「ヴァイオリン Basics: いつでも学べる基本練習300」を買ったぞー♪読んだぞー♪こんなことを考えたぞー♪

2016/11/19

いちろーたです。

前回書いたように……「ヴァイオリン Basics: いつでも学べる基本練習300」を買っちゃいました←(^o^)
素敵な内容なので今回はざっと読んだ感想をお届けしますね。

池袋ヤマハで手にとってざっと眺めたら
「こんな本があったらいいな」と思っていた内容だったので購入しちゃいました。

ひとことで言うとどんな本?

譜例つき練習メニュー集。
体系的に漏れなくダブりなく編集されており練習辞典としても使える。
技術レベルに関係なく使える。

こんな使い方ができます

●苦手テクニックの特訓……索引をもとに必要な練習を取り出せます。
関連項目もあわせて練習できるように参照先が振られています。
●基本を見直したいなら……序文と目次を読む。さらに各章の見出しを読む。
それだけで、大事な考え方がおよそ整理できると思います。
●技術的な死角・盲点を無くしたい……マスターしたはずの技術の項目を読み込みます。
やったことのある練習でも、自分のやり方と比べて何が違うか・どう違うかを調べます。
索引にある用語すべてについて、自分の言葉で説明できるようになるまで練習します。

いちろーたはこう思った

「ヴァイオリン Basics: いつでも学べる基本練習300」を読んで思ったこと。

この本に書いてある嬉しいこと

「いろんな練習方法」

「どこかで聞いたことあるな……」という練習方法は、ほぼすべて収録されているとおもいます。
優れた先生ならレッスンの場で(若干の言葉遣いの違いや、手の添え方などに違いはあっても)
生徒さんの状態に応じてこの本に書いてあるのと同じ練習方法を差し出していることでしょうね。
じっさい、ボクも「自分の発見だ!」と思っていたことが書いてあったりします。

この本に書いてある気になること

「リラックス病を誘発しそう」

リラックス病というのは、力を出すべき場面にもかかわらず必要な力さえも出さない・出せない状態のこと。
こんなに丁寧に作りこまれているのに(あれれ?これはこういう言葉遣いなんだな……)ということもあります。
それは「何をしたら、そうなるのか」がほんのちょっとだけ物足りないということです。
たとえば「指の圧力」の部分にこんな記述があります。

総じて身体の動きは、どこか一箇所が硬く緊張すると、他の場所も緊張してしまいます。
もし、指と親指を握り締めていると、付け根の関節と手のひらも硬くなります。
手首が固くなると上腕も硬くなり、上腕が硬くなれば首や肩も緊張するといった具合です。
 次のようにして指を弦に置きます。
●ネックに対する親指の対圧は必要最小限にします。
●指は押さえつけすぎず、クリアな音を作ります。
●付け根の関節はリラックスさせておきます。
●弦の上の指はリラックスさせておきます。
●指は互いにくっつけて強く握りしめないようにします。
●手首をリラックスさせます。
●上腕は右側に引っ張りすぎないようにします。
●ヴァイオリンを肩と顎でギュッと締め付けないようにします
(『ヴァイオリン Basics: いつでも学べる基本練習300』サイモン・フィッシャー、音楽之友社)》

あなたがこれを読んでうまく指が動かせるなら別に文句はないです(^^)

でも、上に書いたことを読むと、
きっと次のようなことを思っちゃうんじゃないかな。

●「対圧って何?どれくらいの圧ならいいの?」
●「結局、指はどれくらいの強さで押さえればいいの?」
●「付け根の関節ってどこ?それに、動かし始めたらリラックスできないんだけど……」
●「弦の上の指って、弦に置いてある指?弦に接せず上にある指?どっちにしても、他の指につられて動いちゃうけど良いの?駄目なの?」
●「指はくっつけたらダメなの?強く握りしめちゃうのはどうやれば防げるの?」
●「手首リラックスって言われても、指を動かしたらどうしても力が入って硬くなっちゃうのはどうすればいいの?」
●「上腕は結局どの位置にあればいいの?」
●「肩と顎で、どうしてもギュッとしちゃうんですけどどうすればいいの?」

どうでしたか?
ここがバイオリン演奏を指導する難しさであり、学ぶ難しさなんですよね。
後から書いた方の質問にこたえる教材があると嬉しいです。

「300もの練習方法のもととなった原理が書かれていない」

応用から原理を学ぶというアプローチだからだと思うので仕方ないかもしれません。

いちろーたが思うバイオリンの技術指導って、ひらたく言えば
「どんな音がほしいの?」「その音って、どうやって作るの?」ってことなんです。
動きを作るためのプロセスとしては、もう少し突っ込んで欲しい気もしました。

いちろーた式の取り組みかた

いちろーたのやり方は……
楽器から音を取り出すために「何が起こればいいか」を考える。
そのために「自分と楽器をどうすればいいか」を考える。
そのために使えるものは全部使う……自分も周りも。
というやり方。これで演奏を組み立てていくんです。

こうやって組み立てていくと、
「基本練習300」に書いてあるのと同じ練習メニューが発想できるようになっていきますし、
必要に応じた練習メニューを編み出せるようにもなっていくことでしょう。

その演奏の原則・練習の原則を身につけるには
音の作りかたをいちど丁寧に分解して問いかけてみて欲しいんです。
普段はわざわざ言葉にしないでしょうけど、あえて言葉にしてみて欲しいんです。
どんな音がほしい?
4本の弦の、どれを使う?
その弦を、どんな長さにする?
そのために、どの指を使う?
長さの整った弦に、どんな振動をさせる?
そのために、何でどんなきっかけを与える?
振動はいつ始める?どう推移してどう終わってほしい?
そのために、何をする?
などなど。

「何をすればいい?」を考えて細かくする一方だと、目的を見失って迷子になります。
細かくしていくだけでなく、「それってなんのため?」……「どんな音がほしいのか」「どんな音楽をするためか」……という目的さえあれば、
その目的に向けて統合していくことができます。

ところで、演奏には《動き》が関係します。
動きの作りかたという面では、「部分と全体」ということを念頭に置いてもらいたいと思います。

「基本練習300」の序文にもありますが、
この本は「ひとつの練習でひとつの要素」という構成となっています。
いろんなお悩みの場面に必要な具体例を提示するための構成です。

ボクが訴えておきたいのは
「ひとつの練習にすべての要素がある」
ということです。
この本が「ひとつの練習でひとつの要素」として構成されているとしても、です。

たとえば、《指》のことを考えるときには《指そのもの》だけを考えるのではなくて、
指以外のこと……たとえば《指のことを考えている自分》が《どうやって指のことを考えているか》……も考えておくんです。
別の例を挙げます。
ある音の弓使いを「アップ」がいいか「ダウン」がいいかを決める時のことを想像してみましょう。
その一音だけのことを考えて決めるのが最善の決め方でしょうか?
「その一音だけを考える」という事自体が無理なのです。
かりに、その作品がその一音しかないとしても、その一音だけを考えていれば良いとはなりません。
その一音しかないことを知るには、その一音の前後がどうなっているかを考えなければならないからです。

部分はつねに全体とともにあり、全体は部分とともにあります。

無数にある《部分》をひとつ残らず《全体》としてコーディネート(協調)させるために何をしたらよいか。

これをマスターすることが
バイオリン演奏をラクに自由に楽しめるようになる秘訣だということを
より多くのバイオリンを愛する方に知ってもらいたいと思っています。

いろいろ言ったけどおすすめ度高いです

-おすすめ資料(動画・教材など)