フィンガリングとボウイングに効く……腕のひみつ【ヴァイオリニストのための動きの解剖学】
2014/01/27
大事なことをひとつ、最初にかいてきます。いままでにも書いていたことなので「なーんだ」と思うかもしれませんが、大事なことなので何度でも書きます。
それは……
右手が変わると左手も変わる
……ということなんです。逆もまたしかり。つまり……
左手が変わると右手も変わる
……ということが起こります。
何が言いたいかというと……「フィンガリングがうまくいかないなぁ」というときは左手だけでなく、右手のことを忘れていませんか?
そして、「ボウイングがうまくいかないなぁ」というときに、右手のことばかり考えていませんか?右手を動かす目的である《弓の毛を動かす》ということはどう考えていましたか?弓の毛をのせる弦のことをどう考えていましたか?その弦をさわるために左手のことをどう考えていましたか?
……こうしたことを思い出すときに、考え事をしている自分自身のこと、頭とからだのことどう思っていましたか?
解剖学は諸刃の剣〜《分析》は目的を切り刻むこともある
「うまくいかないなぁ」というときに分析をすることは大切な事です。ですが、分析を細かくしようとするあまり、ある特定の部分にとらわれすぎてしまうことが起こりやすくなります。分析という言葉の意味は、ひとつひとつバラバラにすること、こまかく分けてハッキリさせよう、ということなんです。知りたいことのために分析をするんです。目的を見失ってしまうと、分析というのは、ただ切り刻むだけ、つまり自分の夢や希望を破壊するのと同じになってしまいます。
《分析》を生かすためには?
目的・目標を持ち続けることが大切です。
何のために分析しているのか、いま悩んでいることがどんなふうに解決することを自分が望んでいるのかというゴールのイメージ、目的を達成したときのイメージを思い出すようにしてみましょうね。
レッスンで「ドツボ」にハマってしまいそうなときには、「そもそも、どうして今の取り組みをしているのか」「このレッスンの今日のゴールは、どんなことだっけ?」と問いかけてみましょう。
演奏しているときには、片腕ばかりでなく、動かしている腕はどちらも意識してみましょう……というおはなしでした。