Dさんは、ヴァイオリン演奏を長く楽しんでこられました。ご自身の武道・武術の体験を生かしたり、整体・鍼灸など身体治療の専門家の意見を取りいれながら、演奏するときの体の動きを探求し続けていらっしゃいました。
ある時、アレクサンダーテクニークに出会い、いくつかの音楽家向けに書かれたものを読み、実践してみて「実際に学んでいる人に見てもらおう」と私・いちろーたのレッスンに来てくださいました。
今回の要点
- 本を書いた人や先生と、自分の言葉は意味が違うかもしれない
- 《頭が動ける》から始める
- 無意識の罠「痛みをみつけたい」ではなく「ラクなのはどっち?」
- 自分の好奇心、探求心を育てよう
本を書いた人と、自分の言葉は意味が違うかもしれない
いろんな本があります。いろんなブログがあります。いろんな人が、その時の考えに基づいてそれらを書いています。
人間の体の動きに関する記述については、注意深く読む必要があります。言葉は、書いた人と読む人とで違った意味になることもあるからです。
このことは「本を書いた人」に限りません。自分の周りにいて「教えてくれる人」全てについて言えることです。バイオリンの先生や、合奏指導してくれる先生の言葉遣いも、自分の言葉遣いとは違う意味に思える場合ってありませんか?
参考:Dさんが読んでいた本(音楽家向け・アレクサンダーテクニーク関連)
練習や演奏の実際にどう考えて、どう実践すると良いかが細かくかいてあります
ヴァイオリニストのお悩みをよくわかって書いてある本。アレクサンダーテクニークの復習や、ボディ・ワーカーによるレッスンや治療などを自分で復習するときの助けになります
気に入ったら採用!わかんなかったら、いったん忘れてもいい!
書いてある事や、言われたことの意味がさっぱりわからない場合もあります。僕のブログも「どうも学者っぽいよね」とか「読む気になれない時がある」というメッセージを頂くことがあります。
書いてあること・言われたことが気に入らない場合は、そのことをいったん忘れちゃいましょう。別の時に「あっ、なんか気になる!」とか「ああ、そういうことだったのか」と思える時が来ればラッキーですね。
「判断を先送りする」というテクニック
観察を磨こうとする人におすすめするエクササイズ……というかアイデアがあります。その1つが【判断を留保する】ということです。
指導者・演奏者が練習に必要な《観察》を磨くエクササイズ【判断を留保しつづける】〜練習とは何か?「わからない」でもない「わかった!」でもない、変えるための試行錯誤をとことん許す | バイオリン応援団*自然な動きで弦楽器演奏を極める
自分の身に起きたこと・入ってきたことというのは、本当の意味が理解できたとき、本当に必要になったときに、自然に思い出せるものです。忘れたつもりでも大丈夫です。必要なとき、自然にあらわれます。
書いてあること・言われたことが、ものすごく納得できて、しかも、やってみて演奏の役に立ったとかだったら、超ハッピー!どんどん書いてあること・言われたことを使いましょう。そして、人に教えたりすると、自分の理解もどんどん深まります。
自分も変わって、他の人も気持よく演奏できるようになるって、素敵なことですね!