弦楽器奏者のためのスランプ脱出法……あれこれ原因を探る前に試してみて欲しい、ただ1つのこと(アレクサンダーテクニークはこうやって弦楽器演奏に使える)

2015/03/15

 バジル&いちろーた。バジルさんの2013年9月新刊を先行販売してもらいました

 いま、あなたはどんな不調に悩まされていますか?どんなことに苦しんでいますか?その苦しみを取り除いて、楽しみに変えることができたらどんな気持ちがするでしょうか。今回は、スランプから、次なる成長のステージに進むための手がかり・ヒントを見つける実験をしてみます。

まずはじめにやることは「自分のことを、本気で面倒みる」

 演奏がうまくいっていないとき、いったいどうすればいいのでしょうか。

  1. 頭を動けるようにしてあげて……
  2. そうすることで、カラダ全部を動けるようにしてあげて……
  3. 頭とカラダ全体が動けるようにしながら、楽器を構えて
  4. 頭とカラダ全体が動けるようにしながら、演奏してみます

 まず、この一連の言葉を、自分に本気で語りかけてみて欲しいんです。

実験1「頭を動けるようにする」ってどういうこと?

ステップ1 「頭を固める」

 頭を固めましょう……頭と首が動けないようにしておいて、どうぞ座ったり立ち上がったりしてみましょう。普段の座ったり、立ち上がるのとどんなふうに違いますか?動きの速さ、滑らかさ、疲れ具合、呼吸の具合などはどう違いますか?

ステップ2 「《頭を固める》をやめる」

 固めるのをやめてみましょう。さっきまで固めて動けなくしていた頭のことを、今度は固めるのをやめてみましょう。固めていたのを緩めるだけでいいです。

 たとえば、握りこぶしをぎゅうううっと握り締めていたものを、緩めるのと同じです。指を開かなくていいです。

 頭が動けるようにしておいて、座ったり立ったりしてみましょう。さっきとどんな違いに気づきますか?動きの速さ、滑らかさ、疲れ、呼吸……どんな違いがあるでしょうか。

「固める」と「動ける」……演奏の時に起きてほしいのはどっち?

 固めているときの感じと、動けるようにしたときの感じ……どう違いましたか?気持よく動けたのはどちらでしたか?どちらの動きのほうが、より自由だったでしょうか?どちらの動きのほうが続けていたい動きですか?

「固める」は止められます

 「固めている」ことに気づいてしまったら、その時に思い出してみましょう。「固める」は止められます。

「動ける」を意図的に作れればオッケー!

 演奏をしているときに、この「動ける」状態で演奏ができるとしたら、それは嬉しいことではありませんか?

演奏以外でも「動ける」ようになっていこう

 演奏しているときの他にも、楽譜を読んでいるとき……コンサートの企画を構想しているとき……伴奏者と打ち合わせをしているとき……楽器を持って移動しているとき……などなど。

 でも、この「動けるようにする」って新しい習慣です。まずは、シンプルな演奏動作から取り入れることをオススメします。たとえば、楽器を持ち上げるとき、弓の張り具合を調整するとき、開放弦の練習するとき……。徐々に複雑なものへも応用していきましょう。音階練習、共演者との演奏、楽器の出し入れ、ステージでの身のこなし……。いくらでも応用の場面は見つけることができます。ひとつずつ挑戦してみましょう。

原点はココ「自分は、自分の面倒を見続ける」

 楽器の演奏では、楽器を扱っている自分の体の動きがパフォーマンスの質を左右します。うまくいかないとき、このことを思い出してみてくださいね。

  1. 頭を動けるようにしてあげて……
  2. そうすることで、カラダ全部を動けるようにしてあげて……
  3. 頭とカラダ全体が動けるようにしながら、楽器を構えて
  4. 頭とカラダ全体が動けるようにしながら、演奏してみます

参考文献

 

オススメ……2013年9月5日発売です

 「吹奏楽部員のための」と題していますが、「オーケストラ団員のための」と読み替えても十分に使える内容です。特に、コントラバスを演奏する人のためのアドバイスのコーナーは必読です。3ページというめちゃくちゃコンパクトななかに、「どう考えて、楽器を扱えばいいのか」「コントラバスを演奏するって、どういう動作なのか」ということが分かりやすく書かれています。(先行販売を買ったので、もう何回も読んでます)

-ボクの体験談