上達の方程式は「練習時間」×「実践力」

バイオリン応援団・団長のいちろーたです。

本題に入る前に、一個だけ質問していいですか?

●今までの楽器人生を振り返ったときに、「練習時間」はどれくらいありましたか?

(思い出す時間が必要ですよね、20秒くらい待ちましょうか)

さあ、何時間だったでしょうか。

「長すぎて思い出せない」という人もいるでしょうから
そういう人は最近1週間だけでもいいです。

とにかく、思い出せるだけでいいですから
練習時間がどのくらいだったか計算してみてください。

では、もうひとつ質問です。

「バイオリンが好きだ!」
「好きだから練習したいんだ!」
という気持ちを我慢しないで、素直に認めて、
楽器を手に取った時間はどれだけあったでしょうか。

上達の方程式は「練習時間」×「実践力」

では本題に入ります。

「練習しているのに上手くならない……」
「こんなに頑張っているのにどうしてだろう」

と思っていませんか?

そんなことを感じている人のために
「上達は足し算ではない、掛け算だ」
という話をします。

……っていうことを書いただけで、

「あー、そんなのとっくに知ってる!」
「あれでしょ、練習に必要な要素が欠けてたら上達しないよって話でしょ?!」

って思っちゃいましたかね。

ピンポーン!
残念ながら、正解です。

上達に必要な要素は
「練習時間」「実践力」
この2つです。

2つしかないから
すぐ覚えられますね。

ただ、気をつけてください。
「練習時間」「実践力」のどちらか
一つでもゼロだと、上達もゼロになるんです。

この2つは、掛け算だからです。

上達=(実践力)×(練習時間)

という式で表すことができます。
何となく直感で理解できますかね?

実践する力というのは、
言い換えると「やるぞー!」という意志の力の強さ。

実践する力がどんなに強くても
実践する時間がゼロならば
何もしていないのですから
上達するわけがないです。

逆に、
どんなに長時間練習したとしても
実践する力がまったく込められていなければ
体だけ動かしてイヤイヤ取り組んでいるのですから
これも上達しません。

理屈としては簡単なことですよね。

でも、ちょっと待ってください。
「おかしいぞ」と思いませんでしたか?

「こんな簡単なことがわかっているのに、
どうして上達できないんだろうか?」

って。

考えてみてください。

上手くならないことに悩んでいるから
この記事を開いてくれましたよね。
違いますか?

上達のことで不満がないなら、
この記事を読むわけがないんです。

「もっと上達したい」
「何か手がかりを欲しい」
「もしかしたら行き詰まりを打ち破る手がかりが見つかるはずだ」

って思ってくださったから
読もうと思ってくださったはずです。

僕はそういう、上達に貪欲な人が大好きです。
だって自分がそうだから。

自分LOVE、です。

↑ ↑ ↑
ここは「うわ、きもい」って言って笑っていいところです。
↑ ↑ ↑

ドン引きしちゃいましたかね……。

前置きが長くなってしまいました。
上達の2要素を解説しましょう。

上達というのは、何からできているか。
実践力と練習時間という2つの要素でできています。

最初に説明した通り
この2要素は掛け算です。

上達=(実践力)×(練習時間)

です。

どちらかがゼロだと上達しません。
だから、0.0000001でもいいんです。
とにかくゼロにしないということが大事です。

ゼロにしないためには
積み上げかたを学べばいいんです。

2つの要素をひとつずつ掘り下げていきましょう。
そうすれば、ゼロのままではいられなくなります。

「実践力」とは「決めたことを、どれだけやれるか」という【意志の力】です

まず、実践力。
これを掘り下げて解説します。

言うまでもないですね。
わかっているだけでは実践したことにならない
ということでした。

ただ、
勘違いしないで欲しいんです。

実践力というのは
「わかってることをやる」
という意味ではないです。

実践力とは
「決めたことをやる」
という割合のことです。

「歯を磨く」と思って、実際に歯を磨いたら、それが実践です。
「歯を磨く」と決めておいたのに、歯を磨かなかったなら、それは実践ではないです。
「歯は磨かない」と決めたのに、歯を磨いてしまったなら、実践でしょうか?

そう、実践とは言えません。

【決めたことをやる】

これが実践です。

ここ最近の1週間を振り返ってみましょう。
楽器の練習、どれだけ「実践力」を使って取り組んでいたでしょうか?

ガッカリすることはありません。
今から実践力を高めていけば、
過去の経験もすべて上達につなげることができます。

後悔するヒマがあったら
「今から私の決断は、私の人生をよくするために下す」
と決めることに時間を使いましょう。

その方が断然お得です。

ここまでのお話、ついてこれていますか?

まとめると、
上達の第一要素は「実践力」

具体的に日々の練習に当てはめていうなら
《「私は絶対うまくなる!」と宣言してから練習する》
ということ。

そう決めることが上達の最初の一歩になるということです。

さらに別の言い方をするなら
《「できないかもしれない」という臆病を叩き出す》
これが実践力です。

そうだ、実践力って勇気っていうことです。

「勇気」×「練習時間」=上達

ちょっと不思議な気もしますけど
新鮮な気持ちが湧いてくる定義だなって思うので
僕は、こう思うようにしてます。

長かったですね。
これでやっと半分です。

この後は特に注意深く
気をつけーーーーーーて読んでくださいね。

「練習時間」とは、「何のためか」を自問して行動した時間

今回、いちばん初めに

上達=(実践力)×(練習時間)

という式を紹介しました。

後半では「練習時間」について掘り下げます。
では、行きましょう!

「練習時間」というのは
意図を持って選択的に行動した時間のことです。

楽器を持っていても、音を出していても、
それだけでは練習時間としてカウントしてはいけません。

何のために音を出すのか、と考えて行動した時間だけを
練習時間としてカウントしてください。

何度でも言いますからね。
音を出したか、出していないかではないです。

「何のために」を伴って行動したかどうかです。

行動は何でもいいのです。
音を出すのでもいいし、黙って楽器を磨くのでもいいのです。

たった今から「練習時間」の定義を改めてください。

新しい定義はこれです

「練習時間」=「何のためと問いかけ、その問いかけとともに行動した時間」

残酷なようですが、
問うだけじゃダメです。
問いかけを持ちつつ行動するんです。

行動するのだけでもダメです。
行動しているうちに「何のためか」を忘れてもダメです。

忘れていても大丈夫。
思い出せばいいだけ。

人間の記憶というのは
消えて無くなることはありません。

記憶力がいいというのは
使いたい時に呼び出せるということです。

だから、思い出す練習をすることが大事です。
(ここでも「練習」という言葉が出てきますね)

思い出す回数が多いほど、忘れなくなります。
思う出す回数を増やしましょう。

「あっ、忘れてた」
というのは良いシグナルです。
「いま思い出した」
という意味と同じだからです。

だから
「あっ、忘れてた」
と思ったなら
「わたしグッジョブ!」
「思いだせた私って最高!」
って言って、笑顔で喜びましょう。

これやると、元気になるし
「何のためだっけ?」
と思い出すのにかかる時間が短くなってきます。

そして、思い出そうと思うか思わないかのうちに
「そうそう《何のため》だった」
と一瞬でいい感じの自分を取り戻せるようになります。

アホくさいけど本当です。
本当だと言っても僕の実体験に過ぎないから、
他に証明できる人がいないのが残念ですけど。

繰り返しますが
「何のために音を出すのか」と考えているなら、
何をしていても練習時間としてカウントしてオッケーです。

会社勤めで残業して帰宅が遅くなって
「今日は楽器にさわる時間が作れなかったなぁ」
と自分をせめる必要はないってことです!!

「親の体調が悪くて寝込んでいるから音出しするわけにいかないな」
とか
「家族が在宅ワークでZOOM会議中は音出しNGになった」
とかで
いちいちイライラしなくてもいいでしょってことです。

本当に大事なことなので
もう一回だけ繰り返します。

「何のために音を出すのか」と考えてさえいれば
それが練習時間として上達に直結するんです。

そう思えばそうなります。

「そんなので上手くなるわけがない」
と思えば、それまでです。

「上手くなるためなら、
私は歩く一歩一歩の動きさえ
バイオリンのための学びに変えてみせる」

「上手くなるためなら、
私はマウスのクリック1回さえも、
フィンガリングの練習に変えてやる」

「上手くなるためなら、
歯磨きのブラッシングの1往復さえも、
ボウイングの練習に変えてやる」

そう思うだけで
自分がそう宣言するだけで

それだけのことで
時間の価値を転換できるんです。

他の誰の時間でもないです。
あなた自身の人生の時間の価値です。

生活のあらゆる時間を《価値ある練習時間》に転換できる

こう想像してください。

これって興奮しませんか?
めちゃくちゃ嬉しくないですか?

昨日までの楽器人生を振り返ったときに、
もしかしたら「何のために」と
問い続けながら行動する時間は
1時間もなかったかもしれない。

でも、今からはどうでしょうか。

選び放題ですよ。

「何のためにこの時間を使おうか」
「この時間を、どうやって自分の楽しみに転換しようか」

と問題意識を持ちさえすればいい。

上達は爆速化するんです。

自分の意識の持ちようを変えるだけです。

まとめ:「だって好きなんだもん」という執念を燃やした行動だけが上達につながる

さすがに長くなってきたので
最後のまとめに入ります。

「実践力」×「何のために、な練習時間」

この取り組み、実は楽器を始めた時からやってました。

だからでしょうか、
ちょっとのことでは挫折せず、
嫉妬はしたけど建設的に行動できた。

「バイオリンが好きだー!」
「上手くなったら絶対かっこいい!モテるはず!」
「あの先輩の隣で弾きたいから、その次くらいには上手くなるんだ!」

という熱い気持ちを、
上達につなげるような取り組みとして
続けてきたから実践力を高めてこれた

そう思っています。

(熱い気持ちというか、若さゆえの浅ましい理由だったかもしれませんが)

色々書きましたが、
「上達するかしないかなんて、どうでもいい」
と思っているのも事実です。

とか言いつつ
「こんなクソみたいなレベルの演奏技術では満足ならん!」
と思ってしまうことがあるのも事実です。

だって、弾けない曲の方が多いし
「ああ、上手く弾けた。これで満足!」
って思えたこと、ないですからね。

でも、弾くたびに
「ああ、また成長できた」
って実感があることも喜びになる。

僕にとっては、
「上達」はオマケなのかもしれません。

「こんな作品があるのか!僕もひいてみたいぞ」
「こんな素敵な人がバイオリンを弾いているのか。お近づきになりたいぞ」
「こんな考えの人が作ったバイオリンなら、一度ひいてみたい」
などなど

いろんな欲、愛というか執着ですかね。
そう、執着がメラメラと渦巻いているのが僕です。

上達ということに話を戻すなら、
人との出会いが上達の扉を開いた鍵だったのだと思います。

僕にバイオリンを教えてくれた先生や先輩。
そして、僕よりも練習時間が少ないのに上手だった同期の仲間。
そういう人が僕の実践力を鍛えてくれたから、今の僕がいます。

そして今では、たくさんのメール読者さんがいて
僕の拙い言葉を喜んで受け取ってくださる。

本当にありがたいです。

こんなに楽しくて嬉しい体験をできる
バイオリンとの付き合いかたを
もっともっと世界に広めて行かなきゃ

と思っています。

バイオリンの魅力を知っているのに
バイオリンの練習は嫌いとかいう人がいるんです。

僕には意味がわかりません。

練習が面白くて仕方ないだけ
なのに、いつの間にか上達している

っていう状態がどんなものかわかりますか?

面白がって好奇心のおもむくまま
無邪気に遊んでいるだけなのに、
いつの間にかいろんな曲が弾けるようになっていた

という状態です。

まあ、僕の場合は、
弾けなくても面白くて
笑いながら取り組んでたりもしますけど。

先生とのレッスンでもらった課題が
あまりにもできなさすぎて

「うわ、弾けないですね。面白いですね」
って笑いが止まらなくなったりしてましたからね。

かなり変わった生徒だったんじゃないかと思います。

何を考えていてもバイオリンのことにつなげて考えてしまう。

バイオリンを演奏するあなたが、
今より少しでも喜ぶようなこと

幸せの実感を今よりもっとずっと
深められるようなことはできないか

と考えてこうして文章を綴っています。

ああ、さすがに長すぎますね。
このくらいにしておきます。

好きだという気持ちを我慢しないで
素直に認めて、楽器を手に取る
ってことかな。

長く書いたわりに、ささやかな結論でしたね。

追伸:
大阪で毎年好評のサマーセミナーを2020年も企画中です。
内容は「何とか現状打破する」の3本立て。

・豆腐メンタルで実力出せないのを何とかする
・力が入りすぎて身がもたないのを何とかする
・基礎が足りなくて伸び悩んでるのを何とかする

会場都合にもよるけど、2〜3日間で開催予定です。
7月下旬の4連休の頃かな。

ご興味ある人、メルマガに登録くださいね。
費用や日程など決まり次第、メルマガでご連絡差し上げますので。

バイオリンが大好きなあなたを
僕に応援させてください。

-練習への取り組みかた