首を寝違えたバイオリニストのご機嫌を直す方法(演奏しづらい身体の使い方をやめる方法)

肩をおさえる女性

首を寝違えた日って、気分悪くなりませんか?
何をするにしてもめんどくさくなります。

朝、顔を洗ってヒゲを剃ろうと、ちょっと横を向くだけで「アッ、痛っ」
朝ごはんの片付けをしようと洗い物を終えて、振り向くときに「ぎゃっ、痛っ」
会社で同僚と雑談中に、うなづいたら「んがっ、痛っ」

ああ、想像するだけで憂鬱になります。

首を寝違えた時って、首が痛くならないように動こうとすると、めちゃくちゃ不自由になりませんか?

首を寝違えていない時だったらなんでもない《ほんのちょっとの動き》がめちゃくちゃ不自由になります。

「不自由なのは首だけなのに」

これ、とんでもない誤解です。
じつは違います。

「痛いのが首だから不自由になる」です。

首を固定するから《不自由》になる

《痛いのが嫌だから首を動かさないようにしたまま動く》
《何をするにしても首を固定したままにする》

そうすると、どうなるか。めちゃくちゃ動きづらいです。何をしても窮屈な動きになります。動きが窮屈なので、顔の表情も固まります。こわい顔になります。

おー、やだやだ。

バイオリンを弾くときも「寝違えた時と同じこと」やってませんか?

って話です。

楽器を落とさないように楽器を持ってませんか?
そのとき、首を固定してませんか?

「手が自由に動けるように」と願って
首と肩で楽器を挟んで固定していませんか?
そのとき、首を固定していませんか?

首なんか固定してませんよと言う人も、ちょっと点検してみてください。

・楽器を鎖骨にのせたあと、顔の向きを変えるために首を曲げていくでしょう?
そのとき、首を全然固めることなく動かせていますか?

・右手に弓を持ったあと、音を出すために弓の毛を弦に触れさせるその瞬間に、首を固定してませんか?

・ポジション移動するとき、楽器を固定しようとして、首を固めちゃってませんか?

ここにあげた例は、首を固めやすい場面です。

首は固めてもいい。でも、固めかたは考えよう。

首を固めてはいけないのではありません。固める必要があるなら、固めなければ演奏できませんからね。

「首を固めてもいいけど、固めかたを考えましょう」ってことです。

首を固めてしまったら動きづらくなるとわかっているのだから、固めるにしても、どの程度固めればいいのか、いつからいつまで固めておくのかを選んだほうがいいいですよね。

・首は固めてもいい

・首を固めるならどの程度の固さが必要なのか

・固めるのは、いつからいつまでが最適なのか

この3つの着眼点を持って演奏動作を観察・分析していくと演奏の改善をしやすくなります。

やってみてくださいね。

えっ?寝違えた時の対処方法が書いていないですって?
どうしても知りたい人のために、考え方だけ紹介しましょう。

寝違えた時の対処法は「繊細に動かす」

寝違えたと言っても、痛みの原因は一つとは限らないそうです。神経痛、捻挫、肉離れなどなど。どの場合でも、共通する対処をあえて一言で言うなら「繊細に動かす」です。

「繊細に動かす」というのは、分かりにくいかもしれません。別の言い方をするなら《動いたかどうかわからないくらいの動き》から始めて《その時の動きについて情報収集しよう》ってことです。

さらに別の言い方をするなら、《やりたい動きのために、自分史上最高に丁寧に動く》っていうことでもいいと思います。

なんでワザワザこんなことを言うのか。それは「動かすと痛い」という症状がある時、私たちって、ついうっかり「痛くなるような動き」をしてしまうからです。わざわざ痛くなるような動きをしたら、症状は悪化します。

ですから、《痛くなるかどうかを調べる》のではなく、《動きを作ったときに何が起こっているかを調べる》ということをしましょう。

この二つは、微妙な違いしかありません。痛くなるかどうかと思って動くと、スムーズには動けません。

まとめ「痛むなら、動きを観察しよう」

まとめます。

・寝違えて首を動かすと痛いのなら、首を動かす自分自身の動きを観察しよう

・首を固定したいなら、どれくらい固定する必要があるのか調査・調整しよう

以上です!

-体の仕組み・動きを考える