なぜ、これほどまでに私は魅了されるのか……魅惑のバイオリン【TED 2006 シリーナ・ウォン】(演奏曲目リストを加えました)

2015/03/03

 バイオリンを演奏するために、知っておいたほうがいいことがあります。

 それは、バイオリンから、どうやって音が出てくるのか、どうやってきこえるのか、という仕組みについてです。

 バイオリンのかたちを見て、仕組みを学び、

 音が伝わる仕組み・物理法則を学び、

 音が「きこえる」という、わたしたち自身の仕組みについても学ぶということにまで及びます。

 2006年のTEDで、11歳のバイオリニスト、シリーナ・ウォン(Sirena Huang)は、その仕組みについての彼女の理解を、どのように表現しているでしょうか?

バイオリニストのシリーナ・ウォンが、たぐいまれな技術と繊細な感情表現を演奏で見せてくれます。愛らしい幕間の語りでは、この11歳の少女はバイオリンの古びることのないデザインの美を称えています。
シリーナ・ウォン 魅惑のバイオリン | Talk Video | TED.com

バイオリンの魅力

シリーナは、バイオリンに魅力について、小さな頃のお母さんとの話を通して、語ります。

小さい頃、お母さんに聞かれました。

「バイオリンとピアノのどっちがいいの?」

あの大きな怪物みたいなのを見て、思いました。

一日中あんなベンチに縛り付けられるのは、ごめんだわ。こっちは小さくて軽くて、立っていても、座っていても、歩きながらだって弾ける。

これこそが、子どもにとってバイオリンが最良の音楽のパートナーであるという証言ではないでしょうか。メニューインも、同様のことをいっています(著書『ヴァイオリンを愛する友へ』にて)。

バイオリンの二面性……難しさと楽しさ

シリーナは、バイオリンの面白さについて、次のようなことを言っています。

エンターテインメントは大好きです。
でも、楽器自体が、楽しいわけではありません。

初めてバイオリンを手にして、弾いてみようとしたとき……
ひどい音がして、他の子たちのような音が、出ませんでした。

何かひっかくような嫌な音で 全然楽しくなんかありません。
(略)
やっと私も演奏家として理解しました。

私たち人類には、素晴らしい精神と、芸術的な心と、技があり、16世紀のテクノロジーと伝統的なデザインを、素敵なエンターテインメントへと、変えることができるのです。

 生きることの、喜び・苦しみ・悲しみ・楽しみを、すべて昇華させてうる、芸術の本質というものを、見事に言い表していると、感心しました。

 ヴァイオリン演奏の楽しさは、つくった音色を耳にする喜びだけではありません。音の創出の技術的困難を克服する喜びでもあり、そのすべての過程をわかちあうことによって得られる楽しみでもあると思います。

 みなさんは、どうお感じになりましたか?

演奏された作品たち

1曲め チゴイネルワイゼン(サラサーテ)

2曲め 愛の悲しみ(クライスラー)

3曲め「アルプス一万尺」変奏曲(ヴュータン)

楽譜は、海外のAmazonなどでみつかります。
Vieuxtemps Yankee Doodle Variations - Google 検索

▼こちらは、ジョシュア・ベルの演奏。聴衆が思わずクスクス笑うのが聞こえてきます。

4曲め「エチュード・カプリース 作品18」より(ヴィエニャフスキー)

もともとは2つのバイオリンで演奏するようにかかれています。
Wieniawski Etudes - Google 検索

▼こちらは、2つのバイオリンで演奏された実例

参考:音の仕組みについて

バイオリンの仕組み

▼バイオリンってどうやってできたのでしょうか。バイオリンの仲間とその歴史について。
我が家にもあります。

音ってなんだろう?

世界がきこえる仕組み

▼体験型ウェブサイトがおもしろいです
錯視と錯聴を体験!Illusion Forum イリュージョンフォーラム

▼書籍もあわせてどうぞ

-おすすめ資料(動画・教材など)