今年もジェラール・プーレさんの夏季マスタークラスを聴講してきました。
(ジェラール・プーレ マスタークラス ~夏季特別クラス~ | コンサートオフィスアルテ イベント情報)
姿勢を変えると演奏はもっとステキになる
受講生のみなさんの演奏に対して、特に、姿勢について言及されていたことが印象に残りました。
ある生徒さんに対しては、
「あなたの演奏については、何もいうところがない。実に素晴らしい。言うべきところがあるなら、それは姿勢だ」
とジェラール・プーレさんは、何度もおっしゃっていました。
そして、姿勢のことを指摘された直後には音が変わりました。
「姿勢を変えたら、こんなにも変わる。これはあなたがよく考えて自分のモノにしなければならない」
ともおっしゃっていました。
姿勢だけでどれくらい音が変わるか?
どれくらい変わったかというと、ある生徒さんのばあいは……さっきまでの演奏が《隣の部屋から聞こえてくる演奏》に思えてしまう……それくらいの変容でした。
特に、倍音の豊かさや、音量・音圧の変化の度合いが、はっきりと変わったのが印象に残りました。そして、元々の音楽の組み立て方の素晴らしさがより一層クッキリとしてきました。
聞いていて興奮してしまいました。
ジェラール・プーレさんは、演奏の要所要所でご自身の姿勢を示したり、声をかけたり、カラダに触れることで《姿勢にどう気をつければよいか》を伝えておられました。
何がちがう?……姿勢で音が変わる
では、姿勢の何が変わったら音が変わったのか。
そのタイミングと姿勢の傾向について、メモを残しておきます。
・フレーズの始まり……「胴体の中折れ・ねじり」「うつむき」「沈み込み」をやめる
・弓のアップダウンを切り返す際……「手首」ではなく、「肘」の曲げ伸ばしを使えるように腕の向きを調整し続ける
・ダウンボウで先半分を使って行く時……腕を「横に引く」をやめる
ポイントは「無用な動きをやめる」です。
いったい、どうやって要らない動きをやめればいいのか。
その動きを見つけて、やめてゆくために、代わりにどうすればいいのでしょうか。
動きの習慣を変えるには、根本的には、みな同じ原理があります。
けれど、ひとそれぞれに、いつどんなことを《ついつい、無意識にやってしまうか》は違います。
だから、おひとりずつの状況に合わせた指導が必要となります。
体験レッスンやセミナーでは、おひとりおひとりの奏法に合わせて、カラダの仕組みを解説したうえで、演奏の動きにどう反映させてゆけばいいかを体感していただいています。
ご興味のある方はお問い合せください。