【教えるテクニック?指導原理?】演奏が上達する簡単アウトプット(言い換える、書く・話す)

2017/09/18

 バイオリン応援団☆いちろーたです。楽器演奏をラクにする身体の使い方・姿勢のレッスンをしています。バイオリンにかぎらず広く弦楽器演奏に役立つアイデアをご紹介していきます。

 市販されている楽器奏法の教材や、指導書の類を読んでいると「なるほど!」「たしかにその通りだ!」と思うこともあるいっぽうで、「どうしてこのやり方なの?」「他のやり方がダメな理由は何?」と疑問も湧きます。

なぜカール・フレッシュの音階学習体系はハ長調から始まっているのか。
なぜ音階を上行形で練習し始めるのか。
第1ポジションから習い始めるのはなぜか。

 いいえ、もっとシンプルなこと。演奏法を習得するテクニックのことでなくて、根本的な演奏原理そのもののことです。

音を出すために、何をすればいい?
音を変えるために、何をすればいい?

 こうした疑問への答えを、誰も書いてくれないので自分で書き始めました。それがいちろーたのブログ iiichiro.comでした。そして、書いているうちにこんなことを考えるようになりました→【バイオリン演奏・超入門】だとか【脱・ヴァイオリン初心者】という記事です。反響の大きかったいくつかを紹介しておきます。

上達法の原則「わかる」=「できる」

 自分がわかる言葉に言い換えていくことをオススメします。「わかる」というのは、ひっかかりなく動けるということです。

ステップ1. 「やりたい動作」を「わかる言葉」に置き換えてみる

 練習をしていて「あっ、そういうことか!」と思ったときには、それを言葉として声に出してみる、紙に書き出してみる、誰かに話して聞かせる、書いたものを声に出して読んでみる……ということをオススメします。

例. 左手のこと

【遊ぼう!】左手・左腕・フィンガリング(Finger-ing)のこと~ヴァイオリン・テクニック基礎を考える
楽器を構えるところから、実際に演奏して音を出すまでに左手がやることを、リストアップしてみました。

例. 右手のこと

【過去記事から考える】右手・右腕・ボウイング(Bow-ing)~ヴァイオリン・テクニックの基礎
弓を手にとって、音を出すまでのこと。そして、音を出し続けるためにやっていることをリストアップしてみました。

ステップ2. 言葉通りにやってみる

 自分で見つけた「わかる言葉」の通りに、動いてみましょう。

頭が動けるようにしておいて、
それによってカラダ全部が動けるようにしてあげて、
頭と体全部が動けるようにしながら……
「○○をする」「●●をする」……

 簡単なやり方は、今からやることを、自分にお願いするようにして、声に出して言うことです。ひとりでやるなら、iPhoneやビデオカメラで動画撮影しておくのがおすすめです。たとえばグループ学習として取り組むのであれば、2〜5人で1組となって、ひとりは「自分にやりたいことを自分にお願いするよう言い聞かせて、そのとおりに動く」役をやります。他のメンバーは、それを囲んで観察します。

ビデオの例.

【YouTubeまとめ】弦楽器奏者のための7つの演奏改善エクササイズ動画で、あなたの演奏はもっと変わります | バイオリン応援団*弦楽器奏者に役立つカラダのやさしい使い方教室
この動画に紹介しているエクササイズが荒削りなのは、もとより承知の上で公開しています。恩師カナメ先生から授けていただいた奏法習得へのアイデアと、アレクサンダーテクニーク教師たちから学んだアイデアとを、私が取り込んでエクササイズの実演・解説として吐き出したものです
YouTube動画7本作ってみました!

いちろーたはこう思う

教わったことは、そのままやってみる。

 本当にそのままやってみる。その結果が気に入ればその教えを使い続ければいいし、気に入らなければ、別の教えを採用すればいんです。楽器演奏の場合、その採否の基準は、出た音とカラダの痛みです。

その教え・考え方を使って、
出た音は、望みどおりの音に近づいたか?遠ざかったか?
そのとき、気分やカラダの状態は、楽だったか?苦しかったか?

 そして、「慣れてなくて不安定」とか「こっちのほうが慣れてる」の間で気持ちが揺れ動いたとしたら……「慣れてない感じ」「今までにない感じ」のする方を選んであげるのが正解です。

-教えるスキル・指導力アップ