自分を騙してみよう!〜触覚を狂わせて演奏してみる【ヴァイオリニストのための脳トレ】

 前回書いた記事は、暗闇で演奏することで「視覚」の習慣が、かえってわたしたちを「盲目にする」ことを知るためのトレーニングをご紹介しました。なにか気がついたことはありましたか?

 今回は、応用編です。視覚だけでなく、ほかの感覚にいたずらしていつもと同じ練習を試してみることにしましょう。

 弦楽器奏者にとって、重要な感覚「触覚」をいたずらしてみるとどうなるでしょうか?

触覚を呼び覚ます方法あれこれ

Touching Hands

 触覚を呼び覚ますために、いつもと違ったことをするには、どんな方法があるでしょうか?アイデアをいくつかあげてみましょう。

手袋をする
軍手でも、掃除用のゴム手袋でもいいです。感染予防などに使う『使い捨て手袋』もオススメです。きれいなものを使うようにしてくださいね。
ばんそうこうを巻く
傷口にはる、応急用のキズテープ(バンドエイドなど)を指先に貼ってみるのもオススメです。輪ゴムを手首にはめてみるのもよいでしょう。いつもと違うことに気づけますよ。
肌着を重ね着してみる
肌着を2枚、3枚と重ね着してみましょう。逆に、肌着を少なくすることでも肌の感覚が変わります。極端なことをいうと、服を着ないという方法もあるのですが、これはこっそり誰にも気付かれないようにやってみてくださいね。
ヘアスタイルを変える
分け目をいつもと反対にしてみるだけで、頭の肌感覚が目覚めます。整髪料をいつもと違うものにしてみるのも面白いですよ。

 触覚は、手のことばかりではありません。全身に触覚があるのですから、どうしたら全身の触覚に働きかけられるか、アイデアを出してみてくださいね。

バイオリンは触覚の楽器

 20世紀の名バイオリニスト・メニューイン氏はバイオリンのことを「触覚の楽器」と言ったそうです。

 今回紹介したような方法を使ってみることで、みなさんが演奏するときに、楽器とどのように触れ合っているのか、「あれっ、いつもと何かが違う」「気づかないうちにこんなことをやっていた」など、違いに気づいてもらえたら何よりです。

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