首を自由に……
この言葉を思い浮かべたとき、カラダのどの部分のことを考えましたか?
あなたの「首」は、どこからどこまでなのでしょうか。ちょっとのあいだ、一緒に考えてみましょう。
首に関するよくある思い込みトップ3
首に関するよくある思い込みのなかでも、特に、楽器演奏を邪魔する作用の強い思い込みを3つご紹介します。みなさんは、当てはまりますか?
- 「首」=「うなじ」
- 「首は弱い」
- 「首」と「肩」は別物
この3つが、楽器演奏を邪魔するのはなぜか。そして、邪魔させないためにどうしたらいいのでしょうか。
思い込み・その1 首=うなじ
「首」という言葉から「うなじ」を思い浮かべることは悪いことではありません。しかし、満点とは言えないのです。なぜなら「うなじ」は「首」の一面でしかないからです。
実験「首を再発見してみよう」
ご自分の首を撫で回してみましょう。どんな大きさですか?どんな長さがありますか?皮膚の下にある筋肉や骨格、血管やそのほかの存在を感じることはできますか?さぁ、首はどこからどこまでが首でしょうか?
「首」には「うなじ」だけでなく「のど」もありますね。撫で回してみるときに、首と肩のなめらかなつながりを見つけることもできるはずです。
言葉というのは、ものごとを切り取ってバラバラにする働きがあります。たまに、こうしてひとつの事柄について、いろんな言葉をつなぎ合わせることをしてみるだけでも、演奏に良い影響が出たりします。
発想記号の意味を、いくつも似たような言葉を見つけ出すだけで演奏表現が豊かになるのと似ていますね。
思い込み・その2 首は弱い
首は弱い……それは本当でしょうか。試しにおでこに両手で触れて、おしくらまんじゅうしてみましょう。
どうですか?腕も首もなかなかの力持ちですよね。今度は頭の後ろで両手を組んで、両手はアタマを前に押し出して、アタマは後ろへおしくらまんじゅうしてみましょう。
前側でのおしくらまんじゅうと、後ろ側でのおしくらまんじゅうの違いに気づきましたか?
実験「首の筋肉はどこまで広がっている?」
おしくらまんじゅうの時、力を出していた首の筋肉はいったいどこまで繋がっているのでしょうか。考えたことはありましたか?
大ざっぱに言うと、首は頭との間に筋肉をいくつも張り巡らせています。そして、肩の先(シャツやジャケットの『肩』のとんがり)あたりまでも筋肉が届いています。背中側にも首や頭からの筋肉がいくつも重なりあって広がっているんです。知っていましたか?
詳しい説明はここではしませんし、実際の演奏でもひとつひとつの筋肉や骨のことを思い出す必要はありません。大事なのは、カラダのいろんなところに自分の気づいていない働きがあっても、それら全ては自分のやりたい事のために協力してくれるということです。すごい仕組みですよね。
思い込み・その3 首と肩は別物
首と肩は別物なんでしょうか?どこからが首で、どこからが肩なのでしょうか?
いじわるな質問でした。演奏しようとするなら、首も肩もわざわざ分けて考えなくていいんです。「首を自由に」と思い出すときには頭から首、そして首から肩や背中への《筋肉の広がり・骨のつながり》がいくつもあるんだったなと思い出せればそれで役に立ちます。
もちろん、首の骨や筋肉がどんな様子で動けるのかを知っておくことが役に立つこともあります。肩がどんな構造なのかを知っておくのが役に立つこともあります。
最後に……「首」が自分全部の質を決めます
首は、思考と行動をつなぐ大事なものです。首が自由なら思考も、全身の運動も自由になっていきます。首をどのように思っているかによって、思考や行動の質が変わってしまいます。
良いアイデアを持っていても、それが全身に伝わっていかないときはありませんか?逆に、体の調子はいいはずなのに、心配事ばかりわいてきてしまう……こんなことだってあります。
首の様子をみるだけで、あなたが自分自身をどのように扱っているか、自分に対してどんな接し方をしているか……ほとんどのことがわかってしまう……それくらいに重要なことなんです。
パフォーマンスのよい人は、首の使い方がほんとうに上手なんですよ。
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