「背すじを伸ばしなさい!」これが、バイオリニストにとって諸悪の根源かもしれません。
なぜなら「背すじを伸ばしなさい」は役に立たないからです。むしろ、多くのバイオリニストが苦しんでいるのは「背すじを伸ばそう」としているからであり、やみくもに「楽器を下げてはいけない、とにかく持ち上げろ」という指示に従おうとするからなのです。
幸いなことに、「背すじを伸ばそう」とか「とにかく楽器を持ち上げよう」と思うことは、やめることができます。
でも、みなさんが知りたいのは、そんなことじゃないですよね?
どうやって「背すじを伸ばす」というカン違いをやめたらいいか、なぜ「背すじをのばそう」がいけないのか、ですよね?
「背すじを伸ばす」ってどういうこと?
「背すじを伸ばしなさい」といわれたときに、みなさんは何をしますか?
ためしに、いま、背すじを伸ばしてみましょう。いま、どんなことをしましたか?
胸を反らせる人もいます。肩を後ろに引き寄せる人もいます。あごを上に持ち上げて、頭を首といっしょに後ろへ傾ける人もいます。おなかを前へ押し出す人もいます。オシリを後ろへ突き出す人もいます。膝をまっすぐにのばして固める人もいます。
さあ、みなさんは「背すじを伸ばしなさい」といわれたときに、身体のドコをどう動かしましたか?書き出しておきましょう。
ぜひ、お友達やお仲間どうしで、自分が何をやったか、観察した結果を交換してみてください。そして、お互いの「背すじを伸ばす様子」を見て、どんな動きをしていたかを言ってあげてください。
なぜ背すじを伸ばしたいの?
大事なことを確かめる必要があります。
それは、「なぜ背すじを伸ばす必要があるのか?」ということです。みなさんが、背すじを伸ばす必要があると思っているなら、その理由を3つあげてみてください。
そして、背すじを伸ばす必要がないと思っている人にも、考えてほしいことがあります。それは「どうして、《背すじを伸ばしなさい》と言いたくなるのだろうか?」という理由を3つあげてみてください。
「背すじを伸ばす」ことが、どうして必要なのか。つまり、背すじを伸ばす目的が3つで収まらないなら、とにかく全部書き出してみましょう。「背すじを伸ばす」ことの他にも「良い姿勢」がなぜ必要なのか、書き出してみましょう。
「背すじを伸ばす」が、どう役だっている?
さあ、ここが大事なところです。
みなさんが「背すじを伸ばす」と思ってやっている実際の動きは、みなさんが「背すじを伸ばす目的(理由)」をどれだけ達成していますか?どう役だっているか説明がつきますか?
ご自分で説明がつけられないときは、ぜひ体験レッスンをご予約ください。みなさんが姿勢にこだわる目的が、どんなものだったかを教えていただければ、そのためにどんな体の動きを使うことができるか、私がどんな手助けができるか、提案させていただきます。
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