いちろーたです。
構えにかかわる見過ごしがちな事実があります。
アゴは頭と一緒に動く
頭は首の上で動く
頭は首と一緒に動く
……です。
そして、もう一つ……
頭と首の動きを考えるとき、《頭の重心》と《頭と首の関節》との位置関係が重要な意味を持っています。なお、ここでいう《頭と首の関節》とは環椎後頭関節(かんついこうとうかんせつ)のことです。
さて、ひとつ質問します。
頭の重心の位置は、環椎後頭関節より前にあるでしょうか。それとも後ろにあるでしょうか。
正解は「前にある」です。
それがバイオリンを構えることにどう関係するか。考えてみてください。
頭の重心が、頭を支えている関節よりも前にあるのなら、頭はどのように動くでしょうか。
正解は「頭は、首から前に転がり落ちる」です。
頭は前に落ちる……このバランスの傾向を知ることが、バイオリン演奏における不必要な緊張を解放へと導く重要な鍵となります。
バイオリンを弾くためにアゴをアゴ当てに置きますが、そのときの首の動きをつくるには《頭が前に転がり落ちる運動》と《頭が首の上で向きを変えるための筋肉たちの筋力の組み合わせ》を使います。
《頭が首の上で向きを変えるための筋肉たち》とは、どんな筋肉のことなのでしょうか。
いったい頭とどこを結びつけている筋肉なのでしょうか。そういう筋肉はいくつあるのか、どれくらい太いのか、どれだけの長さがあるのか。
……これって調べる価値があると思いませんか?
アゴ当てにアゴを置くとき、この動きのつくりかたについて思い出してみてください。
きっと今までにない音楽の世界が感じられるはずです。