「腕が前についているってどういうこと?」〜《かしこいビブラート習得法》学習会での質問
2015/03/15
△弦楽器奏者のためのアレクサンダーテクニーク体験学習会の様子(2013年7月6日開催)
「腕は前についている」ってどういうことですか?
小冊子《かしこいビブラート習得法》を読んだかたから質問をいただきました。
腕は前で動くのが得意
ひとつ実験をしましょう。腕を真横にあげてみましょう。肩の高さまででいいです。腕の高さはそのままに、腕を静かに前へと動かします。だいたい、真横から前に向かって30度くらいのところでとめましょう。
では、静かに腕を真横へと戻してみましょう。腕の高さは肩の高さと同じにしたまま動かします。
腕が真横にあるときと、真横から30度ほど前のほうにあるときと、どちらのほうがラクに動けますか?指先をちょこまか動かせるのは、どちらでしょうか?
もうちょっと、よくよく観察してみることにしましょう。腕が真横にきたときに、肩甲骨が背中の中心に向かって引き寄せられていることに気づけましたか?肩甲骨が背骨のある方へ引き寄せられていると、腕を動かす筋肉たちが、細かい動きをしにくくなります。
「気をつけ!」に気をつけよう
日本人の「気をつけ!」の姿勢は、体に緊張を強いる姿勢です。胸をはり、ふらふらしないように、直立不動であるための体の使い方が「気をつけ」です。つまり、自由な動きを禁止して許さない姿勢が「気をつけ」です。
ですから、楽器を演奏するときは、この「気をつけ」をやめましょう。やめるためのひとつの方法が「逆・気をつけ」です。
「逆・気をつけ」のお助けグッズ2例
- 頭の上にスマホをのせて……立つ・歩く・座る
- 椅子の座面に棒を横に置いて……座る・楽器をひく
これの解説は、またいつか。