指導者なら気をつけたい言葉の選び方〜「○○しかない!」をやめる

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 教えるときに役立つ定番テクニックのひとつに「言い換え」があります。でも、あなたがもうワンランク上を目指すのなら「肯定形で言い換える」に挑戦してみることをオススメします。

「褒めてのばせ」とは?

 「褒めて伸ばせ」といいます。ほんとうの意味は「肯定形で呼びかけよう」ということなのです。むりに褒めろということとは違うのです。

 何かを見て練習方法を提案しようとするとき、「このやり方しか無いでしょ」と言いたくなったときには、一度踏みとどまってみて欲しいのです。

「本当にこのやり方しか無い?」
「他にも有効な練習方法はあるかもしれない」
「だけど、いまはこれが最善だとおもう」

 ……と思って「これしかない」といおうとしたのなら、より正確な表現になるよう言葉を選んだほうが良いのです。

思考過程を言葉に託す

 「この練習方法しかない!」という代わりに、いまの私ならこう言います。

「どういう練習方法があるかな?」
「こんな練習方法を思いついたよ」
「こんな練習方法でうまくいったことがあるよ」
「この練習方法を試してみない?」

 どうでしょうか。これらの言葉の違いは、言葉を受け取る人にとってどんな行動の違いをもたらすことができるでしょうか?

 私は、こうやって言い方を選ぶように心がけています。

「○○しかない」は脅迫です

 「○○しかない」は脅迫なのです。選択肢を与えず、要求を受け入れるしか無い状況に追い込むことは脅迫なのです。脅迫から逃れるには、選択肢を作り出すことが必要です。それもなるべく多く。

 比較してみましょう。「Aしかないよ。どうする?」といわれるのと、「Aもある、Bもある、Cもある。他にもあるけどAがオススメ。理由も聞きたい?」と言われるのと、どちらが自由な感じがしますか?

 指導の現場において、生徒さんの主体性を重んじるのならば、選択肢を与えることは必要なことです。ただ、生徒さんの理解を促進できるように提示する必要がありますから、配慮は必要です。適切な選択肢を、適切なタイミングで提示することで、生徒さんの望みにかなうように指導することはスムーズになるのではないでしょうか。

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