オーボエ:「右手の指が届かない」(腕は鎖骨から・肘は曲げ伸ばしが得意)新しい腕の使い方で呼吸もトリルも軽やかになった!
2015/03/15
アレクサンダーテクニークを勉強してらっしゃるとうかがったので、
私の構えも見てもらえませんか?
ある演奏会の打ち上げの席で、オーボエ奏者さんからお声がかかりました。ということで、実際にオーボエの構えを見せてもらい即席レッスン開始。
今回のポイント
次のような説明を、言葉と手で触れつつお伝えしました。5分で納得していただけました!
- 腕の付け根を知る(固めていた場所に気付く)
- 指と肘の分担を変える(使っていなかった動きを知る)
- 「頭が動けること」で、全部の動きがつながる
これでも説明は十分と思いますが、もうすこし説明します。
腕の付け根はどこ?
「腕の付け根はどこ?」「腕はどこから生えてる?」……と疑問に思ったら……オススメの答えは「鎖骨の付け根から動ける」です。このように思っておくとよいでしょう。
楽器を持ち上げるとき、そして、指先をキーに向けて運ぶときには、鎖骨・肩甲骨を含めた腕全体が助けてくれます。
もうひとつ:「指の付け根はどこ?」
指の付け根は、手のひらに隠れています。手のひらというか、手首ぎりぎりのところです。指を開こうとするときに、手のひらの中にある指の骨を開く・ほぐす……というつもりで開いてみると、指の動きが変わってきます。
指と肘の分担を変える
指だけで動き回れる範囲は限りがあります。ですが、手首も使って指をうごかすとより大きな動きになります。
指を動かすときに、肘の《折り畳み機能:屈曲/伸展》を一緒に使うと、指が手首ごと運ばれます。それによって指の可動域を限界まで使わなくても動ける範囲が広がります。
さらに、肘のもうひとつの機能《手首をねじる:回外/回内》をつかうと、手のひらの角度を大きく変えられます。
「頭が動ける」で、全部の動きがつながる
指先を動かすために、指自体の曲げ伸ばしを使うのは、順序としては最後にするのがいいんです。
それには理由があります。腕の動きを最大限に活かすには、次のように動きをつなげていくのが、体の構造からみて合理的だからです。
《頭》
〜《首》
〜《背中》と《ワキ》と《お腹の後ろから上の方》と《胸》(胸椎〜肋骨〜胸骨)
〜《胸の上》と《肩の後ろ》から《二の腕》(鎖骨〜肩甲骨〜上腕骨)
〜《ひじ》
〜《手首》と《手のひら》から《指先》
身体の現実を知る
はじめに紹介した3つのうち、初めの2つは同じ性質のことです。
- 腕の付け根を知る(固めていた場所に気付く)
- 指と肘の分担を変える(使っていなかった動きを知る)
どちらも、「役立つものがあるのに、使っていない」ということです。そして、使っていないのには原因があるのですが、原因を知らなくても新しい使い方をマスターすることはできます。これが面白いところです。
指も呼吸も楽になった!
トリルで指が回っちゃう!
楽器も軽い!持つのが軽くなって疲れなくなったんだ……すごいね。
ブレスが楽になった……ええ、なんでだろう。そっか、頭が動けるって大事なんだね。
……という素敵な体験のお手伝いができました。
こうしたレッスンに興味が有る方は、ぜひおためしレッスンを予約してください。お待ちしています。