受講記録
日時、場所
2013年11月22日 金曜日、BODYCHNACE東京(目黒スタジオ)にて
BodyThinking 3時間のクラスを受講しました。
はじまるまで
「きょう、なにかやりたい人はいますか?」と、講師のバジルさんが呼びかけに応じて……ちょっと考えて私は「はい」と手をあげました。
ヴァイオリンをひきますと言って、ケースから楽器を取り出し、譜面台と椅子をセットし、楽譜を譜面台にのせ、椅子に座りました。
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バイオリンを学ぶことが、
音楽のよろこびを広げることが、
あなたの人生だけでなく、あなたと出会う人びとを豊かにできるとしたら?
ひいてみる
楽譜はベートーヴェンの「第九」第2ヴァイオリンのパート譜。第4楽章ではじめて歌声があらわれる前のヴァイオリンの速いパッセージをやってみようと思ったのです。
「この、ちゃかちゃかした動きをひいてみます」
・楽譜を見て
・演奏するための必要な動作をする
・出た音を聞く
・どんな音が出ても演奏を続ける
こうしたことを思いながら演奏しました。
ひいてみて思ったこと
自分で気づいたのは次のようなことでした。
・音の切り替わりが乱れていて、ひとしきり引き終えるまでに修正しきれなかった→→→弦を張り替えたためか、弓から伝わってくる手応えが違うことがわかっていたけども、どうにもしようがなかった
・左手指を動かすプランが不明瞭だった→→→指番号に従うか、ソルフェージュした脳内メロディーに従うか、迷いながら演奏していた
・「うまくいってない」ということへの対処法を考えることに演奏のための気配りの大半を注いでいた
私にとっての問題は、「こうしたことにきづいたところで、いったいどう改善したらよいのか」ということでした。
バジルさんからの提案
バジルさんは、こういいました
「これを演奏するために、頭がうごけて、自分全部がついてきて、楽器が自分のほうへやってくる……」
このように言いながら、手で頭に触れました。
演奏は変わりました。
何が変わったかというと……
・音量の増大(楽器と弓から伝わる振動が増えた=奏者自身の聴覚と触覚の鋭敏化か?)
・体を動かす労力の低減
・足や手指、首や肩まわりの硬直感や拘縮感の解消
・「自分が何のために、これを演奏しているのか」という意図の明瞭化
……といったことについて変化を感じました。
提案通りにやってみて私が思ったこと
ひとしきりひいてみて、私はしばらく言葉を発することができずにいました。
なぜなら、《変化をもたらす変化》がなんだったのかを自覚できなかったからです。そのことに気づいて、わたしはこう言いました。
「BodyThinkingを学ぶようになってから、レッスンで《カラダをこう使うといい》と言っているうちに《ひけないのは、カラダがこうなっているからではないか?》という考えにすり替っていることが多かったように思う」
「このフレーズを学生に教えるときに《どう演奏したいのか?》《こうやりたい!》というやり方でなく、《ひけないのはどうしてなんだろうか?》と思って取り組んでいたかもしれない。悩み事の解決に時間がかかってしまいがちなのはそのせいかもしれない」
と。
バジルさんの考察
バジルさんは、興味津々の表情で次のように応じました。
「このクラスはたしかにBodyThinkingのクラスなので、体の解剖学的知識や、それに基づいたアイデアを深く学ぶことになります。ですが、このスタジオ(BodyChance)が何をするところかというと……アレクサンダーテクニークを学ぶところなんです」
まとめ……私が学んだこと
《やりたい》をやるために、カラダの使いかたを考えるのがBodyThinking的アプローチではあります。しかし、カラダの使いかたを考えようとすると《部品としてのカラダ》や《関節の動き》に目を奪われてしまうことが起きてしまうこともあります。
アレクサンダーテクニーク的アプローチとは何かといえば、《やりたい》をやるために「頭が動けるようにして自分全部も動けるようにする」ことを思い出せばいいということです。そうすれば、《やりたい》にしたがって体が動いてくれるということなんです。
そして、「頭が動けて自分全部も動ける」を思い出せているのに、《やりたい》はずのことができないということは、《何をやりたいか》をより明確にする必要があるということを示しているんですね。
今回は、このような学びを得ました。
今後の課題
ところで、今回の学びをもとに、自分自身が演奏するうえでの当面の課題を明らかにしてみました。
・弦と弓毛の張り具合を活かして演奏する→→→「弓毛で弦をこする」の別の言いかたを見つける
・「楽譜から受け取る情報をなにに使うか」を、より明確にする
・左手指の動かし方を《欲しい音程を思い浮かべて、そこを触る》にする
わかっているつもりのことでしたが、書き出してみると手ごわいというか、奥深いテーマですね。
音楽をやるというのは、学び続けることなんですね。