指で止めてください!
止めるだけでいいです!
いちろーたです。
弦をとめる
まずは、弦をストップする話です。
バイオリンの演奏をする時、指を弦に触れさせて、振動する弦の長さを変えることを、英語では「stop(ストップ)」といいます。あなたは、音程を変えるために指で弦にさわることを、なんという言葉で呼んでいますか?
おさえる。
さわる。
他にもあるかもしれませんね。
弓にとまる
さて、このストップの話は、もうひとつあります。
右手で弓を持つ時の話です。これも、弓のスティック(さお)に指が止まるだけでいいです。
木の枝や、電線に鳥が止まっているのを見たことがありますか?
よく見ると、彼らは足と枝を固定しているのではありません。風に揺れる木の枝や電線の上で、絶えず足から伝わる情報や目から入ってくる情報など全身で得た情報を使ってバランスをとり続けています。
あれと同じです。
弓を持つ手というのは、弓を固定するのではありません。
手は、「弓」と「出したい音を出すための弦」とがこすれあう動きができるバランスのために、全身と楽器とを連携させるための組織です。
演奏が変わる!手と指の仕掛け
手の骨と関節
手の骨は、片手だけでも27個あります。関節の数は19はあります。(数え間違っていたら教えて下さい!)
一般的には関節とされていない《骨どうしが隣り合っていて、わずかでも動けるもの》も関節として含めると、手の中には、片手だけで30近い関節があることになります。
手のなかに30もの関節があるなんて信じられますか?
関節を演奏で使いこなすには?
いままで、あなたは、いくつの関節を演奏に使っていたでしょうか?
想像してください。
手のなかにある30もの関節。この動きすべてを、演奏に使うことができたら、演奏はどんなふうに変わるでしょうか?
手を使いこなすためにできるエクササイズのアイデア
指や手の全体を、ただ眺めるだけでも構いません。
指を動かす様子を、手のひら側から見たり、手の甲側から見たりして見比べてみるのも良いアイデアです。
指を動かす時に、もう一方の手で手の動きを触ってみるのも素敵な発見があることでしょう。
人体標本をスケッチしたり、骨格模型をさわってみるのも良い刺激になります。
あなたの理想の演奏家の動きが、どんな関節の動きによって実現しているかを調べるのも、楽しいひとときとなるはずです。
ぜひ、探求してみてくださいね。