なぜ《バイオリン奏者のための究極の練習メニュー》を書いたのか〜はじめての方へ〜

この記事は約3分で読めます。

 いちろーた式・バイオリン奏者のための『究極の基礎練習メニュー』 もくじ

究極の練習メニューを書こうと思ったわけ

どうして究極の基礎練習を書こうと思ったか。それは、アレクサンダー・テクニークを学ぶことで、バイオリンを演奏するというのは、どういう動きなのだろうかと深く考えさせられたからです。

アレクサンダーテクニークと出会う前、バイオリンのレッスンでは「音楽する心」「バイオリンの奏法」「カラダの動き」を教わっていました。それは有意義なもので、バイオリンの楽しみ、音楽の喜びを味わうことができるものでした。でも、それをほかの人にも伝えたい、演奏の楽しみ方やテクニックを伝えたいと思った時に「カラダの動き」について語る言葉を持っていないことに苦しみました。

「どうすれば、先生から教わったことを次の世代に伝えられるのだろう?」
「ちょっとしたコツをどうやれば理解してもらえるのだろう?」

行き詰まった時に、アレクサンダーテクニークと出会い、カラダの動きを語る言葉と、教える時の自分の扱い方を学びはじめました。

いったい、どうやって演奏しているのか。
そのとき自分に何をやらせているのだろうか。

アレクサンダー・テクニークを学び始めてから、その学びをシェアするようになって、演奏をレッスンするようにもなりました。
学びに来た人からこんなふうに尋ねられるのです。

「いちろーたさんは、演奏するときに、どんなことを考えているの?」

その都度こたえてきました。うまく言葉にならない時もありましたが、いっしょに学んでくださったみなさんのおかげで、かなり言葉にできるようになってきました。
いまはこんな意図を持って演奏している、ということを書き連ねてみました。

バイオリン演奏で迷っていることがある人の指針になればと思い、公開します。

開放弦や左手指の体操、音階練習やエチュードへの取り組みがどうして必要なのかを知りたい人にも、このメニューが役立つはずです。

究極の練習メニューの使いかた

 究極の基礎練習メニューは、私のところへ学びに来てくださった生徒さんにお教えしたレッスン内容の一部をまとめ直したものです。

 この練習メニューは、バイオリン演奏に必要な動作を各ステップごとに区切り、気になる部分だけドリル(反復練習)できるようにしてあります。あえてイラストや写真などの図解を採用していません。このドリルで練習するのは動きの作りかたです。私の経験上、写真やイラストというのは動きをとらえたものだとわかっていても「静止したもの」という誤った印象を抱かせてしまうのです。あなたに必要な動きの命令文は、あなた自身の思考と実践の相互作用によってこそ作られるものなのです。

 

こんなひとのために書きました

 バイオリンを自ら演奏する愛好家、プロの演奏家を目指す学生さん、すでにプロとして自立している音楽家や指導者のために書きました。

究極の基礎練習が目指すもの

 バイオリン演奏の究極の基礎練習とは何でしょうか。それは楽器と奏者自身とを触れ合わせることです。

 想像してみてください。奏者であるあなたは楽器をケースから取り出し、演奏をします。そのとき、楽器と触れ合わずに演奏ができるでしょうか?

 楽器を手に取る。体に置く。これは演奏する前であっても、はじめてからも続けておこなっていることなのです。

 演奏を聞かなくても、奏者のレベルがおおよそわかるという話を聞いたことがありませんか?……演奏の準備動作を見ればわかるという人もいますし、練習の時の楽器の扱い方を見ていればわかるという人もいます。楽器ケースを持ち運ぶ姿でもわかるという人もいます。なぜでしょうか?

 ヒントは、バイオリニストは「触れ合わせる」ことによって音を作り出すプロフェッショナルだからです。

 おわかりになったでしょうか。あなたが「自分自身」と「自分に触れているもの」とを「どう触れ合わせているか」ということこそが、あなたの演奏の質を決定づけます。

 いちろーた式・バイオリン奏者のための『究極の基礎練習メニュー』 もくじに戻る

タイトルとURLをコピーしました