シーン別・身体の調子を整えるためにできること

2013/08/06

 楽器を演奏するための体づくりとして気をつけるといいことってあるんでしょうか?……鍼灸を学んでいるベース奏者さんから「こんな素敵な本があるんだよ」と教えてもらった中に、素晴らしいまとめがありました。僕の意見を交えながら紹介します。

楽器なしでする訓練
ウォームアップ、訓練後のケア
楽器を使う訓練
負荷が軽い・単純なものから始める。適度に休憩・気分転換する。
訓練でない生活習慣
オフ日の設定。睡眠・水分・食事。定期的な運動。相談できる専門家を持つ

 これだけでもピンとくる方は多いと思いますが、ちょっと補足しましょう。

音楽的な訓練に取り組むとき気をつけたいこと

 冒頭で書いた3つの区分は、1日のトレーニングの流れとは必ずしも一致しません。分かりやすくするために、音楽トレーニングの始まりから終わりまで、という時間の流れに沿った順で説明していきましょう。

練習をするとき

楽器なしで体を温める
普段の生活動作をしている時から、楽器演奏に使えるアイデアを探してみましょう。逆に、楽器演奏の役に立ったアイデアを日常生活でどんなふうに生かせるかを考えながら過ごしてみるということもオススメします。いざ演奏するというギリギリになってからウォームアップを意識するのではなく、普段の生活と楽器演奏の境目をどんどん曖昧にして『いろんなことを遊んでみよう』と心掛けてみるというものです。
負荷の軽い訓練から行う
時間が許す限り、なるべく単純なことからはじめます。時間の長さに合わせて3種類ほどメニューを考えてみるのもよいアイデアでしょう。3秒ウォームアップ、30秒ウォームアップ、3分ウォームアップのメニューを考えてみましょう。
50分やって10分休む
特別の意図を持った訓練でない限りは、少なくとも50分に1度は楽器と自分とを切り離したほうがいいです。
練習時間をコマ切れにする
1日6時間練習するのなら、いくつかのユニットに分割して、途中に楽器演奏とはことなる活動を挟んだほうが効果的な練習となります。
行き詰まりを避ける
ある課題の一箇所に気を取られすぎないことです。ある一定時間注力したら、いったんその課題から離れて忘れてしまうことで、かえって解決がスムーズになったりします。

練習を終えるとき

使った部位のケア
どの場所を、どんなふうに使ったか、どんなことを感じたかなど思い返しながら片付けていきましょう。いわゆる「ストレッチ」も有用ですが、よほどの偏った使い方をしたのでなければ、練習時間中の休憩や、バランスよい負荷のかけ方によって自然治癒力が活性化しています。ただただ、自分が自分をどう使っていたのかを思い起こすだけでも回復効果・学習効果は上がります。これは僕の経験から言えることです。

余計なお世話:練習以外の生活習慣

定期的に運動しよう
余計なお世話かもしれませんが、楽器演奏以外の趣味を作って楽しみましょう。僕のオススメは散歩です。歩いてもいいし、走ってもいいし、気が向いたら買い物をしてもいいし、という気楽な散歩です。あとは、掃除や料理もおすすめです。人によってはダンスとか映画鑑賞とか読書とかあるようですけども。気が向いたときにいつでも、1時間くらい没頭できるようなものがちょうどいいと思います。ぼくは気ままなので、ひとりでできる散歩がお気に入りなのです。
食事・水分
食事は食べたいように食べたらいいと思います。ただひとつだけ言いたいのは、せっかくだから食べる過程そのものを楽しんでみたらいかがでしょうか、ということです。見る、口へ運ぶ、舌触り、噛みごたえ、喉越し……。水分補給は、《トイレで出した分だけ水分補給する》というくらいに気をつけておくといいそうです。甘い飲み物はほどほどに。
睡眠時間
「脳科学的にはこうらしいよ」と伝え聞いた話なのですが、1日あたりの睡眠が7〜8時間を下回った状態が続くと、パフォーマンスの50%未満しか発揮できないそうです。意識朦朧までいかないにしてももったいないですね。目覚まし時計を掛けないで気持よく目覚められる、二度寝をしないでいいやとおもえる位の睡眠時間を平均的に取ることがよいのだと思います。例えば週休2日の人が、仕事ある日は5時間、オフは12時間だとすると…平均7時間です。「寝溜めは不可能」らしいですが、睡眠不足は蓄積してしまいます。借金はできるけど貯金は無理。ならば、リズミカルに睡眠を確保できるようにしたいものです。1日8時間睡眠を確保するつもりで人生設計を再確認することをおすすめします。本当に、余計なお世話でしょうけれど大事なんですよ。
週休1日は死守!
音楽活動を休む日を1週間のうち1日は確保しましょう。小学校だと必ず休みがあるのはそれなりに意味があることなのだと思うんですよ。
専門家に相談しよう!
音楽のトレーニングが原因じゃないかなという不調は、専門家に相談して適切な処置を受けましょう。身体が資本です。

参考

-おすすめ資料(動画・教材など)