【のびのびと座奏するために】座奏のカン違いから抜けだそう〜体重をどこに預ける?

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 座奏(ざそう)とは、座って演奏することです。「楽器を演奏するために座る」という場面を思い浮かべてみましょう。あなたなら、どう座りますか?

 弦楽器を演奏するとき、とくに座って演奏する「座奏」のとき。よくあるカン違いがいくつかあることに気が付きました。そのカン違いに気づいて、演奏を変えて行くために、どうしたらよいのかを書いてみることにします。

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弦楽器を座奏するときのカン違い

あなたの演奏を邪魔している「あしを休ませる」という考え

 みなさんが「演奏するために座る」ということを思い浮かべたときに、まず何を思い浮かべたでしょうか?

 弦楽器奏者によくあるカン違いは、座奏するときのあし(脚・足)のことです。座っているとき、ほとんどの人は脚をどう使っているかを忘れています。

実験1. どうやって体重を支えているか調べてみよう

 座るときに、どうやって体重を支えているかをちょっと調べてみましょう。

 どこで体重を支えていますか?……イスの座面、床、背もたれなどがありますね。ほかにもあるでしょうか?

 体重を支えてくれている場所には、それぞれ何割ずつの体重を預けているでしょうか?

 そして、それぞれ預けている体重は、カラダのどこが触れているせいで伝わっているのでしょうか?

 それらの体重の配分を変えて遊んでみましょう。

実験2. 演奏しながら「体重の配分を変える」

 実験1でやってみたことを、演奏しながらやってみましょう。音を出しつつ、体重の支え方を変えて遊んでみましょう。

 体重を移しかえて遊んでいるときの演奏はどんな感じがしたか、よく味わってみてくださいね

豆知識:カラダのなかで一番重いのはどこ?

 体重の話が出たので、ひとつ体の重さについてのクイズです。体のパーツのなかで一番重いパーツのことです。そう、アタマ。

 アタマがどれくらい重いか、ご存じですか?

 成人男性の頭の重さは、一般的に5キログラムあると言われています。牛乳パックなら5本分、ノートパソコン2台分、スマホだと40〜50個分、譜面台4〜5本分……。

 これだけの重さがありますから、さっきの2つの実験をするときに、頭のちょっとした動きでバランスを変えてみるということも遊んでみることができます。ほんのちょっと頭を動かすだけでも、ずいぶんとバランスが崩されて、釣り合いを取るための動きが体のあちこちで起こるのが感じ取れることと思います。

 楽器の演奏ともなれば、全身が動きまわるわけです。演奏するときになんとなく座るのではなくて、「イスでも床でも、体が触れて体重を預けているところは、すべて使って演奏を支えてみよう!」とおもってみると、演奏が変わってゆきますよ。

おまけ:指導者向けの宿題

 座るときに《あし》を忘れやすいのは、どうしてでしょうか?

 あしを思い出すために、どんな工夫ができるでしょうか?ふだん練習室でつかえるアイデアや、本番のステージで演奏を始めるときにできそうなアイデアを考えてみましょう。

 それは、座る時に触れている相手(イスや床)が体重のほとんどを支えてくれることが多いからです。

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