【ばよラボQ】ViolinMuscle-Arm10. バイオリンに一番近い筋肉・解説編10(1つの関節に、筋肉がいくつかかわっている?)

2014/10/27

腕と体幹の骨格について、すこし考えてみましょう。

上腕骨から、体幹に向かって、骨のつながりをたどると、
上腕骨〜肩甲骨〜鎖骨〜胸骨〜肋骨〜脊椎という順序です。

ここでちょっとした遊びを1つ。

神様ゲーム!

もしも、みなさんが人間を作る設計図を書くとしたら、
肩甲上腕関節を動かすために、どんな筋肉を与えますか?

上腕骨を《骨のつながり》でみると
肩甲骨と組み合わさって「肩甲上腕関節」という関節を作っています。

これを動かすために、
どんな仕組みを設計しましょうか?

ちょっと想像してみてくださいね。

そして、私たちのカラダは
実際には、どうなっているでしょうか?

ホネから見た、腕と胴体のつながりかたとは?

上腕骨から、体幹に向かって、骨のつながりをたどると、
上腕骨〜肩甲骨〜鎖骨〜胸骨〜肋骨〜脊椎という順序でつながっています。

それに対して、
上腕骨から、体幹に向かって、筋肉がどうつながっているかをたどると……

・肩甲骨(いろんな場所。上下、内外、いろんな出っ張り部分)
・鎖骨(外側と内側)
・胸椎(第6〜第8)
・腰椎
・腰背腱膜腸骨稜
・肋骨(第10〜12、または第9〜12)
・胸腰筋膜
・胸骨
・肋軟骨(上位)
・腹直筋鞘(前葉の表面)

これら骨や腱膜など、動きの土台に対して並列的につながっているのです。

「1関節1モーター」ではないワタシたちのカラダ!

骨のつながりである関節と
関節を動かすための筋肉とは

1対1で対応しているのではないことが
私たちの動きの精密さを実現しているというのが

実に面白いことだと思います。

上腕骨の動きは、胴体のいくつもの場所が土台になって、
左右それぞれ9つの筋肉が作っているんですね。

そして、私たちがバイオリンを演奏するときも
指は上腕骨を土台として、動けるようになっています。

骨や筋肉のひとつひとつを、
思い通りに動かそうとするよりも、

ただ、

「そこ」に
「そういう仕組み」がある

ということを知っておけば、

あとは、

「動かしたいもの」をみて
「こんなふうにうごいて欲しい」と思えば、

それが実現できるような構造を、わたしたちはそなえています。
というか、そういう仕掛けを作り上げてきたんですよね。

その仕掛け・構造が性能を発揮するかどうかは、
自分たちで邪魔さえしなければいい……。

これって、すごいですよね。

では、また次回!

-Violin Muscle-Arm