バイオリンの悩み:先生に「指を強く!」と言われたけど痛くてひけなくなってしまった【解説動画あり】
2016/05/22
先生にいわれた「指を強く!」
バイオリンのレッスンを受けに行っている方からの質問がありました。
先生に「あなた、音が割れているの気がついてる?」「指を強く押さえなさい!」と言われて、そのとおりにしたのですが、こんどは指が痛くなってしまいました。
痛いのがいやで力を抜くと、元のように音が割れてしまうので困っています。どうしたらいいんでしょうか?
音色と左手指の関係?!
先生の「強く押さえなさい」というアドバイスに効き目があったんですね。ということは、音と指の押さえ方には関係性があることは納得がいくと思います。
すると、問題となるのは、指で弦を押さえるときの、指でつくる力をどのくらい強く、または弱くしたらよいかではないでしょうか。さらに、指の力の強弱を音楽に合わせて変えることを学べばよい、ということになるはずです。
ここまでで、質問はありませんか?……ひとまず、先へ進むことにします。
音色と指の関係を調べよう!
音が割れることと、指の押さえ方の関係は簡単に調べることができます。
さっそく、実験してみましょう。二人でペアになって試しても面白いですよ。
まず準備運動として開放弦をひいて音を出します。音が出ますよね?では実験に入ります。
最初に、音の出ている開放弦を、ふだんと同じように左手指で押さえます。音が変わりますよね。
こんどは、音の出ている開放弦を力いっぱい握りしめるようにして押さえてみましょう。そうすると、さっきとなにか違いますか?音はどう変わりましたか?響きや音量はどうでしょうか?
つぎに、音の出ている開放弦を、力いっぱい握って押さえている状態から、すこしずつ力を抜いて軽くさわるように変えていきましょう。指の力を抜いていくにしたがって、音が変わっていったり響きの聞こえ方が変わっていることに気づきますか?指の力があるていど抜けてしまうと、指が弦の振動に負けてはじき飛ばされてしまうのがわかりますか?指が弦の振動に負けてしまいそうだったとき、音はどんなでしたか?
「指を鍛える」=「ちょうどいい動かしかた・力加減を学ぶ」
今回、おぼえておいてほしいことがあります。それは、バイオリニストにとって「指を鍛える」ということは、やりたい音楽に合った動かし方や力加減を学ぶという意味なんだということです。
レッスンに持っていく曲だけでなく、音階練習やエチュードを練習するときにも「この作品にふさわしい表現は、どんなものだろうか?どんな音をつくろうか?」「そのために、どんな動かし方・どんな力加減をすればいいだろうか?」と考えてみてください。
参考
指を強く、しかし、ほんとうに必要なだけの力だけを使うようにするデリケートな動かし方を身につける練習方法があります。参考にしてみてください。「指ふわふわエクササイズ」です。
動画の解説記事はコチラ→《指まわり》を良くしたい人へ贈る・フィンガリング改造エクササイズ(弦楽器奏者のためのセルフケア講座・04)……「指ふわふわエクササイズ」の解説付き記事