「自分だけの音楽スタジオが欲しい……!」
突然ですが、みなさんは自分だけの音楽スタジオを持っていますか?まだ持っていないなら、作ることをおすすめします。どんなに小さくてもいいんです。100均で買えるグッズを使って自分だけの音楽スタジオ、気持よく練習できるスペースを作ってみませんか?
2007年の夏に書いた記事があります。
→脱・ヴァイオリン初心者~忘れ得ぬレッスン「最初の教え」(クリックすると iiichiro.com が開きます)
この内容をざっくり説明すると……
- 毎朝5分でいいから楽器にさわろう
- 楽器に挨拶するだけでもイイ
- 楽器を出しっぱなしにして、いつでもさわれるようにしよう
……という内容でした。
この記事を書いてから7年近く経ちました。この間に、身近で火災や地震の被害があったこともあり、楽器を出しっぱなしにしたくないと思うようになりました。
まずは安全を確保しよう
むしろ、楽器や自分の身の安全を確保することが最優先であって、音楽を楽しむのはその土台があるからだと思うようになりました。何をいまさら、と思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、2007年当時の私はずいぶん心の余裕をなくして、必死でブログを書いていたのでしょう。音楽する暇を返上して会社で働いていましたから、楽器に触ることがせめてもの慰めだったように思います。いや、心のどこかで地震があっても自分だけは大丈夫という傲慢があったのだとも言えますね。
本題!
それでも、「毎朝5分でいい」「どんなに忙しくても楽器には挨拶を」という我が師匠・カナメ先生の教えは、変わらぬ価値があると思います。そこで、どうにかして時間をひねり出す工夫を考えてみることにしました。
バカげたアイデアもあるかもしれませんが、読者のみなさんにとって、なにか現状を打開するヒントになればいいなとおもって書いてみることにします。今日は一つだけ。
あなたは自分だけの音楽スタジオを持っていますか?
まだ持っていないなら、音楽スタジオをつくってみませんか?
《自分だけの音楽スタジオ》をつくろう
練習時間を確保するための、最初のアイデアは「自分だけの音楽スタジオをつくろう」です。
音楽スタジオというと大げさに聞こえるかもしれません。でも、「演奏したくなる自分だけの音楽空間を作る」と思ってみてはいかがでしょうか。オカネがなくても大丈夫!なにしろボク自身がお金をかけずに実践したことなので、きっとお役に立てると思います。
ステップ1. 気持ち良く演奏できる場所を見つける
ここが一番大切なところです。まず自分が気持ちよく演奏できる場所を、家のなかで見つけましょう。別の言い方をすると「居心地のいい場所を練習場所に作り変えよう」ということです。
どんな場所がいいかは人によって好みの分かれるところだと思います。私の場合は、演奏するのがバイオリンですから、ある程度の広さが絶対条件です。弓を動かしてぶつかるようでは困ります。次のような条件で、家のなかを見渡して考えました。
- 天井が高い
- 残響音がきこえやすい
- 明るい
- 室温の調節がしやすい
- 音を出していてもドアホンの呼び出しが聞こえる
家中のあちこちで楽器をひいてみて、これらの条件を良いバランスで満たしていた場所を音楽スタジオ化することにしました。
音楽スタジオ化と言っても、リビングの一角にささやかな音楽練習スペースを確保することにしただけです。ですが、「ここがボクだけの音楽スペースなんだ!」と決めた時のスッキリした気持ちは、いまでも新鮮に蘇ってきます。
同居するご家族と趣味の話をしてみよう!
ご家族がいらっしゃる場合は、楽器で音を出すことについての話し合いが必要となるかもしれません。なぜ楽器を演奏したいのか、音楽活動に取り組む自分の思いを語ることだけでなく、生活を共にするご家族が、それぞれにやりたいことや興味のあること、どんなことを大切にしているのかを互いに語り合うという時間を持ってみてはいかがでしょうか。こうした対話の時間は、家族としてかけがえのないひとときです。団欒の楽しみとはこうした語らいのなかにこそあるのではないでしょうか。
ステップ2. 場所を空っぽにする
《音楽スタジオはここだ!》と場所を決めたら、はじめにやることは、その場所を空っぽにしましょう。置いてある家具や荷物は全部移動します。ひとつ残らず別の置き場所を決めて移動しましょう。消しゴムも、新聞も、キーホルダーも、読みかけの本も、とにかくその場所はいったん空っぽにします。
私の場合は、家具も荷物も少なかったので、ほかの部屋に荷物や家具を一時退避させました。
ステップ3. 演奏と練習に使うものだけを集める
ステップ2が終わったら《音楽スタジオ》の入れ物ができました。空っぽのままでは演奏も練習もできません。
まずは、練習に不可欠なものを持ち込みます。私の場合は、楽器ケースと譜面台、鉛筆、消しゴムだけでした。最低限の楽譜は楽器ケースに入れて持ち運んでいるからです。
つぎに持ち込むのは、練習の効率を上げるためのものです。チューナー、メトロノーム、教則本、レパートリーにしたい楽譜の数々です。
最後に持ち込んだのは、演奏や音楽という関心を高めてくれるものです。音楽関連の書籍や雑誌です。
この他のものは別の部屋にしまいました。たとえば、めったに使わないアンサンブル用の楽譜や終わった演奏会のパート譜は、散逸したり紛失しないように、クリアポケットに整理してから専用の箱を用意して放り込んであります。どこかの図書館ほどの規模ではないので「普段使わない楽譜はここに全部ある」という状態にしておくのが、ボクの楽譜管理ルールです。
おすすめ「おさらいボックス」
さて、いよいよおさらいボックス。がっかりさせるかもしれないけど、おさらいボックスというのは、さらっている楽譜をしまっておく入れものです。防音室じゃないのですよ(^o^;)
おおげさに3ステップにわたって《音楽スタジオづくり》を書いてきましたが、じつは、一番大事なのはこの「おさらいボックス」を用意することです。
練習空間を作ってみて、実際にそこで練習して生活してみると気づいたことがありました。それは、さらっている楽譜がちらかってしまうことだったんです。
というわけで、さらっている楽譜を放り込んでおけるカゴを用意して《おさらいボックス》と名付けました。本番に使う楽譜たちは、それぞれの本番用封筒に入れて、そして《おさらいボックス》に放り込みます。
練習したくなったら、お目当ての演奏会の封筒を《おさらいボックス》から取り出して、譜面台にのせて練習開始できます。別の本番のおさらいをするときは、楽譜を封筒にしまって《おさらいボックス》に戻してから、別の封筒を取り出してさらいます。
これで私の練習は変化しました。ひとつの本番ごとに封筒を分けているので、ひとつひとつの楽曲について、さらいたいことだけをさらうようになりました。そして、練習に没頭しすぎて時間を使いすぎるという悪い癖も減ってきました。
「おさらいボックス」練習法を始めるには?
用意するもの
- 《おさらいボックス》……古新聞ストッカー(100均でも買えます)
- 角0形封筒(B4サイズが入る)……主催者さんが楽譜を送ってくれた封筒があれば、わざわざ買わなくてもいいです。
- 鉛筆かペン
やること
- 楽譜を本番ごとにまとめる
- 封筒に本番の情報を書く
- 催事名、開催日、会場
- 曲名
- ※チラシがあるならチラシを貼っておく
- 封筒に楽譜を入れる
- 練習のときに《おさらいボックス》から取り出して、終わったら戻す
ほかに気をつけていることは……
- リハでもらった事務連絡の書類や入館証・駐車券なんかも、封筒に入れておく
- 外出先から戻ったら《おさらいボックス》に戻す
- 本番が終わったら、封筒の内容物を仕分けて、保管場所に移す
こうすることで、練習の効率も良くなったし、楽譜の忘れ物も減りました(^o^;)
さいごに……
整理整頓がお好きで片付けの上手な方なら、ボクが書いたことは幼稚すぎるかもしれません。もっといい方法があったらぜひ教えて下さい!本当に苦手なんですがこうしてちょっとずつ習慣化しています。