4つの関節に備わる可能性【腕の動きを解剖してみよう(後編)】
2017/09/18
前回のお題は「腕には関節がいくつある?」でした。そして、4つあるという関節がそれぞれどのあたりにあって動いているかというところまで書きました。
さて、今回はその続きです。「4つの関節がそれぞれどう動けるんだろうか?」という話題で進めていきましょう。
おさらい
腕には4つの関節があるというのが、解剖学でいわれていることです。名前が付いているので紹介しておきます。
- 胸鎖関節(きょうさかんせつ)
- 上腕肩甲関節(じょうわんけんこうかんせつ)
- 肘関節(ひじかんせつ)
- 手関節〔手首〕(しゅかんせつ)
関節って、どう動く?
どうやって動けているのか
関節が動けるのは、固定されていないからです。以上。
今後の理解のために大事なことなので、もう少し補足しましょう。
関節とは、複数の部品でできています。組み立てられていますが、動けるような組み立て方、くっつけかたをしてあるのです。骨、筋肉のほかにも何種類もの物理構造・化学構造を使って関節が作られています。つくづく、生物の進化って天才だなと思います。
関節が、どの方向に動けるか?
では、4つの関節がどう動けるのか、ひとつひとつをざっくり紹介しましょう。例によって、動きかたにも解剖学の世界での名前が付けられているので、まずその名前でドドドッとリストアップしちゃいます。
大事なのは、名前を覚えることではありません。「動きの種類を区別するために、名前がこれだけ多くなる。ってことは、つまり、やりたい事をやりやすくするために、こんな複雑な仕組みが働いてくれているんだなあ」と、思ってもらいたいだけです。
覚える必要はないとは思いますが、覚えておくと誰かに説明するときに便利ではあります。
胸鎖関節の動き
胸鎖関節(きょうさかんせつ)は、鎖骨の端が胸骨にまたがるように成す関節です。
- 胸鎖関節
- 伸展・屈曲(しんてん・くっきょく)
- 後方・前方に動かす
- 挙上・下降(きょじょう・かこう)
- 上方・下方に動かす
- 縦軸を中心に回旋する
- 下の参考資料を見てもらうほうが早いかも
肩 、 肘 、 手首 の動き
注意深く観察してみましょう
以下省略!
あまりマニアックになっていっても、真意から遠ざかってしまいそうな気がしてきたので今回の言及は、これくらいにします。われわれのカラダは生きているので、たとえば、どこか1つの関節だけを「屈曲させてみよう」と思って屈曲させてみると、その動きによって生じた重心の変化や、筋肉の微細な動きがあちこちに波及して思いがけない動きとして現れてしまうことだってあります。
ですから、大事なのは「この動きだったら、この関節1つを屈曲させればほとんど用が足りるんだな」「その関節が使えなくなったとしたら、目的とする動作をするために、他にどんなやり方があるだろうか」と自分のカラダの使い方について、可能性を探求することなんです。ここにこそ、科学や冒険の面白さがあるのだと、僕は信じています。