演奏しやすい指を作るために……《動きの渋滞》は身体が正しく機能している証拠

「身体に起きていることはすべて正しい」って信じられますか?

メール講座『奏法リノベーション365』では、そのためのヒントを
次から次へとご紹介しています。

いつもヒントばかりでは、とりとめがないです。
そこで《動きやすくなるヒント》の元となる、動きやすい身体の原理原則について解説していきます。

演奏しづらいときには、体に《動きの渋滞》が起こっています。
《動きの渋滞》を解消すれば良いのですが、ちょっとだけ注意が必要です。

何に気をつける必要があるのでしょうか?
2つあります。

1.《動きの渋滞》は、末梢よりも体幹に近いほうが影響力が大きい。
2.《動きの渋滞》は、必要に迫られて仕方なく起こっている。

今回は2つめについて。

それは、《動きの渋滞》そのものは身体が正しく機能している証拠だということ。

動きの渋滞は、あなた自身が自分をどう使っているかという結果です。

《動きの渋滞》というのは時と場合によって形を変えて現れます。
《動かしにくさ》だったり、《痛み》だったり、《重苦しさ》《疲労感》《無気力》《虚脱感》ということもあります。

たとえば、もしもバイオリンを演奏していて痛みがあるなら、
痛むような演奏のしかたをしているということです。

《痛みは結果》

ということは、
痛むような動かし方をやめることができれば、痛くならずにすみます。

痛いのは、無理があるということ。
痛みは、身体からの警告です。

「このまま使い続けると、回復が追いつかなくなっちゃうよ」
「そのままの使いかたを続けると、壊れてしまうよ」
「別の動き方に変えてくれよ〜」

という身体からあなたへの警告メッセージが痛みなのです。

つまり、「痛み」というのは、
身体のセンサーが危機を察知してお知らせできているということ。
お知らせを受けたあなた自身が、お知らせを読み取ってあなたに「そろそろ危険ですよ」と教えることができているということ。

というわけで、痛みに気づいたら、いまやっていることを止めて、
自分との対話モードに入っていくのがよいです。
あるいは対話モードに入ることさえもやめて、休養・回復モードに入ることだって必要かもしれないのです。

《動きの渋滞》に話を戻しましょう。

始めに書いた《痛み》や《動かしづらさ》の他にも、気づきにくい《動きの渋滞》のタイプがあります。
それは《頑張ってる感》です。

《頑張った割にうまくいってないなぁ》という感じのするときは要注意です。

そんなときに、まず思い出して欲しいのは、
第1の原理ともいえる《頭と首がどれだけラクか》です。

この問い掛けが、《動きの渋滞》を解除するマスターキーだからです。

-肩あて・あご当て