【ばよラボ】ViolinAnatomy-Axis01. 一番大事なこと☆動きの質を切り替えるテクニック

2014/11/24

ひとつ質問をします。

みなさんには、どんな悩みがありますか?

バイオリンの演奏……
音色がもっと豊かに……
さまざまなテクニックを自在に使いこなしたい……

どの悩みから解決していきましょうか?

Violin Anatomy【バイオリニストのための解剖学】へようこそ!

人間の活動には、2つの方向性があります。

複雑な問題も、わけのなからない難問にも
楽しみながら取り組んで活路を切り開いてゆく
のびのび自由な【超クリエイティブ・モード】

死んだフリか、逃げ切るか……
目の前の危険からとりあえず身を守る
生命維持最優先の【思考停止モード】

みなさんは、バイオリンを演奏するとき、
どちらのモードで演奏していたいですか?

わたしたちは、自覚しているかどうかは別として
この2つのモードを使いわけて、生きています。

どんなできごとにも楽しみを見出しながら
取り組んでいける【超クリエイティブ・モード】

目の前のできごとの本質から目をそむけて
逃げ続ける【思考停止モード】

この【2つのモード】は、生きているあいだじゅうずっと、
ある条件によって切り替わってゆきます。

この【2つのモード】は、どんな人でも、
生きている限り、付き合っていかねばなりません。

・クリエイティブモード
・思考停止モード

わたしたちの祖先は、このふたつを使い分けながら
自由を謳歌しながら、ときには、辛い環境をただ耐え忍びながら
どんなときでも、未来に希望を託して、過酷な環境を生き延びて、
そして、進化を遂げてきました。

もしも、いま、わたしたちの身において
バイオリンの演奏をするとしたら、

・クリエイティブモード
・思考停止モード

このふたつを選んでバイオリン演奏ができるとしたら、
どちらのモードを使いたいでしょうか?

わたしたちは、カラダの使いかたによって、
このモードを意識的に切り替えることができます。

それによって、
パフォーマンスの質を変えることができます。

これから、そのテクニックについて
いっしょに学んでいきましょう。

動きの質を司る《AO関節》

わたしたち脊椎動物が、みな持っている《AO関節》をご存知でしょうか。

AO関節は、動きの質を変えてしまう関節です。

・抽象思考でも何でもオッケー。のびのび自由な【超クリエイティブ・モード】
・生命維持最優先。目の前の危険からとりあえず逃げ切る【思考停止モード】

この切り替えをするのがAO関節です。

AO関節がどこにあるのか、
見つけ方を説明しておきましょう。

その前に、ひとつ質問です。

「頭には、いくつ穴があるでしょうか?」

パッと思いつく穴だけで構いません。
もしも、正確に穴の数を数えたことがあるなら
その数でも構いませんよ。

毛穴は数えなくてもよいです。
骨の形状と関係するものを数えてもらいたいと思います。

目、鼻、耳……。
私が自分の頭を見て、目立つ穴といえば、これくらいでしょうか。

解剖学の本などを見るとわかりますが
頭蓋骨の底にも大きな穴があります。

それは血管や神経などが通るような通りみちで、
脳と合流する脊髄が通っています。

なんでわざわざ頭にある穴の数を数えてもらったかというと、
バイオリン奏者の皆さんは(私の周りを見る限りですが)
歌手や吹奏楽器奏者のみなさんに比べると、
頭のことを、詳しく調べる習慣がないらしいのです。

それでわざわざこんな、一見バカげたことを質問してみました。

話を元に戻します。

頭の骨(頭蓋骨)は、いくつものパーツでできています。
そのなかでも、バイオリン演奏の動きに関わるものといえば、
後頭骨(こうとうこつ)です。

後頭骨が、どのあたりにあるかというと……

指で耳たぶの裏がわを、触ってみてください

左右それぞれの《耳たぶの裏》
その、ちょうど中間地点あたりだと思っておいてください。

耳たぶの裏の近くには顎関節があって、
あごを下げたり上げたり、口をパクパクすると動きますが
後頭骨は動きません。

耳たぶの裏のあたりで、
しかも、口をパクパクしても動かないあたりが、
いま話題にしている「後頭骨」です。

さて、この後頭骨は、
頭が、脊椎の上に乗るための骨でもあります。

そして、26ある脊椎の骨のトップに位置するのが
環椎(かんつい)こと、第1頸椎(けいつい)です。

後頭骨と環椎の出会う場所……
これこそ、頭と脊椎のつくる関節……

私たちの行動の方向性を決定づける関節なのです。

後頭骨と環椎(脊椎の一番上にある骨)とが向きあって作る関節は、
後頭環椎関節という名前があります。

「Atlanto-Occipital joint」なので「AO関節」(えーおーかんせつ)と呼ぶ人もいますし
軸関節の中で、最上位に位置することから「トップジョイント」と呼ぶ人もいます。

ここでの呼び方は、
画数が少なくて覚えやすいので「AO関節」としておきます。

AO関節は、耳の穴の高さくらいにある
と思っておくと覚えやすいです。

おわかりいただけたでしょうか?
これが、AO関節です。

どのあたりにあるか、体感しやすくするために
もう一度触っておきましょう。

高さ的には、耳の穴くらい。
音が聞こえづらくなるので、触って思い出したいときは
耳たぶの裏を指先で軽く触れてみましょう。

だいたいそのあたりにあると思っておきましょう。

はじめに書いたように、

AO関節は、動きの方向性を変えてしまう関節です。

どんなできごとにも楽しみを見出しながら
取り組んでいける【超クリエイティブ・モード】

目の前のできごとの本質から目をそむけて
逃げ続ける【思考停止モード】

この【2つのモード】は、バイオリンの演奏中にも切り替わってしまいます。

どうやったら、自分の思いどおりに切り替えられるのでしょうか。

良いニュースと、
悪いニュースがあります。

良いニュースは、
このモード切替は、使いこなせるようになります。

その使いこなしの技術、テクニックこそが、私が皆さんとともに学んで、
自分たちで使いこなせるように洗練してゆきたいことなのです。

悪いニュースは、
このモード切替を、テクニックとして、使いこなすには、
自分の習慣をみつめ、根気よく、新しく作り変えつづける道に
一歩踏み出さねばならないということです。

私は、その一歩を踏み出しました。
そして同じテクニックを学ぶ人と出会い、歩み続けています。

この超クリエイティブ・モードへ切り替えるテクニックを身につけて
いつでも、もっと楽しく、効率よい、演奏ができるようになったら
どんなにステキなことでしょうか。

このメールシリーズでは、
テクニックを身につけるためのヒントとして
カラダの誤解をときほぐす知識(たとえば解剖学)や、実際に私が試して
効き目のあった実験エクササイズも紹介していきます。

質問や、相談があれば、いつでもどうぞ。

-Violin Anatomy-Axis