ポジション移動を邪魔する「親指が大事」のウソとマコト【奏法リノベーション365】Vol.8
2015/07/10
今回は、フィンガリングにおける「親指の使い方」の誤解について。
あなたの演奏をイキイキと蘇らせる《奏法リノベーション》アドバイザー
バイオリン応援団☆いちろーたです。
フィンガリングにおける「親指の使い方」……
今回は、フィンガリングにおける「親指の使い方」の誤解について。
左手のポジション移動で苦労していませんか?
・ハイポジションへ飛びつくのが窮屈で痛くなるから苦手
・低いポジションへ降りて行くときに姿勢が崩れるので力んでしまう
・移動するときに指がすべらないので思い通りの音程のところにうごかせない
・いつまでたっても第1ポジションばかり
・偶数ポジションがわからなくて使えない
・ポジション移動すると右手が一瞬狂う
ポジション移動の悩みの症状はいろいろありますよね。
原因も様々です。ひとそれぞれに、様々な経験を重ねて、
それを克服するために、いろんな試行錯誤をしてきているからです。
ですが、原因はいろいろに見えても、
ちょっと演奏を見たり、詳しく話を聞かせてもらうと、
いくつかのシンプルな根本的な原因たどりついてしまいます。
「カラダの動かしづらさがある」
「どう動かしていいかわからない」
という2点に集約されるのではないでしょうか?
◎1つめの「カラダの動かしづらさがある」
例えば、「痛み」は
動かしづらいものを無理やり動かすから痛くなります。
どんなに痛みへの対策を施したとしても、
動かしづらい状況をつくっている原因を取り除かない限りは、
絶対に、その痛みは再発するのです。
◎2つめ「どう動かしていいかわからない」
例えば、第1ポジションから他のポジションへのステップアップができないとか、
偶数ポジションがマスターできないというのは、
「どう動かせばいいのか」がわからないままでいるからです。
楽譜から音に関する情報を読み取って、動きの命令に変換することをトレーニングせずにいるから
いつまでもマスターできないのです。
この2点
「カラダの動かしづらさがある」
「どう動かしていいかわからない」
を、それぞれ磨いていかなければ、いつまでたっても
「うわべだけの技術」のままです。
これでは、その場しのぎの演奏にしかなりません。
本当の技術を磨くにはどうすればいいか。
演奏の本質をいっしょに学んでいきましょう。
さて、親指のことでしたね。
ポジション移動の親指。
「親指から動かす」
これ、間違いです。
ポジション移動がやりづらい人の80%は、
ここを勘違いしています。
では、どうすればいいか。
ここで役に立つ考え方があります。
「次の音を作る指が、次の音のための場所に動いていって、親指はついていく」
です。
どんな事が起こるか見てみましょう。
どんな音が聞こえるか試してみましょう。
「次の音を作る指が動いて、親指はついていく」
謎解きは、実際に試した後のお楽しみです。
ご意見・ご感想・苦情をお待ちしています。