「家族にうるさがられている?」家のなかで練習するときに気をつけたいこと

練習場所がないっ?!

 自宅に練習室はありますか?

 ボクは、社会人になって一人暮らしをするようになるまでは、自分の部屋というものを持ったことがありませんでした。

 寝るときは、家族がひとつの部屋で雑魚寝。勉強するときは、後ろで家族が食事をしたり、テレビを見たりしていました。勉強したいときに限って、お客さんが押し寄せて、夜遅くまで狭い部屋で小さくなって勉強していたことが懐かしいです。

 では、バイオリンの練習をどうやっていたかというと……。ボクが楽器を習い始めた頃は(高校生でしたが)、家族のいない時を狙って練習していました。そして、大学生になった時には「練習はオーケストラの部室でする。家では楽器の練習をしない」と決めていました。

 自分の練習よりも、「ほかの人の練習をどうするか」「どうすれば、みんながひけるようになるのか」ということばかり考えていました。

 自分の練習は、合奏の時間にみんなといっしょに演奏しているときだけということが続きました。

社会人になっても練習部屋がなかった!

Practice Mute

 社会人になって一人暮らしをするようになって、アパートに住みました。そこは、隣の部屋の目覚まし時計が聞こえたり、笑い声がきこえるようなアパートでした。楽器をひいていたら、ドンドンと壁を叩かれていました。とても練習できるような家ではありませんでした。

 社会人になってからというのは、楽器を持って実際に演奏する時間というと、オーケストラの合奏に演奏メンバーとして参加するときだけでした。

 どうやって練習していたかな?と振り返ってみると、よく思い出せません。

 金属製の練習用ミュート(消音器)を使って、会社の昼休みに会議室で練習したこともありました。

「いま、ここで練習してイイ?」

FCC program offers child care, career - FMWRC - US Army - 100916

 会社で練習していた時には「いま、ここで練習してみるけど、気になるようだったら言ってね。すぐやめるから」と、周りの人に声をかけていました。

 実家で練習するようなことがあるときは、「いま、楽器ひいていい?」と声をかけたり、練習の前後に「こんど、こんな演奏会があるんだよ。練習させてね」などと話しかけるように心がけました。

 家族だからわかっているかもしれませんけれど、家族だからこそ「あえて言葉をつかう。
自分のやりたいことを声に出して聞かせる」ということをやってみることをおすすめします。

 逆に、家族の誰かが、いつもと違う様子でなにかをやっている時には「最近どう?」「遅くまで頑張っているね、なにかあるの?」とか声をかけてみてはいかがでしょうか。

 ひとつひとつの会話が、かけがえのない思い出になりますよ。

母はうるさいくらいでいい

「ボクって、家族から嫌われてる?」

練習しているのに「いつまで練習してるの!」
勉強しているのに「はやく始めないからでしょ!」
宿題すませてテレビを見ているのに「宿題やったの?!」

ああああああああ!!

家族ってうるっさいわー!

……って思ってました。特に母親。

でも「うるさく言うのは元気な証拠だよね。ああ、みんな元気でよかった」と思えたときに、環境がまるっきり変わりました。

……というか、ウソでもいいから「ああ、こんなにうるさいのは元気な証拠だ」と声に出してつぶやいてみたら、変わり始めたんです。試してみると面白いですよ。

-ボクの体験談