【レッスン受講記録】『《難しいこと》をやるときに気を付けるといいこと』は《簡単なこと》にも使っていい!

2014/01/27

 久しぶりにバジルさんのレッスンを受けてきました。今日はグループレッスンでも総勢10名をゆうに超える人数でした。ほとんどの人が楽器を持参していました(いつ、手をあげようかな……他の人のも見てみたいな)という期待と前向きな不安が入り交じった空気が、この季節の緑の勢いに似ているなぁ、と思いながら始まりました。

 レッスンでのバジルさんと僕の会話は、書いてしまえば極めて簡単なんです。

 バジル……何をやりますか?
 いちろー……座ってヴァイオリンを引きます
(いちろー、ヴァイオリンを構えて弓を弦の上まで運んでくる途中で、一瞬止まる。楽器をおろしそうになるが、もう一度ひくための動きをする。引き始める。少しの間、引き続ける……)
 バジル……いま、最後にやりはじめたことを始めからやってみたらどう?ちょっと手伝いますね。
 いちろー……ああ!そうですね。そうしましょう。
(いちろー、さっきとは違うヴァイオリンの構え方で引き始める、少しひいて終える)
 いちろー……ありがとうございました(座ったままお辞儀)
 バジル……(いまいるみんなに)教えてあげてください

 こういうレッスンでした。

 そのときの僕の説明は、こういう内容でした。

 ヴァイオリンには弦が4本あって、弓を当てる角度がそれぞれに変える必要があります。弦が変われば動きが変わるので、バランスの取り方が変わる。
 高い音の出る弦をひくときに右手が低い位置へ動くのにつられて、左手の動きもヴァイオリンの位置を低いほうへ下げてしまうことをしていた事に気づいて、それをやめるためのバランスの取り方を始めた。そのバランスを取ろうというカラダの使い方・バランスの取り方を、4本あるすべての弦で、左手のポジションがどこにいってもやろう、はじめからやってみようということでした。

 

【タネ明かし編】僕がヤッたことを、詳しく書いてみます

グループレッスンは、学びの波が押し寄せる

 さて、クラスの時間は90分間。ちょうど30分くらい過ぎた頃でしょうか……クラス全体の雰囲気が打ち解けた感じになった頃、バジルさんが「次の人は?」と、レッスンを受けてみるよう促していますが、ここで手を挙げる人が途切れました。ちょうど5人立て続けに中身の濃いレッスンが続いたからでしょうか。参加者の皆さんもそれぞれに思うところがあったようです。

 自分だったら、今のアイデアをどう使うかな、どう役立つかな?別の言い方はどんな風にできるかな?何を変えたことが決定的だったのかな?自分は何がうまくいったら嬉しいかな?などなど、それぞれに探り始めたように感じました。この沈黙もまた、それぞれの様子を観察するのが僕は好きです。教師がいて、クラスのみんながいて、自分もいる。

グループで自分を披露するという決断

 「次の人?」というバジルさんの声を聞きつつ、グループの中にいる僕の思いが動きました。自分がいて、グループがあって、その中に教師がいてサポートを申し出てくれている。そんな心持ちになったとき僕は手をあげました。ヴァイオリンを演奏することにして、楽器ケースからヴァイオリンと弓を取り出して、椅子に座ることを選びました。

どこに居場所を作るか、という選択

 まず、ヴァイオリオンと弓を取り出しつつ、何をしようか考えました。前日に、プロフィール写真撮影のために公園で演奏したときのこと、スタジオで演奏したときのことが頭をよぎりました。このレッスンで使うかも知れない、と考えて楽譜を持ってきましたが、使わずにシンプルなことを試すことにしました。

 さて、どこで演奏しようか。椅子に座りたいと思い、どの場所がふさわしいか、すでに用意されていたいくつかの椅子の中から1つを選びました。これなら、グループの人にもだいたい見えそうだ、ということでえらびました。

何をするか、という選択

 僕が準備をしている間、このクラスの主であるバジルさんは何かをしゃべっていました。その話が終わるのを待ちながら、弦を指ではじきながらチューニングをして過ごしました。

 バジルさんの話が一区切りしたときに、座奏で音階をひくことを決定して、椅子に座りました。そして、楽器を構えました。構えるときに「おっと、構えるときにこんな動かし方でいいのかい?」と自分に言って、動きを停止してしまいましたが「いやいや、動きをつづけながら、使い方を変えていくことにしよう」と自分に言い聞かせ直して、再び動き始めました。そして、D(ニ調)のスケールをDの開放弦から始めました。

 椅子に座ることを選んだのは、近い予定から思いつくのは座奏での演奏だったからです。

自分で意識的に使っているサポートに気づく

 バジルさんは立っていて僕を眺めています。僕の左側、やや後方に立ちつつ。そして、見ているひと聞いているひと、グループの中でも思い思いに僕の様子を受け入れてくれているのが、見なくてもわかってきます。左手が第3ポジションから第5ポジション、第7ポジションあたりへと動きを広げていくときに、全身の協調を高める必要性を思い出しました。

 例えば、どんな場所を思い出したかというと……

  • 楽器の向きは必要なだけ変えていいんだ!どう変えようか?
  • 左腕で楽器を持ち上げられるぞ
  • そしたら、他の場所とバランスが変わってくるぞ!
  • 耳は右にもあって、音を全方位から受け取っているし、
  • 足はゆかに触れていて、膝にも角度があって、左だけじゃなくて、右足も演奏に参加していいんだ!
  • 耳の後ろも頭の一部だし、背中側にも楽器とバランスを取ってくれる力を発揮してくれるところがあるよね!
  • 右の脇やヨコっ腹、おしりの周りだって自分の一部だ!
  • 楽器をひくのって、全身でやってるんだなぁ

……というようなことを思って変えていったら、バジルさんが僕を止めて言ったのです。

 バジル……いま、最後にやりはじめたことを始めからやってみたらどう?

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