とある本番でご一緒したヴァイオリンYさん。本番前の待機場所で「うまくひけない場所があるんですよー、16分音符の続いてるところで5度の音程を移弦するのができない」とご相談がありました。即席でレッスン開始!
じっくり、ゆっくりとやってみたら、冷え切っていたYさんの指先がぽかぽかに温かくなっちゃいました。
結果を先に言うと大成功でした。本番終了後にYさんが駆け寄ってきました。
「すごいです。練習でひけずに困っていたところがひけちゃいました!」
「なんで?!」
簡単にやり方を書いておくので、みなさんも試してみてくださいね。
まずは「頭を動けるようにする」
まず、自分には頭があるということを思い出してください。
その頭を支えている首のことや、背中・おなか、おしりや足もあって立っていられますね。
頭を動けないようにしてみると、指が動かしにくくなったり、呼吸が浅くなったり、いろいろと不自由になりはじめます。頭を動けないようにしている、首を固めるようなことはやめてしまいましょう。
次に「楽器を構えてみよう」
楽器を持つときのことを、じぶんで観察してみましょう。楽器をテーブルに置くか、誰かに持っていてもらいましょう。
置いてある楽器を、持ってみてください。楽器に触れる前から、持とうとしていませんでしたか?もういちど注意深く自分の全体を、一歩ひいた目で観察してみましょう。
楽器を持ち上げるときには、楽器の近くまで自分の身体を運びます。楽器に触れてから、持つことを始めればいいのです。持つ前から「持とう!」として、指が楽器を持つときの形を作り始めていることに気づいていましたか?
もう一度やってみましょう。今度は、置いてある楽器に手を近づけていって、手が楽器に触れてから、手を持ち上げる楽器の形に合わせて動かしてみてください。楽器が手の形を作ります。
仕上げに……「腕」を調べよう
腕を大きく分けると「指」「手首」「肘」「肩」と分けられます。
手のひらも「指」です
手のひらを、やさしく触ってみると骨があることがわかります。長い骨は指の骨です。いくつかの、四角い骨もありますね。これが手首の動きと指の骨の動きを、うまく調整してくれる手の骨たちです。
指の骨は、手のひらの中からはえてます。しかも、手首に近いところからはえていて、わずかながらも手のひらの中で、指の骨は自由に動けます。
「手首」の動きは2種類
手首の動きは2種類あります。やってみましょう。
ひとつは「おいでおいで」とか「ドアをノックする」ときの動きです。
(屈曲 クッキョク・掌屈 ショウクツ/進展 シンテン・背屈 ハイクツ)
もうひとつは、手首から先だけでする「バイバイ」とか、手のひらを膝小僧に乗せて手のひらだけで左右になでるような動きです。
(尺屈 シャックツ/撓屈 トウクツ)
参考サイト……上肢機能障害とは | 気になる後遺障害ピックアップ | 交通事故被害者救済サイト
「肘」の動きも2種類
肘にも2種類の動きがあります。ひとつは「折り畳む/伸ばす」、もうひとつは「手のひらを裏返す」です。
「肩」は大ざっぱに2つ動けます
ひとつは……「肩はそのままで、腕だけ動かす」です。たとえば「脇をあけたり/締めたり」「腕を静かに少しだけ、前へ出す/後ろへひく」などです。
もうひとつは……「肩」そのものを動かすことです。「肩を耳方向へ引きあげる/地面の方へ下ろす」、「左右の肩甲骨を引き寄せたり/引き離す」などです。
ここまでを丁寧にやってみるだけ
Yさんにやってもらったのはこれだけです。実際には、いちろーたが体の動きを伝えるために、体に触れながら、言葉で説明していきました。