「手のひらは指だ」弦楽器奏者が知っておいて得する身体のコト(腕と体幹編 4)

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 シリーズ4回目は「指」です。指の付け根はどこでしょうか?そして、指は、どう動けるのでしょうか?

 ひとことで言うと、指は手のひらの内側まで指です。すごく大雑把な、乱暴な言い方をすると「手袋で隠れる部分は、ぜんぶ指だ!」と言ってもいいくらいです。

おさらい:弦楽器奏者に役立つ身体の基本7項目

  1. 頭は背骨の上に乗っかっていて、自由に動ける
  2. 頭の下には首の骨が7本続いている
  3. 腕は体の前についている
  4. 手のひらは指だ
  5. 筋肉の仕事は縮むこと
  6. 動きの先端を思い描く
  7. 足も自分だ

弦ラク*身体の基本4. 手のひらは指だ

手のひらは指だ

 「指の付け根はどこ?」と聞かれたら、なんと答えますか?指の骨は、手のひらの手首寄りの端っこまであります。指の骨は手首から生えていると思ってもいいくらいです。

 ちなみに、指の筋肉はいくつもあります。長いものでは指先から肘のあたりまであります。このあたりのことは他にも記事を書きましたので興味のある方はどうぞ読んでみてください。

 こんな記事も書きました: 【ヴァイオリニストのための解剖学入門】アニメで見る・手の動き(手首、指、手のひら)《大阪大学整形外科の研究成果に学ぶ・2》 | バイオリン応援団*弦楽器奏者に役立つカラダのやさしい使い方教室

指はどう動かせばイイ?

 指先を動かすときのことを言うと、指先は自分で動けません。

 指先が動くには、指の骨を動かすためのいろんな筋肉の動きを借りる必要があります。

指を動かす別の方法

 指先を動かすために、指の骨についている筋肉の力に頼らない方法もあります。ちょっと実験してみましょう。

 紙の上を、人差し指でなぞります。まず《指だけ》を動かしましょう。次に《指はそのまま》で手首の動きを使って指先を運んでみましょう。手首の動きで指先が移動しましたね。同じように、ひじの動きで指先を運ぶこともできます。肩の動きでもできますし、背中をひねることでも指先を運ぶことができます。

フィンガリングの極意

 フィンガリングの極意がここにあるとはいえないでしょうか。

  • 指先を動かす(指のパターンを覚える)
  • 指を根っこごと動かす(ポジションを覚える)

 この2種類の動作を、どの関節セット・どの筋肉セットを使って実現するかを学ぶのが、さまざまなエチュードの役目です。

さらに補足・フィンガリングのこと

 この考え方を発展させると、世間一般のスケール練習体系を読みとくと、単純な理解ができるはずです。

  • 弦上の1点と音程の関係を学ぶ
  • ある1点に指先を届けるカラダの使い方を学ぶ
  • 頻出パターンである「音階」「分散和音」「重音」を学習素材とする

 いずれのスケールシステム(音階練習教本)であっても、「どうやって、その1点に指先を届けるか」は説明がありません。優秀なバイオリン教師は教材の選択によって、カラダの使い方を導いているとも言えるでしょう。

 私・いちろーたがレッスンで扱う領域は、まさにこの「ある一点に指先を届けるカラダの使い方を学ぶ」ことに主眼を置いています。運弓についても同様です。

 構え方・姿勢とはいっても、結局は「動かし方」にすぎないのです。

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