【弦楽器演奏を上達させたい人に贈る】あなたの演奏を生かす鏡の使い方、ダメにする鏡の使い方
2016/05/22
Photo by .Atanas
《気になる部分》よりも大事な全体性(コーディネート)
私はいままで、身だしなみのために鏡の前に立つようなことをしてきませんでした。そんな私が、鏡を見るようになって気づいたことがあります。
たとえば、髪型を整えようとするときに「前髪だけ」直してみると、その部分ではうまくやったつもりでも、耳の上やもみあげとは感じがあってないんです。
気に入ったシャツを着て鏡の前に立って襟元を直してみても、ちょっと離れて全身を見てみるとズボンの色と組み合わせが気に入らないことに気づいたりします。髪型まで気に入らなくなってくることだってあります。
みなさんは、こういうこと、身に覚えがありませんか?そして、楽器演奏のときに、これと同じようなことをやっているとしたらもったいないと思いませんか?気になる部分にとらわれることなく、全体のバランス、コーディネート……つまり全身の協調作用を思い出していくことが大事です。
鏡で何を見ていますか?
楽器の練習をするときに、鏡を使ったことはありますか?もしもあなたが鏡を使ったことがなければ使ってみてください。演奏に変化が起こり始めます。
あなたが、練習中に鏡を使うときに、何を見ていますか?どうやって見ていますか?
そもそも、鏡を使うと決めたのはなぜでしょうか?何を見たいからですか?
自分だけでは見えないものを見たい〜鏡のサポートを使う意味
Side Mirror Clouds Photo by Tracy Christina
あなたが車や自転車を運転するなら、鏡のサポートを上手に使っていることでしょう。見えている景色とは別の景色が見えるようになります。
あなたがお化粧したり、ヘアスタイルを整えるときも、鏡のサポートを使っていますね。見えないはずのものが、何枚かの鏡を合わせると見えるようになります。
でも、初めから思い通りに鏡を使えましたか?せっかくの鏡も、使い方によっては、見当はずれのものを映し出します。何を見たいかによって、鏡と自分の位置や向きを変えていきましょう。
どう見ればいいか〜鏡のサポートの正しい使い方・もったいない使い方
もったいない使い方をしてませんか?
鏡を見るときに気をつけたいことがあります。気になる部分を見ようとしすぎないことです。
どうしたらいいかというと、鏡を、別の世界をのぞくための窓だと思ってみてください。その窓から見える世界の全体を眺めるような気持ちで、鏡をみてみましょう。
もしも、鏡の中に映った《気になる部分》だけをみようとすると、おかしなことが起こり始めます。見たかったはずの《ありのままの自分》とは違う自分が映り始めるんです。
ですから、鏡を見るときは、ただ見るだけでいいです。「ちゃんとしなきゃ」とか思うと、そのときからありのままではなくなります。
《見ている自分》を見るということ
鏡の中の「気になる部分」が見えるのはよいことです。同時に、「気になる部分」を見ている自分自身のことも見てみましょう。
鏡を使っても使わなくても、自分自身を思い出しながら、鏡の中に起きている出来事を、ただ見ている自分がいます。このことを思い出して、練習してみてください。