「電車で席を譲るかどうか、迷っちゃう……なんで?」アレクサンダーテクニークをいろんなふうに使ってみよう
2015/03/15
アレクサンダーテクニークを一緒に学んでいるTさん。電車の中で席を譲ろうとして、一瞬躊躇してしまうことがあるそうです。楽器も演奏するし、英語は人に教えるくらいだし、私・いちろーたから見るとコミュニケーションを苦手とするようには思えません。
電車に乗っていて、車内でお年を召されたご婦人に席を譲りました。
しかし、何かこれ気恥ずかしいというか、悪いことをするわけではないのに、何か席を譲るのって未だに一瞬気詰まりになります。
何だろうなぁ…。拒まれるのが自分でも不安なのかなぁ
そのときに「ああぁ、なるほど」と思うことがありました。次のようにひとことアドバイスを差し上げました。
「気持ちいい席だから譲る」と思ってみたらどうかな。
もちろん、ほかの選択肢だってあるはずです。ちょっと考えてみましょう。
席を譲りたい?何のために?
《そのご婦人》に席を譲るのはなんのためでしょうか?
お年寄りには席を譲らなければならないから?
年をとっているように見えるから?
トシのせいで体力が衰えているかもしれないから?
自分の申し出を相手がどうするかわからないから?
自分を自由に動けなくする思考の代表格は……
- 自分ではコントロールしようがないことを、コントロールしようとする
- 自分ではやりたくないのに、しようとする(やらなければならないからやる)
この2つにはどちらも無理があります。無理があることは、カラダに相反する二つの命令を下すのと同じです。
いまの私からできる戦略の提案は3つあります。
- やりやすいことから片付ける
- バックポケット・プランを用意する
- 自分の快適さにフォーカスする
戦略1. やりやすいことから片付ける
やることの順序を決めてしまいましょう。
戦略2. バックポケット・プランを用意する
バックポケットプランとは予備のプラン。ひとつのプランがうまくいかなかったときの代替ブランを用意しておくのです。
戦略3. 自分の価値にフォーカスする
(この快適な座席を味わうだけの価値を自分は備えている!)
(いま、こんなに快適な座席は他にない!)
「どうですか、この座席は気持ちいいですよ。座ってみませんか?」
快適さにフォーカスすることで、それをシェアしたいから席を譲る。自分という人間に計り知れないほどの価値があり、自分という存在とともに周囲のすべてにも自分と同等かそれ以上の価値がある(要するに『お互いに計り知れない価値がある』)と思ってみることで、比較的簡単にこの振る舞いをすることができます。
頭の体操「やりたいことをやるために……」
試しに思い浮かべてみてください。実験だからこそ、本気で思いうかべてみましょう……いまからする失敗は頭の中だけでのことです。
今自分が座っている快適な座席を、目の前に立っている人に譲りたいために、
頭が動けるようにしてあげて、
カラダ全部が自由に動けて、
席を譲りたい相手を見て、
挨拶をして、立ち上がり
「席をお譲りします、どうぞおすわりください」と言う
引っ掛かりなく、言うことができましたか?どこか引っかかることがあれば、自分のどんな思いが自分を引き止めているのかを見つけるチャンスです。自分と向き合いながら気持ちよく言える表現を見つけていきましょう。