クセのスイッチが入る瞬間をつかまえろ!〜気になるアイツを観察しよう

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こんにちは!
バイオリン応援団☆いちろーたです。

 クセとは、習得した技術の別名です。

クセとは、
無意識に出てしまうような、
偏った好みや傾向であり、
クセをもつ人の、性質・傾向として、
人格を形成する重要な要素にさえなっているものです。

 ゆえに、上達とは、いま持っているクセから離れ、あらたなクセを作りゆくことだともいえるのではないでしょうか。

もしも、やめてしまいたいクセがあるとしたら、その「クセ」が始まったのは、いったい、いつからだったのでしょうね?

クセを調べよう

 ひとつ、クセにまつわる質問をします。

 「最後に歯磨きをしたのは、いつでしょうか?」

 朝起きてすぐ?
 朝ごはんのあと?

 歯を磨くのは、いつでも構わないのですが、
そのとき、歯ブラシはどちらの手に持っていたでしょうか。

 そのとき、反対の手は何をしていますか?
 足は、どちらが前に出ているでしょうか?

 アゴは、どうでしょうか。

toothbrush partyyyy.

 たとえば、私の場合は、

歯ブラシを右手に持ちます。
歯ブラシを口の中に入れるために
下の歯を上の歯から離すためにアゴを下におろしてひらきます。
アゴの動きにあわせて、閉じていたくちびるをひらきます。
歯ブラシを歯に当てて……

 といった具合です。

 更に面白いのはここからです。

 歯を磨きはじめてからの動きは、人それぞれなんです。

――歯ブラシをどう当てる?
(歯の生える方向と、ブラシの柄の向きを直角にするか、平行にするか)

――歯ブラシをどう動かすか
(歯茎から歯先?横方向?)

――どこから磨き始めるか、どんな順序で磨いてゆくのか
(上から?下から?奥から?前から?右から?左から?表から?裏から?)

 そして、歯を磨いている時の姿勢もさまざまです。

――歯磨き粉・よだれをこぼさないようにする人、どんどんこぼしてゆく人

――こぼさないために、口をすぼめる人、上を向く人、飲んじゃう人

 口をすぼめるにしても、
くちびるを軽く閉じ合わせるだけの人もいれば
ブラシの柄を噛んでいるんじゃないかというくらい、アゴに力を込めている人

……というわけで、歯磨きは面白いです。

 他の人の歯磨きを観察する機会があったら、
ぜひ、自分のやり方との違いを観察してみましょう。

 家族でもずいぶんと違うものですよ。

演奏の始まりって、いつ?

Violín
Special Thanks to Enrique Dans, Flickr

 ところで、
バイオリンの演奏も人それぞれです。

 それ以上に違いを見つけやすいのは
演奏を始めるまでの様子です。

――楽器ケースを開けるとき、
――弓をケースから取り出すとき、
――弓毛の張り具合を変えるとき、
――松脂を塗るとき、
――楽器を取り出すとき、
――楽器に肩あてを取り付けるとき、
――調弦のために音を拾うとき(チューナーや音叉を使って音を聞くとき)、

――譜面台をたてるとき、
――イスを置くとき、

――かばんから楽譜を取り出すとき、
――譜面台に楽譜をのせるとき、
――イスに座るとき、

……などなど。

 このような、いろいろな動作のはじめのとき、動作に《ひと区切り》をつけるときには、習慣が顔を出します。

 いい、わるい、とは関係なく、身につけた動作の習慣が顔を出すものなのです。

 なぜなら、技術とは動作の《ひと区切り》ごとに習得しているものだからです。

 演奏が始まるのはいつでしょうか?

 演奏における《ひと区切り》は、いつ、どんなときにあるでしょうか?

 演奏の質を変えるには、
演奏へ入って行く時の準備動作の質を変えることが大きな意味を持ちます。

 演奏を始める準備動作は、
演奏というおおきな《ひと区切り》に向かう動きでもあるからです。

 演奏という《ひと区切り》を始めるために、
自分が何をしているのかを知ることを始めてみませんか?

 そのためにできることがあります。

 ・「いまから何をしようとしているか」を言ってから動く

 たとえば
 「いまから、楽器をケースから出す」
 「楽器に肩あてを取り付ける」
 「弓の毛を張りたいので、ネジを回す」
 「毛に松脂を塗りたいので、松脂を毛にこすりつける」
 などなど。

 そして、自分が言葉にした動きを、
自分がどうやって、おこなっているかを
どんな動きによって行っているかを見ましょう。

 見て、知るだけでじゅうぶんです。

 プロ野球のイチロー選手が打席に入るとき、
このように、動作をひとつひとつ、自分で意識的に言い聞かせておこなっているのだそうです。

 みなさんも、
演奏・練習を始めるまでにどんなことをしているか
調べてみてくださいね。

 どんなことがわかったか、気がついたことや疑問に思ったこと、そして、演奏の変化などがあれば、メールで教えてもらえたら嬉しいです。

 レッスンでは、こうした探求をはじめた皆さんのお手伝いをしています。

☆レッスンに興味がある方のための無料相談(オリエンテーション)もおこなっています

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