《指まわり》を良くしたい人へ贈る・フィンガリング改造エクササイズ(弦楽器奏者のためのセルフケア講座・04)

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指ふわふわエクササイズの写真

フィンガリングの悩みを解決するために……

 ヴァイオリンやチェロ、そして二胡などの擦弦楽器奏者にとっての左手指のお悩みにはどんなことがあるでしょうか?

  • 「指が回らない」
  • 「指が届かない」
  • 「音程が安定しない」
  • 「音色が乏しい」
  • 「重音がとれない」
  • 「苦手な指がある」
  • 「ビブラートがうまくいかない」
  • 「弦に当たる部分が痛くなる」

 他にもたくさんありそうです。これをもとに考えていくことにしましょう。

 ためしに、問題を分類してみましょう。抱えている左手指の問題は、どの要素をふくんでいますか?そして、自分の力でどうにか出来るのはどの要素でしょうか?

  • 体格・楽器サイズの問題
  • 聴覚・音感の問題
  • 筋力・体力の問題
  • 指の動かし方の問題

 ひとつだけ、良いお知らせがあります。それは、どんなお悩みだとしても《指の動かし方》が関わっているなら、新しい動かし方を見つけることで克服できるかもしれないということです。

 例えば……

「指が届かない」なら《カラダの使い方》を変えてみよう

 今までのやり方で指が届かないなら、演奏するための選択肢は2つあります。

  1. その指を使うのを諦める
  2. その指が届く動かし方を見つける

 せっかくですから《その指が届く動かし方を見つける》ためのお手伝いをしてみようと思います。

 もちろん、「指の回らない」ことにだって有効なはずです。丁寧に取り組んでみてくださいね。

カラダの使い方を変えるために大事なこと

アタマを動けるようにしてあげて
そうすることでカラダ全体を動けるようにしてあげて
アタマとカラダが全体が動けるようにしながら楽器を構えて
……
……
指を指板(指板がない楽器なら、弦そのもの)へと向かわせます

 ここまでを、丁寧にやってみましょう。

 楽器を手にもつ時も、頭とカラダ全体が動けるようにしておいて、楽器に手を伸ばしていきます。楽器を構えて、左手指を弦に触れさせる時も、頭と体全部が動けるようにしておきましょう。

 楽器を手にして、構えるところまで、気持ちよくできるようになったら先へ進みます。こんどは指の動きを再発見していきましょう。

左手指のためのエクササイズ

【指ふわふわエクササイズ】

いちろーたメソッド【指ふわふわエクササイズ】〜フィンガリングが軽くなる《弦ラク・エクササイズ 03》これであなたも脱力マスター YouTubeあり | バイオリン応援団*弦楽器奏者に役立つカラダのやさしい使い方教室

 YouTube動画もありますので、説明の音声を聞きながら、一緒にやってみてください。5分もあればひと通りできます。それぞれの指で、混乱が起きないくらいのゆっくりさでやってみてください。

 くどいようですが、ゆっくり動かしましょう。

 ゆっくり動かすことに慣れてきたら、なにか演奏してみましょう。エクササイズはここまでです。

ちょっと考えてみましょう:左手指の役割は何?

 擦弦楽器を演奏するときの左手の役割は、いったい何でしょうか?

  • 弦に触れる
  • 楽器に触れる

 主にこの二つであると考えることができます。

 なぜ、触れる必要があるのでしょうか?

指で弦に触れる目的は?

 いくつかの目的があるはずです。考えてみましょう。

  • 音程を変える
  • 音色を変える

 まとめていうと「音を変える」ということです。左手指が弦に触れるのは「音を変える」ためです。

指で楽器に触れる目的は?

 これもいくつか目的がありそうです。考えてみましょう。

  • 楽器を持つ
  • 楽器を動かす
  • 左手の位置決めの手がかりとして

指は、こまかく・やさしく・素早く・強く動けます

 指は多才です。それぞれの指を担当する筋肉は似ていますが、ひとつの筋肉が3本の指を受け持っていたり、ある指だけのための筋肉が用意されていたり、指が勝手な向きを向かないように腱が骨を束ねていたりします。そのせいで、基本的な指の使い方はみな同じですが、1本ずつに個性があります。そして、「1本指が5セットある」として考えるよりも「手は個性豊かな5本の指で出来ていて、それぞれの得意な動きで助けあっている」として考えてみることをオススメします。

 全く同じように使えなくてもいいんです。音楽の表現をするときに、どの指を使うかは手段です。やりたい表現ができるなら、どの指で音を出してもいいし、どんな使い方をしてもいいのです。

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