【構えを磨く】置いたあとのプラスアルファ、気づいてますか?
2020/04/12
いちろーたです。
楽器の構えの基本はみんな同じ。
その鍵となるのは「置く」ということ。
とくに弦楽器演奏をする人にとっては、《置きかた》を磨くということは演奏に必須の2つの感覚を磨くこと直結する価値ある取り組みだと知ってください。
2つの感覚というのは「触覚」「固有感覚」です。
触覚とは、皮膚を通して他者との関係を把握するシステム。
固有感覚とは、自身がどこに位置づけられているかを把握するシステム。
だから「置く」を徹底的に磨くことで、演奏に必要な身体操作のコントロールが洗練できます。
●脱力ができない
●なぜかぎこちない動きになる
●楽器を弾いていて気持よくない
というときには、「置く」がうまくいっていないことがほとんどです。
バイオリンの場合、楽器を身体に置きます。
そして、アゴ当てのあるバイオリンだったら、アゴをアゴあてに置きます。
置くだけでいいんですけど、置いたあとにさらに動きを加えて、せっかく置いたものを台無しにしている場合があります。自覚はありますか?
「置いた後のプラスアルファ」について、ちょっと考えてみましょう。
たとえば、楽器を鎖骨(を覆った衣服)に置いた後に、衣服にシワが寄るほど押し沈めたり、アゴあてにアゴを置いた後、顔の表情が歪むほど歯を噛みしめてアゴをアゴあてにこすりつけたりとか。
そういうプラスアルファの動作をしているとしたら、それはどんな要求に応えるためにしている動作でしょうか。
その動作は、その要求にたいしてどの程度貢献しているのでしょうか。
そもそも、その要求は正当なものなのでしょうか。
……ということを考えるだけでも、構えが変わります。構えが変わるので、その結果として音も当然変わります。
バイオリンの構えでお悩みの方に、純粋な構えのアドバイスとして言っているのは
《バイオリンは鎖骨に置く》
《アゴをアゴあてに置く》
ということだけなんです。
この2つを実際にやっていくときに、身体の動きに疑問・混乱があらわれる瞬間があります。「えっ?それってどういうこと?」という身体をフリーズさせる疑問や混乱……その元凶となるものが何なのかを、語弊を恐れず言えば「推理」して退治していくわけです。
これがいちろーた流の構えのセルフケアです。
考えることを大切にします。
決まったカタチの体操を授けるわけでもなく、なにかご利益のあるグッズをプレゼントするわけでもなく。
考えるために必要な材料を集めはじめましょう。
自分が発した言葉、何をしようとしたのかという意図、実際に何をしたのかという動作……観察の対象はいくらでもあります。
まずは、《バイオリンは鎖骨に置く》を声に出して、そしてその通りにやってみましょう。
そうすると、自分は何と言ったのか聞こえますし、何をしようとしたのかもわかりますし、実際に何をしたのかということも情報が得られますよね。
これは、ひとりでもやれます。遊ぶ気持ちでやるのがコツです。