前回の記事の続き。今回はビブラートの話をします。
(前回のあらすじ)
バイオリン奏者を目指す優子さんがレッスンにやってきて言いました。
「ビブラートがうまくなりたい」
「音が出てくるために、何が動いて欲しい?」とたずねると
「音が動いて欲しい」
さて、こんどは、手の動きについて調べることにしましょう。
(前回の記事を読む→「ビブラートって何したいの?」「音をうごかしたい!」小さなバイオリニストの大きな願いに感動…… | 手と腕の使い方専門・東京都府中市のバイオリン教室「バイオリン応援団」)
何を動かして、ビブラートしてる?
ビブラートをするためには腕を使います。
腕は、どこから生えているでしょうか?
バイオリンを演奏するとき、腕だと思って動かしている場所がどこから始まっているか、指でさわりましょう。
どこを触りましたか?
いま、あなたが指でさわった場所は、あなたが腕の始まりだと思っていた場所です。
本当の腕の始まりの場所は、いま指でさわった場所とは全然違うかもしれません。
ビブラートするとき、なにが動いている?
腕はどこから始まっているでしょうか?
指?……いいですね!弦にさわっているのは指です。指があるからビブラートができます。
手首?……なるほど。たしかにビブラートしているときに手首が動いているように見えます。手首よりも胴体に近い方では、何が動いていますか?
肘?……いいですね。肘も腕としてビブラートに参加できます。ここまで?いいえ!腕は、もっと胴体に近いところから始まっています。
肩甲骨も腕です
肩も、腕なんです。
肩甲骨という骨があります。わきの下から背中側に回り込んだあたりにさわると、肩甲骨が見つかります。
肩甲骨が腕の一部だというのは、なかなか信じられないかもしれませんが、腕と一緒に動いてくれるんです。本当なんですよ。さわってもらいながら、腕を前後左右・上下に動かしてみるとよく分かります。
バイオリンをひくまねをしてみると、ボウイングの時も、フィンガリングの時も、肩甲骨が動いているのが分かります。
バイオリンのひきマネをしながら、肩甲骨を動かさないようにしてみると、急に動きが小さく・遅くなります。止まってしまう場合もあります。
動きやすさの豆知識:肩甲平面(ケンコウヘイメン)
バイオリン演奏するときの、腕の動きやすさを決めるのは、肩甲骨の位置です。
腕は前で使おう
腕は、身体の前で使いやすいようにできています。肩甲骨と上腕骨の形がその使いやすさを作っています。
腕を使いにくくするのも簡単です。胸を張って、カラダを後ろへのけぞって、それからバイオリンのひきマネをしてみるとどうでしょうか。
胸を張るのをやめるだけで、腕が楽に動かせるようになる人もいます。
……この話、もうチョット続きます。
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