【よくあるカン違いをぶち破れ!】弓を持つ手のカタチは、弓の動きが作ります
2016/05/22
結論だけ先に言います。弓を持つ手のカタチは、弓の動きが作ります。
最速でボウイングをマスターするには
ふだん、私が持ち方を教える時には、次のようにお教えしています。
弓を持つのは、毛を動かしたいからです。
毛を動かせるなら、持ちかたはどんなでもいいです。
動かしたいのは毛ですが、触るのは棒の部分です。
これで、5分でも10分でも、音を出して遊んでもらいます。
どんな人でも、それくらい遊んでいると、4本の弦をひくことはできるようになります。
持ちかたに決まったカタチはない
初めて楽器を持った人に、私が必ず言うのは「持ちかたに決まったカタチはない」ということです。
箸を持つ手に形があるようで、実際に箸を運んでいるときに手のカタチは一定ではありません。弓遣いとその力加減も似ています。煎り大豆をつまみ上げる時と、きぬごし豆腐をすくい上げる時とでは、箸の力加減も・運び方も全く異なるのと同じように、やりたい音楽によって弓運びは変わってゆきます。弓運びが変わるのですから、手のカタチが同じである必要なありません。
ボウイングの3つのコツ
1つめ「動きの輪郭・先端」を思いうかべる
弓を動かそうとするときに、弓がどこを通って、どこへ行って欲しいですか?それを思い浮かべましょう。
バイオリンを例にしてみます。下げ弓(ダウンボウ、引き弓)のときは、フロッグ(毛箱)のあるほうが、弓の動きを先導すると思ってみましょう。上げ弓(アップボウ、押し弓)のときはチップ・ヘッド(先端)側が弓の動きを先導してくれると思ってみましょう。
◎参考→バイオリンパレット/弓について1
2つめ「挟む・運ぶ」を区別する
生たまごを持ち上げる時、どのくらいの強さで挟みますか?そして、どれくらいの力で持ち上げますか?
まずは、弓を持つときに、生たまごをわしづかみするのと同じように、毛箱と弓のさおを手のひらで包むように、わしづかみして持ち上げてみましょう。
弓がどれくらい重たいですか?こんどは、長さと重さのバランスを、手のひらから読み取るつもりで、もう一度持ち上げなおしてみましょう。
弓は長くて重さがあります。その長さ・重さにふさわしい力を使って指で挟むことが必要です。そして、弓がバランスを保っていられるよう、力加減を調節しながら持ち上げてみましょう。
ものすごく力いっぱい握ってみてもいいし、落っことしそうなくらい力を抜いてみてもよいでしょう。
ひとつ、覚えておいてほしいことがあります。それは、弓の毛を弦にのせてしまったら、弓の重さは弦が引き受けてくれるということです。
3つめ「腕の付け根」を知っておく
これまでにも書いてきました。腕の付け根がどこにあるかを知っておくと役に立ちます。
参考にしてくださいね→『腕』が生まれ変わる!弦楽器奏者のよくあるカン違い。まずはこの3つを知ろう♪(その1・腕の付け根)
ひとまず、ここまでにしておきます。