バイオリンのレッスンでの自己成長に向けたアプローチ方法

バイオリンの演奏を愛するあなたへ

レッスンで一番大切なことは何だかご存知ですか?

実は、一番大切なことは、取り組むべき問題が何かをはっきりさせることです。

もし、それが分からないままだと、たとえ「この曲をやりたいです」と明確な目標や情熱があっても、レッスンでは「その前に音階をやりましょう」「弓をまっすぐ動かしましょう」「姿勢が良くないですね」といった表面的な問題修正だけで終わってしまいます。

その結果、「何年も通っているのに上達した実感がない」とか、「新しい課題曲をもらうたびに全部先生に教わらないと弾けない」というように、先生に依存しっぱなしで上達できない状況に陥ってしまうかもしれません。

もし、ここまで読んで「おやっ?」と違和感を感じた方は、素晴らしい分析力や洞察力を持っていますよ。

「音階をやる」「弓をまっすぐ動かす」「姿勢を良くする」は、バイオリン演奏の基本とされていますが、実は本当の意味での基本ではありません。

音階を演奏するのは、バイオリン奏法で言えば右手も左手も、基礎技術を組み合わせた応用のレベルです。また、弓をまっすぐ動かすことも高度な応用です。それは右手の技術だけではなく、左手や頭、首、体幹や下半身など、全身の姿勢コントロールが必要だからです。

姿勢を良くすることは、奏法の上達と合わせて、自分の身体や音楽への注意力なども含めた人間としての総合力を高めることです。つまり、超・応用であり、超・基本なのです。

これはややこしい技術ですが、だからこそ、「ボウイングは一生かけてきわめるものだよ」とか、「時間がなくても音階練習だけはやる」という人が多いのも納得です。

とにかく、一番大切なことは、取り組むべき問題が何かをはっきりさせることです。

それは、お手本の演奏を探すことかもしれませんし、演奏中に自分の音を聴くことかもしれません。あるいは、演奏テクニックのレベルをテストすることかもしれません。

ですから、楽器を手に取る前に、「今、取り組むべき問題はなんだろうか」と考えてみてくださいね。

これからも素敵な音楽の世界でのご活躍を応援しています!

-練習への取り組みかた