手首が痛くなる弦楽器奏者のために……フィンガリングのよくある勘違い

手首が痛む弦楽器奏者、3つの共通点

手首の痛みで苦しむ人には、幾つかの共通点があります。

1. 演奏フォームに正しい《形》を求めている
2. 指や手首について、正しい《身体地図》を持っていない
3. 「痛いのは仕方ない」と思っている

この3つの誤りが、手首の故障の原因です。

1つずつ、原因と対処をおおまかに説明します。

【手首を壊す原因1】演奏フォームに正しい《形》を求めている

形のあるもの、無いものを見極めよう

身体の形は、目安に過ぎません。
フィンガリングについて形が決まっているのは、
指板上に指先を並べる場合の位置のパターンです。

指の形や腕の形は、一定ではありません。
指が指板に触れていても、触れていなくても、です。

これを間違えると、あっという間に体は壊れます。

カラダにやさしい指導、痛める指導

よくある指導の例として
「弦を押さえた指は動かさない」
「弦から離した指は、弦の上で待機させる」
ということがあります。

これ自体は正しいです。

しかし、似て非なる指導があります。
◎「弦を押さえた指は動かさない」
×「弦をおさえている間、指は動いてはいけない」
×「次の音に進んでも、一度押さえた指がずれないようにしなさい」

この3つの文……言葉の違いとしては、取るに足らないものに思えるかもしれません。

ですが、動きを作るための命令文として読むと、
まったく違った意味があることがおわかりになるでしょうか?

◎「弦から離した指は、弦の上で待機させる」
×「弦から持ち上げた指は、弦のすぐ上にいなければならない」
×「指を動かすときは、指だけを動かしなさい」

この3つも、動きの作りかたとしては、意味合いがまったく異なります。

動きの命令文は、こうして見なおそう

ラクに、自由に、的確な動きを行うには、
ほんとうに必要なことだけを宣言します。
最優先でないことや、どうでもいいことは言及を避けます。

このように《動きの命令文》を見なおしてゆくことが、
フィンガリングを上達させる第1の秘訣です。

【手首を壊す原因2】指や手首について、正しい《身体地図》を持っていない

エクササイズ「どんな《手の地図》を持っていますか?」

回答の前に、ひとつ、ちょっとしたエクササイズを紹介しましょう。

手首から指先までの骨の絵を描いてください。

何の参考書も見ずに。1分以内で。

 

……はい、1分経ちました。

どんな絵が描けましたか?

描けた絵が、いまのあなたの《手の身体地図》です。

いま書いてもらった《手の骨の絵》が、精密であればあるほど
あなたの演奏は、ラクになっていきます。

じつは、こうした身体地図は、誰もが持っています。
その地図は、体を動かすたびに、書きかえられています。

いま、メールを見る目を動かす時も、
メールをスクロールしようとして指を動かそうとした時もです。

バイオリン演奏のときも同様です。

身体地図が重要な理由とは?

では、なぜ《地図》が大事なんでしょうか?
ひとつたとえ話をしましょう。

デパートや駅などで、トイレに行きたくなったとき、
トイレへの誘導サインや、案内図・看板を探しますよね?

こうした誘導サインや案内図・看板が見つからなかったら、どうしますか?
我慢したり、知ってそうな人にトイレの場所を教えてもらうのではないでしょうか。

もしも、教えてもらった情報が間違っていたら、
トイレには辿りつけるでしょうか?

もしも、案内図や、教えてもらった情報が正しかったとしても
あなたがパニックになっていて、右と左、東や西を間違えてしまったら
どうなるでしょうか?

そう、トイレには辿りつけないんです。

……トイレじゃなくて用が足せるならいいのですが、トイレじゃないと困ることってありますよね(^_^;)

演奏のためにカラダを動かすとき、
カラダを動かす命令というのは自分の信じている地図を元に作られています。

でも、命令を受け取って動くカラダは、信じている地図ではなく、実際のカラダです。
身体地図と、実際のカラダがズレていると、どう動いていいかわからなくなってしまうんです。

そういう「動けなくなる状態」=「困った状態」が痛みとして現れます。

どんな身体地図を持っているか。
どうやって身体地図を書きかえてゆくか。

書き換えた結果によって、動きの質は変わってゆきます。

良い方へ、より良い方へと変えていくことができます。

身体地図はただ知るだけでなく、
正しく使う方法を身につける必要があります。

その一つの方法が、いまご紹介した

「《手の骨の絵》を描く」です。

さっき書いてもらった《手の骨の絵》が、精密であればあるほど
あなたの演奏は、ラクになっていきます。

《手の骨の絵》を描く他にも、

実際にカラダを動かすことで筋感覚の刺激を使ったり
動きを観察したりすることで身体地図をアップデートする方法も大変有効です。

【手首を壊す原因3】「痛いのは仕方ない」と思っている

なぜ痛みを我慢するのでしょうか?

痛いのを我慢し続けるのは愚かです。

痛いのは仕方ないと思っているなら、痛みを解消しようとは思わないですよね。
だから、痛くなるのは当たり前です。

痛くても良いと思っている人には、
痛み止めは、いらないですよね。

だから、ボクは「痛いのは当たり前だから、今のままでいい」と言う人にはレッスンをしません。

「痛いのは嫌い」
「なるべくならラクに気持ちよく演奏したい」

という正直な人が増えて欲しいのです。

痛みの意味を考えよう

ところで、痛みというのは、ごまかしようがないものです。
ですが、痛みが起こる意味については考える価値があります。

痛みは、痛みが起こる状況を避けるためにあります。

痛いのを我慢し続けるのは愚かです。

賢く生きたいなら、痛みをきっかけに、
自分の行いや、あり方について考えなおすべきです。

痛みは、変化のきっかけになる

カラダ自体は痛みを感じません。

カラダが発した信号を、脳が「痛み」として知覚しているだけです。

わたしたちがそれぞれに持っている身体地図上で起こっている事件について
対処をするように促しているのが痛みの役目です。

人生の選択権は、いつでもあなた自身にある

痛くなるような使いかたを続けるか、
どれとも、痛みが起こらないような使いかたを見つけて、自分のものにするか。

それは選ぶことができます。

こうした観点でフィンガリングの習得をサポートするのが
【フィンガリングの魔法】セミナーです。

バイオリン演奏における「フィンガリング」について、
バイオリン奏者が苦しむ元凶に迫ります。

定員は20名。まだお席に余裕があります。
2016年1月11日の午後、スケジュール帳を確認してみてくださいね。


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