたら、「呼吸は自然にしなさい。歌う気持ちは、バイオリンで音を作る準備に注ぎなさい」と言い換えて受け止めて欲しいとおもうのです。

  • 頭を振れば髪が揺れるのだ

    音楽したかったら、まず自分のなかの音楽を味わおうじゃないの。

    頭を振れば、髪も揺れる。(揺れない人、ごめんね)

    髪が風になびいても、頭が揺らぐことは、まずない。

    頭が揺らぐほどの風は相当すごいって話になるけども。

    音楽は無理やり味わう必要なんてない。

    とくに自分がどう感じるかってのは、無理に感じようとしなくても、静かにしていれば沸き起こってくるものは、わかるはず。

    ただ、音楽が湧き出てくるのを待っていていいと思えることが前提。

    バイオリン弾きたくないときは、ひかなければいいのだ!

    ひかなきゃ下手になる?!

    誰とどう比べているんだ?

    上手いことが価値なのか?

    音楽したくないのに、無理やり音楽するのは、嘘つきじゃないのか?

    ノルマだから練習メニューをこなす?

    何のためのノルマだ?

    なぜ、そのメニューを組んだ?

    どんなときでも音楽できる自分になりたいなら、まずは、静かに自分のなかの音楽が湧き上がってくるのを待つことから始めてみて欲しい。

    異論?

    どうぞ、お好きなように。

    僕はぼくの信じるものを発するだけです。

  • バイオリニストも指導者も、ついつい忘れがちなこと「手と頭は別々に動ける……!?」

    バイオリニストも指導者も、ついつい忘れがちなこと「手と頭は別々に動ける……!?」

    おはようございます。

    今朝は冷たい風、冴えた月。ステキな夜明け前の空でした。

    そんな空を見上げて気がついたことがあります。

    手と頭は別々に動ける……!?

    「何をアタリマエのことを」

    って思いますよね?

    でも、これが楽器を持った途端にできなくなっている人って多いんです。ぼくも2年前まではわかっていませんでした。

    このごろやっと、自分でも、わかったことができるようになってきました。

    この2年間、毎日、歩いている時も、立ち止まった時も、頭と手のことを考えています。
    そして、夢でもレッスンしたりされたりするくらいに……。

    では、今日も元気に!

    P.S.
    きのう、YouTube動画アップしました。
    初心者でも左腕を自由にハイポジションまで動かせるようにするヒントをお話してます。
    参考になればうれしいです。……っていうか、今回は《ちょっとズルいコツ》です(^^)v

    【YouTube動画】ゼロからはじめるバイオリン入門(第4回)
    音程を遊ぶ〜自由な左腕を手に入れる、ちょっとズルいコツ教えます〜
    チャンネル登録も、忘れずに!

  • 発見とは「知ってる」を壊すことから生まれるんですね〜【Dis-covery】

    発見とは「知ってる」を壊すことから生まれるんですね〜【Dis-covery】

    発見する。英語で「Discover」

    覆いを取りさる、という意味。

    もっと突き詰めると、こんな風にも言えるのではないでしょうか?

    「自分の知っている世界を乗り越えてゆく」

    ……もっと簡単に言うと、

    「知ってる」=「フタをする」
    「知らない。なにそれ!?」=「フタを開ける」

    ……ってことですね!

    (さらに…)

  • 一世風靡した「イライラ棒」を会社のパソコンでも簡単に。ストレス対処のトレーニングにいかが?

    パソコンで簡単にできるイライラトレーニング↓

    パソコンを起動します。

    起動したら、マウスを前後逆さまに持ちます。

    あとは、パソコンでやりたい作業を、逆さまのマウスで操作するだけ!

    うきー!

    イライラする!

    で、このイライラにアレクサンダーテクニークを使いましょう(^_^

    頭があることを思い出して。
    マウスのカーソルを動かすために、マウスを動かす……

    あっ、これは、手ごわい^_^;

  • 地味なリニューアルやってます……今日は《カテゴリー》を工事中!

    いちろーたです。

    昨日からブログのリニューアルを始めています。
    今日の作業はカテゴリーの見直し。

    なかなか手こずっています。
    たすけてー!(^o^;)

    記事の数がいつのまにか600を超えてしまいまして、カテゴリも無秩序に増やしたので、その数53。

    似たような名前のカテゴリーがあったりして、なかなかお目当ての情報に自分でもたどり着けないということに気づいてしまいました。これでは、せっかく読んでくださる皆さんに申し訳ない!!!……と、ようやく気付きまして、ブログをお手入れしています。

    今日は、終わってみればわずかな変更だけ。
    あちこちいじくりながら、現状を知ることができたので、よしとします。

    少しでもお役立ち度を高めるぞー!

  • 「一音入魂」というけれど。

    「一音入魂」というけれど。

    一音入魂と言うけれど、

    一音を磨くことで得られるものは、本当にある。

    こんなことしてて、何になる?
    本当にいいのか?

    自分を疑う自分を乗り越えて、得られるものは、表面上のテクニックではない。もっと、深いところにある自分の奥底にあるものを汲み出せるようになることなんだ。

    うまいとか、へたとかでは、言い表しようのないことなんだ。

    こんなに楽しい、喜ばしいことを、知らないまま人生を終えたらもったいない。

    そんなことを思うお昼どきです。

  • あの「軍師」に深い知恵をもたらしたもの〜『軍師官兵衛』に学ぶ〜

    あの「軍師」に深い知恵をもたらしたもの〜『軍師官兵衛』に学ぶ〜

    こんにちは、バイオリン応援団☆いちろーたです。

    2014年のNHK大河ドラマは「軍師官兵衛」でした。

    あなたはご覧になりましたか?

    ちょうど今日(12月27日)は、総集編がオンエアされていますよね。

    2014年のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」は、戦国時代の末期、一族の生き残りをかけて生き抜いた軍師・黒田官兵衛の一代記です。

    黒田官兵衛の、軍師としての有名なエピソードはいくつもあります。

    官兵衛が軍師として揺るがぬ名声を轟かせたのは
    なんといっても「高松城の水攻め」ではないでしょうか?

    なにしろ、

    日本史オンチのボクが知っているくらいの史実ですからね!

    豊臣秀吉の「高松城水攻め」を立案したのが黒田官兵衛だといわれています。

    難攻不落の高松城。

    どうやって攻めたら、戦わずに勝てるのか。

    官兵衛は何をしたでしょうか?

    官兵衛は、徹底的に高松城のことを調べあげます。

    城そのものばかりでなく、

    城の周りの山や谷、川や沼、田んぼや畑がどのように分布しているのか。

    地形や地質を調べあげました。

    そして、いつどんな天気になるのかという

    気候も調べていました。

    そうやって集めた情報から「水攻め」という計略に思い至ります。

    ▼参考リンク

    NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」美術の世界。第9回『高松城水攻め』のページはここをクリック

    軍師官兵衛の極意「戦わずに勝つ」とは?

    官兵衛の軍師としての極意は「戦わずに勝つ」です。

    「戦わずに勝つ」とは……どういうことでしょうか?

    官兵衛が、

    戦って領地を守るのが常識だった戦国時代にあって

    「戦わずに勝つ」という革新的な境地を得られたのは、なぜでしょうか?

    軍師官兵衛は、目の前の難敵「高松城に立てこもっている敵軍」を負かすために何をしたか。

    城を成り立たせている城の周りのことを調べあげた。

    たしかにその通りです。

    ですが、これは表面上のことにすぎません。

    徹底的に調べ上げようという情熱の源はどこにあったのでしょうか?

    なぜ「戦わずに勝つ」が必要だったのか?〜官兵衛を変えた問いかけ

    軍師官兵衛の本当の姿を知るには、

    なぜ、そこまでして「戦わずに勝つ」にこだわったのかを知る必要があります。

    「何のための争いなのか?」

    「自分が死んで、後に何が残るのか?」

    「命の使いみちとは?」

    この問いかけが、官兵衛を変えました。

    「戦って身を滅ぼすよりも、生き残って長く繁栄する選択をしよう」

    と思い切らせるにはどうすればいいか、

    敵を敵たらしめるものを断ち切る

    争いの要因をすべて取り除く

    という間接的な攻略法《間接的解決アプローチ》に目を向けたのです。

    軍師官兵衛は、この《間接的解決アプローチ》をとことん追求してゆきます。

    ひとりの命をムダにしない。

    どうやって、ひとりを活かしきるか。

    目の前にいる相手と利害を争うのではなく、

    相手と自分の利益を両立する方途を探し出す

    個人の尊厳を守りぬくことが、社会の繁栄をもたらすという未来が、

    彼にはありありと見えていたのでしょうね。

    あなたには、

    《いのちの使いみち》が見えていますか?

    ご自分のやりたいことをやり通すために、何をしますか?