こうすれば簡単!左腕を自由にする体操
楽器にさわりながら、左手がどれだけ自由に動き回れるか遊びましょう。楽器にさわっていれば、いま楽器が安全な状態にあるということがわかるので安心です。
ネックをつかむ左手で遊ぼう
楽器を構える時に、大切なことは、左手が楽器を持ちながら形を変えられることです。まず、左手でネックをつかんで、バイオリンを体にのせます。
ネックをつかんでいた左手を、握ったりひらいたりしましょう。5本指のうち、何本かだけでネックをつまんだりするのもよいアイデアです。演奏の時には使えないだろうなという指の形も、どんどん試しましょう。
ネックと手のひらで遊ぼう
ネックを持つ手の、手のひらをネックにぴったり密着させたり、触らないように浮かせたりしましょう。そのとき、指や手首がどんなふうに動いてもオッケーです。
「手のどこかがネックにさわっていればいい」と思って、あらゆる関節の動きを試していきましょう。
ネックと肘で遊ぼう
ネックを握ったまま、肘の場所をどこまで動かせるか遊んでみましょう。握りかたのチカラ加減を変えると、肘の動きやすさも変わってゆきます。
それとは逆に、胴体(体の軸)に近い肩や脇を使って肘の位置を変えると、指先を意識している時とは違った動かし方ができるようにもなります。肘の位置を変えるには、肩や脇腹・背中の筋肉も働くからです。腕の動かしやすさを作る時には、体の中心に近いほうが動けることを思い出すのが役立ちます。
ネック・指板という軸
ネック・指板は、腕が動くときのガイド・レールとして使えます。その使いかたは2つあります。
1. 回転軸として使う
移弦の時に使う動きです。肩まわりの関節の可動性を全て使うことで、肘を大きく移動させる動きです。動いている骨のなかで思い出して欲しいのは、肩甲骨・鎖骨です。このときに働く筋肉のなかで、特に思い出して欲しいのは、大胸筋(脇から胸の中央にかけて)と広背筋(脇腹から背中の下のほう)です。
このとき、指の動きだけで指板に触りつづけることには無理があります。そのための調整役として、肘の可動性(屈曲・進展だけでなく、特に回外・回内)を積極的に使うと、動きが劇的に改善します。
2. スライドのガイドとして使う
ポジション移動のときに使う動きです。肘の位置を変えるためには、肩周りの可動性を存分に使いましょう。指が指板に触り続けるためには、肘の可動性を使うことが重要なのは、1と同様です。
ネックに沿って手をスライドさせた時に、ネックが手の動きに従って上下します。バイオリンが動くので、それに合わせてあご当てに加えるチカラを調整しましょう。スライドさせている時の握り具合を変えることで、スライドさせやすさも変わります。
右手の助けを借りて遊ぼう
右手で楽器を支えよう
右手でバイオリンを支えます。すると、左手は楽器から離れても楽器の安全が確保されます。まずは、左手を休ませましょう
右手でバイオリンを支えたまま、左手でネックをつかんだり、離したりします。つかむ手を、逆手にしたり、つかまずに手の甲でネックにさわったりして、《いつもと違うさわりかた》を試しましょう。
こうして遊んでいる時のカラダはどうなっている?
ここまで紹介してきたことを、実際に試している時に、体の動きはどう変わっていったでしょうか?どこが楽になったとか、動きまわれる範囲がどれだけ変わったかとかを調べましょう。
バカバカしいことをやればやるほど自由になれます
ここまでいくつかのバカげた遊び方を紹介しました。バイオリンを構える・持つということへの思い込みを取り払って、いままでにない動きの可能性を探求していきましょう。