もっとも難しい勝利とは?

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――もっとも難しい勝利とは

――それは、自分自身に勝つことである

私が高校3年生の時、卒業のはなむけとして師匠からいただいた言葉です。

当時は「ふむふむ。そのとおりだ」なんて、わかったつもりでいましたが
20年以上たって、いまごろになって、この言葉の意味を考えさせられています。

学校のテストで何点取ったとか、
初任給がいくらだったとか、
ボーナスがいくらだったとか、
結婚が早いだの遅いだのとか、
使っている楽器が安いとか高いとか……

勝ったと思えば、浮かれて舞い上がり
負けたと思えば、落ち込んで妬ましく思ったり……

ぼくは、自分が他の人より優れていることを見つけることが
自分の生まれてきた意味だと思っていたのかもしれません。

バイオリンをひいているときもそうだったかもしれません。

「あの人は、指揮者とずれている、自分のほうが優れた理解と表現をしている」
「あのひとは、私よりも、私の理想に近い演奏をしているきがする。ぼくの演奏には価値がない」

と言った具合で、どんな人と共演するかによって態度を変えていました。

いまだからそう思えるので、当時は、そんな自覚さえなかったかもしれません。

なんとちっぽけな人間だったのだろうかと、恥ずかしくなりますが
そんなボクでも「いまのままではなく、師匠のようになりたい」という思いだけは持ち続けて
どうにかここまでやってきました。

音楽する心は、人生に活力をもたらします。
自分だけでなく、まわりの人にも。

師匠のように、
その人が本来持っている、生きる活力、才能、夢や希望を
めいっぱい引き出して輝かせるような振る舞いを目指して

この気持ちを、日々新たにしながら
今日もこうして書いています。


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