オフィスでも学校でも新幹線でも。デスクでできる弦楽器奏者のための脱力、こんな練習方法もあります(相手が自分の形を作る)

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 本当に脱力するためには、発想の転換が必要です。

 たとえば、バイオリンを持つのにどれくらいの重さを持ち上げればいいのでしょうか?同じくらいの重さのものを、家の中から1つでいいので見つけてみてください。

ヴァイオリンは、せいぜい500グラム程度

 どうしても見つからなかったら、500mlペットボトルに水を満タンにしてください。ヴィオラの場合は、レジ袋に、水のペットボトルと、ちょっと大きめのバナナを1本入れて持ち上げるとだいたい600〜700グラムなのでそれっぽい重さになります。



 それを、持ち上げて、バイオリンと同じように肩に乗せてみてください。落とさずに、その場所に居させ続けるためにどれくらい頑張る必要がありますか?

弓は、せいぜい60〜70グラム

 同じように弓の重さも同じようなものを見つけましょう。夏なら、懐かしいホームランバー。冬なら、ホッカイロ(ミニじゃないヤツ)がちょうどいい重さです。オールシーズン通して手に入りやすいのはカロリーメイト。2本で40グラム、4本入りの箱だと80グラムです。弓って軽いようでいて、意外と重いのだと気づきました。

たまたまその形をしているものを持っているという奇跡

 「バイオリン」か「ペットボトル」かはどうでもいいんです。どっちにしても、「目の前にあるもの」がどんな重さなのか、知らないものを初めて触るつもりで触れてみましょう。触っても危険がないか、噛み付かれたりしないか、などなど、触れるぎりぎりまで目や耳、鼻を通って入り込んでくる情報を脳で拾いまくってください。普段はノーチェックでスルーしている刺激を見つけるつもりで、全部検査するつもりで、色や空気の肌触り、匂いなどを受け取って味わいましょう。

 そこまでやっておいてから、指が「何か(バイオリンだとかペットボトルだとか)」に触りに行きましょう。必要なら腕も伸ばしましょう。

 触った対象物(バイオリンとかペットボトルとか)が、触れた指の曲がり具合や関節の曲がり具合を形作ります。

 そして、そこから感じる手応えを元に、必要な力を少しずつ増していきます。手元に持ってくるために、どう動かせるでしょうか。

演奏も同じ

 「バイオリン」と思うと、本当は世界にただひとつしかないはずのオンリーワンな存在であるはずの「バイオリン」が、記号化されて画一化されてしまいます。パターン化によって単純化されてしまいます。そうすると、本来の「そのバイオリン」が持っている重さや、木目の表情や、関わってきた人の歴史などが、すべて欠落してしまうんです。

 それらすべてを拾い上げたときに、演奏の世界が急速に開かれていきます。

 脱力するための、先入観破壊エクササイズでした。

楽器の重さ、文具の重さ

楽器の重さ
・バイオリンの弓 70グラム
・バイオリン、フルート(14金) 500グラム

文具の重さ
・セロテープ2巻 80グラム
・ガムテープ(布)450グラム
・A4コピー用紙500枚1冊 約2キログラム

食べ物の重さ
・ホームランバー 約70グラム
・カロリーメイト 80グラム
・崎陽軒のシウマイ弁当 500グラム(うまいんだコレが)

※参考までに
・クラリネットB♭管 800グラム
・トランペット 1キログラム
・トロンボーン 2キログラム

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このエクササイズの本質は【先入観を壊す】です

さいごに

 脱力の究極は、やりたい事のために力を使い切ることです。余るのでもなく、足りないのでもなく、ちょうどよく使い切ることです。こう思って、さまざまな練習に取り組むことをオススメします。

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