ヴァイオリンDさんのための「もうひとつの復習ノート」(演奏編その1・ウォームアップのルーティンは必要か?)
2015/03/15
レッスン受講してくださったDさんのお悩みは大きく二つ。
- 自分の探求によって得たものと、先生が示すアドバイスが相容れない
- 自分で良かれと思ってやっていることが、ほんとうに役立っているかを知りたい
最初のひとつについてはもうひとつの復習ノート「先生のアドバイスが、自分の理解と違って困る」という記事を書きましたので、読んでみてくださいね。
さて本題に入りましょう。
今回の要点
- ウォームアップのルーティンは必要か?
- 「やりたいこと」を本気でやろう
- 迷ったら「何のため?」を問う
ウォームアップのルーティンは必要か?
Dさんは、まず体操を始めました。そのあと楽器の演奏に入る。いつものルーティンだそうです。
ある研究によると、ワークアウト前に筋肉がリラックスしてしまうと、ベストな結果を引き出せないことがわかっています。 静的ストレッチと異なり、動的ストレッチは、筋肉をリラックスさせるのではなく収縮させ、エクササイズとエクササイズの間も積極的に動かし続けます。 このようなストレッチは筋肉を活性化し、可動域を長時間にわたり増やし、ベストパフォーマンスを発揮できるようにします。
adidas miCoach: ja: より効果的なウォームアップとは
体操は肩を動かすことを目的としたものだとDさんはおっしゃっていました。では、動くことで何を得たいのか。問題はそこです。
「今日の自分は、今日の自分の身体をつかって、何をやろうとしているか。それは何のためか」
いちろーたはウォームアップのためのウォームアップは要らないと思っています。あくまでも「やりたいことを、本気でやりたいと思う」ことで、自分の身体の動きの可能性を追求していく、動きの限界を知り、限界を超えるための動きの組み合わせ方を発見してゆく……これこそが本当のウォームアップではないでしょうか。
目的が動きを作る
この目的観をもってすることで、ウォームアップはめちゃくちゃ有意義なものに変わります。
自分の指が行きたいところへ行くために、
指と自分をつなぐ腕の仕組みは、どんな風に動けるんだろうか……
自分の肩は、どんな動きをみせてくれるだろうか……
鎖骨の両端はどんな動きをしてくれるだろうか……
肩甲骨を動かす筋肉たちの動きを味わおう・楽しんでみよう……
このように思ってみると、楽器を持つ前、移動中の電車や車の乗り降りなどの体の動きをもウォームアップに使うことができます。ケースを開けるとき、楽器を持ち上げて構える時にもできます。
どんな音を出しますか?どんな動きを選びますか?
楽器を構えて音を出そうというときには、すでに、身体と自分のウォーミングアップは相当に高まっていますから、やりたいトレーニングに入っていくことができます。また、本番前のより繊細な「ウォームアップ」に入っていくことがより簡単になることでしょう。
ルーティンは、やりたいことがあるからこそ生きてきます。