アレクサンダー・テクニーク研修生が読み解く【カール・フレッシュ】弓の持ち方(2) 親指のカン違い・本当の役割とは?

バイオリンを演奏するとき、どうやって弓を持っているか、思い出せますか?

弓の毛を動かすために、指は何をしているでしょうか?

バイオリン応援団☆いちろーたです。

音階教本の代名詞「カール・フレッシュ」ですが、じつは《ヴァイオリン演奏の技法》という著作を残した教育者でもあります。この本を読むとバイオリン演奏に関わるあらゆることについて読み取ることができます。

アレクサンダー・テクニークで読み解く【カール・フレッシュ】……弓の持ち方をテーマに書いています。今回は「親指って何をしているの?」です。

弓の持ち方(2)…バイオリニストが知らずに損している親指のヒミツ

ボウイングをするための、親指の役割について考えてみましょう。

ボウイング・親指のカン違いとは?

《親指は力持ち》の誤解

 腕にトラブルを抱えているバイオリニスト、テクニックに限界を感じているほとんどのバイオリニストが勘違いしていることがあります。

 それは、親指は力持ちではないということです。むしろ、親指はコントロールが得意な指でありバランスをとる指なのです。このバランス機能を実現しているのが、人間の親指だけに見られる《ほかの4本の指すべてと向かいあわさる機能》なのです。

 親指のさまざまな役割をひとことで言うなら「方向付け」です。

実験してみよう!

 ちょっと実験してみましょう。2つの方法で手のひらの向きを変えてみる実験です。

 1つめの方法は、手のひらの向きを変えるときに「小指あっち」「小指こっち」と思って動かしてみます。2つめの方法は「親指あっち」「親指こっち」と思って動かしてみます。どちらのほうがラクに動かせますか?速さや、疲労感はどう違いますか?

 私の場合は、「親指あっち・こっち」のほうがラクに・素早く・気持ちよく動かせました。

 このように、親指は、手(手首から指先まで)全体を方向づける働きがあります。

小指がもつ2つの役割

 小指の話が出たので、小指の役割について簡単に説明しておきます。

 小指のひとつ目の役割は、腕の動き全体を方向づけてガイドする役割です。腕の動きは、肘から尺骨(シャッコツ、手首に近いほうでいうと小指側にある骨)をとおして手全体に伝わる仕組みを持っているからです。

 小指と親指についておおまかに分担を書いてみると……小指は腕を動かすガイド、親指は手首から先のバランスをとる……という分担です。

 小指にはもうひとつの役割があります。それは、音を出しにくくするはたらきです。弓から弦に向かう圧力を減らすはたらきをすることができるのが小指です。これと反対に、音を生み出す作用を持っているのが人差し指です。この、人差し指と小指の関係については別の機会に説明することにします。

まとめ

親指が指全体のバランスをとり、腕の小指側で弓身を運ぶ

 親指は4本の指と向き合うことで、狙い通りの角度を弓毛の動きに与えます。

 小指は、腕の動きを手に伝える

 次回は、人差し指のカン違いについて書いてみます。

おまけ……弓を持つのは何のため?

 思い出してほしいのは、バイオリニストが何のために弓を持つのかということです。何のために弓を持ちますか?

 弓を持って、何をするのかといえば、弓に張ってある毛を動かすためです。バイオリンに張ってある弦を振動させるために、毛を触れさせる必要があるからです。弦と弓の毛とのくっつき具合を変えるために、毛そのものではなく弓身を動かします。

 ついついまわりくどい書き方をしてしまいました。ですが、これがボウイングの現実です。

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 本記事はクラリネット奏者・ありよしなおこさんのご協力で執筆しています。ありよしなおこさんのブログキラキラ☆クラリネットを読む


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