速いパッセージやトリルでの脱力のコツ-Part 2 ……「弦を叩け」の真相に迫ろう

2015/03/15

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 前回の「速いパッセージやトリルでの脱力のコツ Part 1」の続き、今回はPart2です。

 前回は「動かさない指をどうしていますか?」と考えたんですが、今回はぜんぜん別の視点からアプローチしてみましょう。

「弦を叩け」「指板を叩け」

 弦楽器奏者の皆さんだったら、いちどは聞いたことがあるのではないでしょうか?

 じつは、この「たたく」には、脱力や、高速パッセージのコツがたくさん含まれているようにおもいます。

 「たたく」というコトから、脱力のヒントを見つけてみようと思います。

 ……でも、この「叩く」と思ってやってみるだけでも十分かもしれません。

 一個だけ注意点を言うとしたら、指で弦を叩いたあとのこと。叩いて、そのあと弦にふれたままにする必要があるときのことです。叩くための動きと、叩いた後に指を弦の上にのせておくための動かしかたって、ちょっとちがうんですよね。

 もうひとつ、ついでにいうと、速いパッセージなら「叩く」とおもってやってみれば、弦の弾力も手伝って、指は元の場所へ跳ね返ってきます。だから「押さえる、離す」っていう2アクションの命令じゃなくて、「叩く」という1アクションでオッケー。シンプルな命令だと、動きもシンプルになります。

 トリルだったら「たたく、たたく、たたく!」「たたきたいように、たたきまくる」でいいんだなー、と。

 管楽器のひとがキイを動かしたり、鍵盤楽器のひとが鍵盤を扱うときにも同じようなことが言える気がします。厳密には違うと思いますけど、だいたい同じじゃないかなと思います。

おまけ:叩く(たたく)とは?

 言葉の意味を簡単に調べてみました。いっぱい意味が並んでいますが、共通するのは「たたく」=「打つ」という意味だと思ってよさそうですね。


㋐手や道具を用いて打つ。また、続けて、あるいは何度も打つ。「ハエを―・く」「肩を―・く」
㋑打って音を出す。「手を―・いて呼ぶ」「太鼓を―・く」
㋒強く打つ。なぐる。ぶつ。「棒で―・く」「尻を―・く」
㋓さかんに当たる。雨・風が打ちつける。「窓を―・く雨」
2 魚肉を包丁で打つようにして細かく切ったり柔らかくしたりする。「アジを―・く」

㋐攻撃を加えて相手を負かす。やっつける。「敵の精鋭を―・く」「出はなを―・く」
㋑厳しく仕込む。鍛える。「新弟子のうちに―・いておく」
㋒相手の言論・文章などを徹底的に批判する。強く非難する。「新聞に―・かれる」
4 相手の考えを聞いたり、ようすを探ったりする。打診する。「先方の意向を―・く」
5 値段をまけさせる。値切る。買いたたく。「二束三文に―・いて買う」
6 すっかり使ってしまう。はたく。「財布の底を―・く」
7 (多く「…口をたたく」の形で)さかんに、またいろいろに言う。「むだ口を―・く」「陰口を―・く」
8 (「門をたたく」などの形で)教えを請うためにたずねる。「師の門を―・く」
9 《扇子などで演台をたたくところから》講談を演じる。「一席―・く」
10 将棋で、歩(ふ)を打ち捨てる。
11 《鳴き声が戸をたたく音に似ているところから》クイナが鳴く。
「早苗とるころ、水鶏(くひな)の―・くなど」〈徒然・一九〉
→打つ[用法]
たたく【叩く/敲く】の意味 - 国語辞書 - goo辞書

おまけ2:「たたく」英語だと?

たたく【叩く】
I1 〔打つ〕beat, knock,〔軽く〕tap ((at, on)) 太鼓をたたくbeat a drum じゅうたんをたたいてほこりを出したI beat the dust out of t...
はたく【叩く】
I1 〔ちりをはたく〕dust いすの背をはたくdust the back of a chair じゅうたんをはたくbeat a carpet2 〔平手などで打つ〕 彼は怒って私の手から本をはた...

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